かりなはお母さんっ子だ。
何をするにも飼い主母の所へ行き訴える。
「何か頂戴」
「トイレに行きたい」
「遊んで」
全て飼い主母に訴える。
実行するのは飼い主なのに…
飼い主はかりなに訴える。
「ワシに言わんかーい」
財布を手に、テーブルの上から飼い主母に何かを訴えるかりな
そっから降りんかーい
少し前の話。
同じ会社の友人が東京本社の余りのブラックさに会社を辞めてしまった。
優秀な彼女はすぐに次の就職先が決まり、忙しい毎日を過ごしているようだった。
営業所勤めの私はと言えば、ズルズルと営業所に残り、本社の空いた穴を埋めらされていた。
日曜日、地元の友人と久々に街に遊びに出掛けた。
夕方、明日は仕事なので早々に帰る事にした。
友人がトイレに行くと言うので、駅地下のベンチで座って待っていた時の事。
ふと向こう側の通りに目をやると、ひと組の男女が歩いていた。
「あっ…」
私は思わず声が出た。
元本社の友人が阿部寛似の男性と話をしながら歩いているではないか。
そんな訳ない…ここは本社から随分離れた地方都市だ。明日は月曜日で出勤のはず、こんな遠くに来てる訳がない。
「人違いだな」
と、独りで笑った。
家に戻り、一応、元本社の友人に『阿部寛似の彼氏とデートしてた?』と冗談混じりのメールを送る。
すると暫くして電話がかかって来た。
なんと、友人も私を見たと言うのだ。
詳細は以下の通りだ。
日曜出勤で会社の上司(阿部寛と言うかトイストーリーのウッディ似らしい)と、得意先から会社へ帰る途中、デパ地下を歩いていると、ベンチに独り座っている私を見かけた。まさか遠く離れたここに居る筈がないと思って、先を急いだのだそう。
しかも、私が見かけたのとほぼ同時刻だった。
時空が歪んだのか?
そっくりな人を偶然見かけたのだろうか?
不思議な出来事だった。
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