田上義也(たのうえ よしや、1899年(明治32年)5月5日- 1991年(平成3年)8月17日)は、日本の建築家、音楽家。
大正から昭和にかけて、北海道を拠点に活躍した。若くしてフランク・ロイド・ライトの影響を受け、確かな腕を持つ棟梁の小島与市と出会った。北海道の気候風土に根ざした、特徴的な要素を持つ洋風建築を数多く残している。
また、札幌交響楽団の創立者でもあり、初代指揮者も兼務した。
※wikipediaより
現存する主な設計作品として
※旧小熊邸(現ドリーバーデン)札幌市
※坂牛邸 小樽市
※旧佐田邸 函館市
※旧北見教育会網走博物館 網走市
※北海道銀行本店 札幌市
※八雲町庁舎・公民館 八雲町
※人形劇場こぐま座 札幌市
※日本キリスト教会札幌北一条教会新会堂 札幌市
※札幌教育文化会館 札幌市
※北海道立旭川美術館 旭川市
※本郷新記念札幌彫刻美術館 札幌市
※豊平川さけ科学館 札幌市
上記以外でも現存、すでに解体された建物がたくさんあるのが特徴。
いくつかの書籍やサイト、ブログ等で設計したことがわかっても
それが現在残っているのか無いものなのか自分でわからない物件を深堀していきたい。
ただ「これは⁈」という物件があっても確証が無いものがあり
ここに保留物件として記載して行こうと思う
田上氏関係の書籍以外に研究のサイトとして非常に参考となる
「札幌ノスタルジック建築散歩」様を参考にさせていただきました
1976年 大成寺会館 当別町 NEW
「当別町 大成寺会館」で書籍に記載があったので検索するとこちらになった
というだけで確認はしていない。
田上氏の設計では宗教ではキリスト教教会に代表作があるが仏教ではあまり聞かない
もとより氏自身が洗礼を受けた教徒であるからだろう
神社では札幌伏見稲荷会館がある。
どのような経緯でお寺の会館を設計したかは不明
大きな三角屋根が特徴な建物だ。
2021年4月撮影
1975年設計 月寒公民館 札幌市豊平区 NEW
月寒公民館も設計リストに載っていただけで、この建物が田上氏の設計とは確証はない。
ただ建物が築48年で補修次第で使えること、国土地理院の航空写真で1961~1969年では別の建物だが
1974年版には現在と同じ建物が写っていること。
なにより他に「月寒公民館」が無いことにより、そうではないかと思われるが…
この公民館は区役所ではなくても住民票や印鑑証明など各種証明書が取得できるので便利だ
その昔に旧豊平町として役場がここにあったからと思われる
豊平区が設立され現在地に区役所が新築されるまで役場はここにあった。
その後、ここの役場は解体され田上氏による公民館が建てられたと推測する。
国道36号線に向いている階段室の窓にデザイン性を見るがどうか
2021年1月撮影
1969年設計 丸越㈱ 帯広市
書籍「北のまれびと」の田上氏設計史に
「1969年 丸越ビル 帯広」の記載あり
ネットで見てみると
昭和26(1951)年設立の「丸越株式会社」があり自社HPには社屋ビルの写真があった
繊維製品総合卸の会社で業者向けの卸会社である
田上氏との繋がりは不明だが、帯広に行ったので寄ってみた。
出来れば「定礎」があれば竣工年が判ったと思うが、探したが無かった。
一般個人への販売はしていないので関係者以外はビル内に入ることが出来なく未確認物件です
1967年設計 札幌造形美術学園 札幌市
この記録からネット検索すると「同名」の学校はヒットしない
類似したもので
①「北海道造形美術学園」 創立?
②「札幌美術学園」 創立1953年
③「北海道造形デザイン専門学校」 創立1961年 ※1966年北海道美術学校に改名
このうち①は創立年がわからず また現校舎はそんなに古いものではない
③は学校の沿革がきちんと記載されており田上氏の設計ではないようだ
②の「札幌美術学園」は60年の歴史ある校舎と謳っており、期待して行ってみた。
中央区南5条西26丁目
この正面の建物はまだ新しく見えたが、その裏に建つ建物が歴史あり
裏面
校名が見えるので、建築当時はこちらが本校舎だったのかも知れない。
屋根は変更されているように見えた
塗装の剥げ具合が歴史を感じる
連続する窓がいい感じだ。
田上氏、同年の設計で現存しているのは
「高台病院」 豊平区
これを推して似ているとは中々言い難く、札幌美術学園が田上氏設計の確証はまだない
もう少し調べてみたい。
これは学校案内のパンフにあったもの
1962年設計 K谷氏邸 札幌市
K谷氏は苗字しかわからない
しかし田上氏設計の建物の代表者にK谷氏の名前を見る。
自宅から始まり次に会社の建物を依頼する
またその逆も氏の設計にはよくみるパターンで、
古くは関場博士の別荘から自宅
旧小熊邸に入った北海道銀行初代頭取の島本氏は邸の増築から銀行支店の数々と例がある。
一応設計の記録では
1956年 施設の改築
1962年 自宅新築
1968年 施設新築竣工
1969年 寮新築 となっているが関係性の確証はまだない
K谷氏の自宅をストリートビューで見てみると、補修や改築はありそうだが
田上氏の個性は?と言われると……
ただ真上からの写真を大きく見ると
マークの下に見える白い枠はパーゴラではないだろうか
田上氏の住宅作品の中でパーゴラが一つの特徴でもあったと思う
ストリートビューからは木々が多く確認はしていないが。
もちろん他者でもパーゴラを用いたりするだろうが
今回は、「同性」の方が代表をしている施設の設計を田上氏がしていること
そして「同性」の方の自宅にはパーゴラがありそうなこと
だが同じく確証はないので保留としたい。