カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

初冠雪とHighland Games

2022-09-20 11:46:00 | 出たっきり邦人・メールマガジン



#222

カナディアンロッキーから、こんにちわ。
今夏のカナディアンロッキーは山火事の煙害もなく、澄み切ったきれいな青空が臨め
る日も多く、おかげで数年ぶりにゴルフも大変気持ちよくラウンド出来ました。
ここ数年、7月に入って間もなくから山火事の煙害が始まり、8月後半くらいまで景色
が白く霞んでぼんやりとしか見えない日が続いてがっかりさせられていました。

例年なら8月に入るとだんだん朝晩の気温が下がり始め、中旬には初冠雪が見られる
のですが、今年はなんと9月に入って、それも中秋の満月の翌々日、夜の気温が5℃
を切るくらいまで低くなり、朝起きたらスリーシスターズ山の頂上に初冠雪でした。
それと同時に、今頃になってアルバータ州南部で起こった山火事の煙が風に乗って
やってきてしまい、周囲の景色が白く霞んでしまっています。

気温が下がるとデッキに吊るしているフラワーポットのお花たちもだんだん元気をなく
し枯れはじめます。トマト、青紫蘇と茗荷の鉢植えはまだ元気ですが、夜10℃以下に
なるとデッキには置いておけず、リビングルームに入れています。今夏は「れいか」と
いうトマトの苗をカルガリーの友人からいただき、実が赤く熟してから収穫したところ
皮が薄くて甘みもあり、とても美味しくてビックリ!嬉しくなって、いつもお庭の花を
くださるお向かいの家の奥様にもお裾分しました。紫蘇の葉も天ぷらにしたり麺類の
薬味、バジルの代わりに紫蘇ジェノベーゼソースを作ってシーフードやチキンに使って
います。

ひと月前はまだ6時半スタートでイブニングゴルフも楽しめていたのに、今はもう8時
だと薄暗くなっていて、食後の散歩に出かけると時々黒クマがご近所の庭のナナカマド
の実などを食べているところに遭遇したりすることもあるので、ベアスプレーは必携。
とはいえ、未だに熊に向かってスプレーを吹きかけた事はありません。

ロッキーのクマたちはBC州のクマと違い、鮭が遡上するような川もなく栄養価の高い
魚などを食べることが出来ないため、冬眠前に少しでも木の実などを食べておこうと
いうことで、夜になって山から民家の周辺に出没しているようです。最近はエルク
(大型の鹿)の群れも時々山から降りて来て草を食んでいます。野生動物たちは雪が
降り食べ物が減る前に少しでも食べて体力をつけて極寒を乗り切る準備をしています。

タイトルにしたHighland Games (ハイランドゲームズ)とは元々スコットランドの
ハイランド地方各地で5月から9月にかけて行われる競技会です。現在では世界のあち
こちでも開催され、日本でも行われているそうです。キャンモアでは毎年9月の第一週
の週末2日間行われていて、カナダ全土やアメリカからも参加者が集まります。私は
競技会場のボランティアスタッフとして今回で11回目の参加でした。COVIDー19の
影響で開催は2年見送られましたが、今年3年ぶりにいつも通りの盛大な規模で開催
されました。

スコットランドの伝統音楽、舞踊に関するコンテストや、民族衣装であるキルトを着用
して行う競技があるなど、単なるスポーツ競技会にとどまらず、スコットランド人が
自らの民族的帰属意識を確認する場ともなっています。
なぜキャンモアで開催されるようになったかは定かでは無いのですが、移民大国である
アメリカやカナダに、その昔スコットランドからも新天地をもとめて大勢のスコット
ランド人が移り住み、民族の文化を伝承する機会を作りだしたのでしょう。


バグパイプを中心としたマーチングバンドが数10組参加し、色とりどりの異なった
タータンチェックのキルトスカートを纏い演奏や行進の技術を競い合います。
クライマックスは最後に出場した全グループが演奏しながら入場し、優勝チームが
発表されます。日本でもハイランドゲームが開催されていることを、ネット検索して
いて知りました。スコットランドの民族衣装については以下のサイトに詳しく書かれ
ているので、ご参考にしていただけたらと思います。
http://sin-cos-group.com/sincos/scotland/kilt.htm

