今夏のカナディアンロッキーは山火事の煙害もなく、澄み切ったきれいな青空が臨め
る日も多く、おかげで数年ぶりにゴルフも大変気持ちよくラウンド出来ました。
ここ数年、7月に入って間もなくから山火事の煙害が始まり、8月後半くらいまで景色
が白く霞んでぼんやりとしか見えない日が続いてがっかりさせられていました。
例年なら8月に入るとだんだん朝晩の気温が下がり始め、中旬には初冠雪が見られる
のですが、今年はなんと9月に入って、それも中秋の満月の翌々日、夜の気温が5℃
を切るくらいまで低くなり、朝起きたらスリーシスターズ山の頂上に初冠雪でした。
それと同時に、今頃になってアルバータ州南部で起こった山火事の煙が風に乗って
やってきてしまい、周囲の景色が白く霞んでしまっています。
気温が下がるとデッキに吊るしているフラワーポットのお花たちもだんだん元気をなく
し枯れはじめます。トマト、青紫蘇と茗荷の鉢植えはまだ元気ですが、夜10℃以下に
なるとデッキには置いておけず、リビングルームに入れています。今夏は「れいか」と
いうトマトの苗をカルガリーの友人からいただき、実が赤く熟してから収穫したところ
皮が薄くて甘みもあり、とても美味しくてビックリ!嬉しくなって、いつもお庭の花を
くださるお向かいの家の奥様にもお裾分しました。紫蘇の葉も天ぷらにしたり麺類の
薬味、バジルの代わりに紫蘇ジェノベーゼソースを作ってシーフードやチキンに使って
います。
ひと月前はまだ6時半スタートでイブニングゴルフも楽しめていたのに、今はもう8時
だと薄暗くなっていて、食後の散歩に出かけると時々黒クマがご近所の庭のナナカマド
の実などを食べているところに遭遇したりすることもあるので、ベアスプレーは必携。
とはいえ、未だに熊に向かってスプレーを吹きかけた事はありません。
ロッキーのクマたちはBC州のクマと違い、鮭が遡上するような川もなく栄養価の高い
魚などを食べることが出来ないため、冬眠前に少しでも木の実などを食べておこうと
いうことで、夜になって山から民家の周辺に出没しているようです。最近はエルク
(大型の鹿)の群れも時々山から降りて来て草を食んでいます。野生動物たちは雪が
降り食べ物が減る前に少しでも食べて体力をつけて極寒を乗り切る準備をしています。
タイトルにしたHighland Games (ハイランドゲームズ)とは元々スコットランドの
ハイランド地方各地で5月から9月にかけて行われる競技会です。現在では世界のあち
こちでも開催され、日本でも行われているそうです。キャンモアでは毎年9月の第一週
の週末2日間行われていて、カナダ全土やアメリカからも参加者が集まります。私は
競技会場のボランティアスタッフとして今回で11回目の参加でした。COVIDー19の
影響で開催は2年見送られましたが、今年3年ぶりにいつも通りの盛大な規模で開催
されました。
スコットランドの伝統音楽、舞踊に関するコンテストや、民族衣装であるキルトを着用
して行う競技があるなど、単なるスポーツ競技会にとどまらず、スコットランド人が
自らの民族的帰属意識を確認する場ともなっています。
なぜキャンモアで開催されるようになったかは定かでは無いのですが、移民大国である
アメリカやカナダに、その昔スコットランドからも新天地をもとめて大勢のスコット
ランド人が移り住み、民族の文化を伝承する機会を作りだしたのでしょう。
タータンチェックのキルトスカートを纏い演奏や行進の技術を競い合います。
クライマックスは最後に出場した全グループが演奏しながら入場し、優勝チームが
発表されます。日本でもハイランドゲームが開催されていることを、ネット検索して
いて知りました。スコットランドの民族衣装については以下のサイトに詳しく書かれ
ているので、ご参考にしていただけたらと思います。
http://sin-cos-group.com/sincos/scotland/kilt.htm
今回のボランティア参加で驚いたこと、参加する際の注意書の中に「マスク着用」と
いう項目はありませんでしたが、念のためポケットに忍ばせて行きました。ところが
お手伝いする現場(フードテント)に行ってみてスタッフは誰ひとりマスクを着用
していませんでした。テントは2方が解放されているので風は通るようになっていまし
たが、もっと驚いたのは、ランチを購入にくる参加者や入場料を支払って観戦に来て
いる大勢の観客たちの誰もマスクをつけていなかった事です。マスクをつけると声が
通りにくくなるので、結局3時間あまりの活動中もボランティアが終わってマーチング
バンドの演奏と行進を観ている間も、人ごみの中でマスクを付けずに過ごしました。
実はごく最近、隣家のご家族やご近所に住む友人家族が次々とコロナに感染した経緯
があったので、今回はひょっとしたら自分も…とボランティアが終わった日から1週間
できるだけ人との接触を控えて過ごしました。夫とは致し方なく近距離で会話もするし
食事も作って一緒に食べるということで、本人は私から感染するならそれはそれで一緒に
自主隔離する覚悟と言っていました。
幸い1週間たっても私は至って元気で感染は免れました。8月4日に4回目のワクチン
接種を終えていたのでかなり抗体効果が高かったのかも知れません。
今日はカルガリーに出かけCOSTCOで買い物をしましたが、そこでもほとんどマスク姿
は見かけませんでした。2年間休止されていた館内の試食ブースも復活していて、皆さん
全く抵抗なく試食品の入ったカップを受け取っていました。
日本のニュースでも新型コロナウイルスを「普通の病気」として扱うためのロードマップ
を作ることを考え始めると伝えていたことや、9月7日から海外から日本へ入国時に求め
られていたPCR検査陰性証明も撤廃され、外国人旅行者の上限を5万人にして、今後は
ビザ無しにして個人旅行も認めることが検討されているとのこと。コロナ前の日本に戻る
日も近づいてきたようですね。
ロッキーも州外やアメリカのプレートをつけた車を沢山見かけるようになリ、新学期が
始まった今もキャンプサイトは常に満杯で全く予約が取れない状態が続いています。
それどころか、有名な湖やハイキングトレイルは駐車場が満杯で遠くに用意された臨時
の駐車場からシャトルバスに乗らなければ目的地に行けないような状態です。
黄葉が終わる10月上旬にはこの混雑も緩和される事とは思いますが、2夏続いた人も車も
減って静かだったロッキーは、3年目の夏、完全復活したようです。
10月にはいったら、我が家の恒例行事「松茸狩り」に出かける予定です。BC州ではすでに
採れ始めているらしく、今年は豊作かも?と、期待しているところですが、結果はまた
次回ご報告したいと思います。
余談ですが、先日逝去されたイギリスのエリザベス女王が最期を迎えられたのはスコット
ランドのバルモラル城でしたね。最後のご公務「新首相の任命」時にタータンチェックの
スカートをお召しだったことから、きっとスコットランドを愛されていたのだろう、とか
お城にご滞在中はバグパイプの音色をよくお聴きになっていたのではないかしら、などと
思いを馳せながらご冥福をお祈りしました。
それでは、また来月、お元気でお過ごしください。
Junko @ Canadian Rocky