今回のボランティア参加で驚いたこと、参加する際の注意書の中に「マスク着用」と
いう項目はありませんでしたが、念のためポケットに忍ばせて行きました。ところが
お手伝いする現場(フードテント)に行ってみてスタッフは誰ひとりマスクを着用
していませんでした。テントは2方が解放されているので風は通るようになっていまし
たが、もっと驚いたのは、ランチを購入にくる参加者や入場料を支払って観戦に来て
いる大勢の観客たちの誰もマスクをつけていなかった事です。マスクをつけると声が
通りにくくなるので、結局3時間あまりの活動中もボランティアが終わってマーチング
バンドの演奏と行進を観ている間も、人ごみの中でマスクを付けずに過ごしました。

実はごく最近、隣家のご家族やご近所に住む友人家族が次々とコロナに感染した経緯
があったので、今回はひょっとしたら自分も…とボランティアが終わった日から1週間
できるだけ人との接触を控えて過ごしました。夫とは致し方なく近距離で会話もするし
食事も作って一緒に食べるということで、本人は私から感染するならそれはそれで一緒に
自主隔離する覚悟と言っていました。

幸い1週間たっても私は至って元気で感染は免れました。8月4日に4回目のワクチン
接種を終えていたのでかなり抗体効果が高かったのかも知れません。
今日はカルガリーに出かけCOSTCOで買い物をしましたが、そこでもほとんどマスク姿
は見かけませんでした。2年間休止されていた館内の試食ブースも復活していて、皆さん
全く抵抗なく試食品の入ったカップを受け取っていました。

日本のニュースでも新型コロナウイルスを「普通の病気」として扱うためのロードマップ
を作ることを考え始めると伝えていたことや、9月7日から海外から日本へ入国時に求め
られていたPCR検査陰性証明も撤廃され、外国人旅行者の上限を5万人にして、今後は
ビザ無しにして個人旅行も認めることが検討されているとのこと。コロナ前の日本に戻る
日も近づいてきたようですね。

ロッキーも州外やアメリカのプレートをつけた車を沢山見かけるようになリ、新学期が
始まった今もキャンプサイトは常に満杯で全く予約が取れない状態が続いています。
それどころか、有名な湖やハイキングトレイルは駐車場が満杯で遠くに用意された臨時
の駐車場からシャトルバスに乗らなければ目的地に行けないような状態です。
黄葉が終わる10月上旬にはこの混雑も緩和される事とは思いますが、2夏続いた人も車も
減って静かだったロッキーは、3年目の夏、完全復活したようです。

10月にはいったら、我が家の恒例行事「松茸狩り」に出かける予定です。BC州ではすでに
採れ始めているらしく、今年は豊作かも?と、期待しているところですが、結果はまた
次回ご報告したいと思います。

余談ですが、先日逝去されたイギリスのエリザベス女王が最期を迎えられたのはスコット
ランドのバルモラル城でしたね。最後のご公務「新首相の任命」時にタータンチェックの
スカートをお召しだったことから、きっとスコットランドを愛されていたのだろう、とか
お城にご滞在中はバグパイプの音色をよくお聴きになっていたのではないかしら、などと
思いを馳せながらご冥福をお祈りしました。

それでは、また来月、お元気でお過ごしください。

Junko @ Canadian Rocky

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Huckleberry摘みと夏のイベントあれこれ

2022-08-12 20:00:00 | 出たっきり邦人・メールマガジン
No.221

カナディアンロッキーから、こんにちわ。

8月に入り、日中は夏らしく外気温は30℃近くまで上がりますが、朝晩は涼風が吹く
ようになりました。トレイルで見かける山野草もワイルドローズやインディアンペント
ブラッシュから夏の終わりを告げるファイヤーウィード(柳蘭)に代わっています。

嬉しいことに、今夏はまだ山火事の煙がやってきていません。
ここ数年、毎夏7月半ばからひと月間ほどBC州で自然に起きた山火事の煙が風に乗って
アルバータの空を覆い尽くす煙害が起きていて、今夏もいつそれがやって来るのかと
案じていたら、いまだに澄み切った青空を見ることができています。とは言え、BC州の
山火事は既に大小合わせて100箇所余で発生しているということなので、風向きによって
は煙がくることが懸念されます。綺麗な空の下、ロッキーの山々に囲まれたゴルフコース
を歩いて回ると、何て贅沢な時間を過ごしているんだろう!と、思います。同時に暑過ぎ
る日本でラウンドしている友人たちには申し訳なく感じます。私が日本でラウンドするの
はいつも10月終わりから11月半ばが多く、そのころ日本は気持ちの良い秋晴れが多いの
で、私は本当にラッキーだと思っています。


孫がビクトリアへ行った後、夫も私も少し気が抜けたような日々を過ごしましたが、だん
だん元のペースを取り戻し、平常の暮らしに戻りました。
夫は6~9月末まで毎週水曜日に、バンフの公園で開かれるファーマーズマーケットで自分
の撮ったベストショットの写真を販売しています。今春からカナダは海外からのツーリス
トをPCR検査なしで入国できるようにしたので、バンフも3年ぶりに観光客が戻ってきた
ようで、マーケットは活気づいています。あまり英語が得意ではない夫ですが、お客さま
と写真を通していろんな会話ができることを楽しんでいるようです。手前味噌なのですが
夫の撮る写真は時間をかけてじっくりカメラを構え、一瞬だけ風が止み湖の表面が鏡のよ
うになって山が映り込んだところを捉えたもの、夜中に人知れず現れるオーロラを捉えた
ものなど、日ごろからどの場所でカメラを構えればよい画像が撮れるかを徹底的に研究して
結果として素晴らしい一瞬を捉えた一枚になっているのです。IPhoneなどのショットでは
簡単に撮れないものばかりなので、結構人気があります。



私はというと、夏はゴルフ!少なくとも週2回はラウンドしています。古くからのゴルフ
バディのDannaの勧めで今夏からLadies League に参加したので、同年代、若しくはもっ
と年上のシニアの女性達とラウンドすることもあり、新しいメンバーの方々とも親しくなれ
て楽しんでいます。相変わらず聞き取れない会話もありますが、そこはお遊び中のことで
あまり真剣に聞かなくても良いし、お互いに良いショットの時には声を掛け合い、失敗して
もジェスチャーで残念!って表現すれば、分かり合えるものです。

今夏は頑張って新しいクラブに替えました。個人レッスンを受けているインストラクターに
フィッティングしてもらい、ゴルフクラブに入会した年(2010年)にわけもわからず
ショップで勧められるがまま買ったクラブとやっとバイバイしました。新しいクラブは軽く
てシャフトのしなりも良く、長さも私に合わせてカットしてあるので、お陰で飛距離が伸び
ました。インストラクター曰く、クラブは消耗品なので、替え時だったねと。これでスコア
のアベレージが下がれば言うことなしなのですが…そんなにはうまくいかないのが現実です。

先日はカルガリーで「浴衣を着てディナー」というイベントに参加しました。
Calgary Kimono Clubの主宰で私はメンバーになって初めての参加でした。当初、夫は撮影
に行くと言っていたのでひとりで夜のドライブは避けたくて、マリオットのポイントで泊ま
れるホテルが集合場所の近くにあったので一泊予約しておきました。ホテルまで洋服で運転
して行き、お部屋で着物に着替えてディナーに参加できるのも便利だし、翌日はホテルの近く
にある大きなショッピングエリアで食材など買って帰ろうと計画。ところが夫は撮影に行か
なくなり、一緒に行ってくれたので、ディナーのお店の往復送迎も頼めて、お陰でお酒が飲め
てラッキーでした。

Kimono Clubは発足10年ほど。毎年数回、着物を着て食事会やお茶会などを企画していた
ようですが、ここ3年は集まれていなかったということで、妖艶なレディーズ8名が素敵な
浴衣姿で集いました。私は夏着物で出掛けましたが、皆さま娘のような年代の方ばかりでした。
初参加で臆する私をみなさんで歓迎してくださり、すぐに打ち解けてガールズトーク炸裂の中
私も頑張ってお話の仲間入りしてみると、なかなかこれが楽しいものでした。会場は韓国人
経営のSushi Bar&Grill。会費は税サ込みで45ドルでしたが、コース仕立てで7品ほどサーブ
され、盛り付けも素敵だったし味も美味しくてびっくり。屋内はエアコンで冷え冷えだった
ので、屋根のある屋外のテラス席でいただきました。クーラーの効いたお部屋じゃビールも
美味しくありませんものね。

みなさん一人づつ近況を話されたり着物好きらしい会話も多くあって、私は彼女達のお母さん
くらいの年齢でしたが、着物が共通の話題だと違和感なくお話し出来ました。8名中6名は
ご主人やパートナーが日本人ではありませんでした。それゆえのカルチャーショックなども
お聞きして…国際結婚の難しさや、反対に日本の慣習などに縛られないところの気楽さもあっ
たりで、それぞれにcross-cultural exchangeをうまくされていなぁ、と感心しました。聞い
ているとやはり着物はお母様やお祖母様の影響で好きになったという方が多く、私の母も
お出かけというと洋服より着物を着ていたし、何より母の勧めで茶道の親しむようになって
からは自分で着物を着ることもできるようになったことで、自然に着物の種類や生地、季節に
よって装いの違い、なども学ぶことが出来ました。メンバーの方々とLINEを交換したり、とっ
ても若返ったひとときでした。

さて、我が家の夏の恒例行事「ハックルベリー摘み」今夏も実行出来ました。
まず7/17~19、例年であればベストな頃と考え、3時間半のドライブでBC州キンバリーに
出かけてみました。行ってみると6月の気温が低かったのでまだ青い実がついたばかり。
友人夫妻とホテルを2泊予約していたので、2日目は1時間半南下してフルーツの町クレス
トンまで走り、今が盛りのいちご狩りを楽しみました。
Infoセンターで苺農園を教えてもらい、ピッキングした後は安価で持ち帰れると言うので
お互い大きなバスケット2杯づつ摘みました。日本のように立ったまま摘める形式と違って
地面に膝をついたり腰を降ろして摘んで行くので膝や腰に負担がかかり長時間は無理でした
が、1時間くらいは頑張りました。
完熟苺のジャム

クレストンに点在するフルーツ農園では赤い実をつけたチェリーの木をたくさん見かけま
した。桃やりんごの産地でもあります。日本で採れる果物はどれも見栄え良く美味しいを
知っていると、カナダの果物は見栄えも味もかなり劣る、なのに安くもない…それがオー
ガニックであるから?と思っても、なかなか買おうとは思わないレベルのものです。幼少
期は果物王国の岡山県南で育ったので、マスカットやピオーネ、清水白桃といった特産物
を好きなだけ食べた子供の頃が懐かしく思い出されます…。

今夏はイチゴの当たり年なのか、キャンモアのマーケットでもパック入りのいちごが手頃
な値段で買えます。店頭のいちごは完熟とはいかないのでジャムには不向きですが、クレ
ストンで摘んだいちごは車の中ですっごく良い香りを放ち、ジャムはいつもよりお砂糖を
控えめにしても大丈夫でした。

ハックルベリーはリベンジしなくちゃ、ということで7/29、350km離れたレベルストーク
(BC)へ一泊で出掛けました。キンバリーへ出かけた頃から気温がぐんぐん上がっていた
ので期待が持てました。が、結果としてはハックルベリーはピークをちょっと過ぎていた
感あり。実は既に落ちてしまったか先に誰かが摘んでしまったのか。それでも、よ~く探
していくと、葉の裏にまだ完熟した実がチラホラ!今回は2日間で4.5kgほど採りました。  




ここでちょっと説明すると、カナダでハックルベリー(Huckleberry)と呼ばれるベリーは
2種類あります。
樹は全体的に低木で、膝の高~腰の高さくらい。実が葉っぱの裏側につくものと、ブルー
ベリーのように見えやすいところにつくものがあります。実の色も赤紫と青っぽいブルー
ベリーと同色のものがあり、ブルーベリーとの違いは、実は連なってできず各枝先に一粒
だけです。最も大きな違いは、ハックルベリーは少し標高の高いところで自然に育つのです
が、果樹園などで人工的に植えても育たず、つまりブルーベリーのように量産はできない
というとなのです。6月に程度な雨が降るとその夏は豊作。反対に雨が少なくドライなまま
だとうまく実がつかず不作となるようです。

他の特徴としては、完熟のハックルベリーは甘さと酸味のバランスが非常に良く、発色は
鮮やかなワインレッド。ジャムにするとき砂糖はベリー重量の15~20%とかなり少なくして
作ります。通常、ジャムの砂糖は少なくてもフルーツ重量の半分なので、ハックルベリーは
甘さ控えめでも美味しいジャムになるということがお分かりいただけると思います。今年は
赤い実のハックと少し青紫っぽいハックを分けてジャムにしてみました。砂糖を入れつつ
味見をすると青紫のハックの方がほんの少し甘みが少ない気がして5%砂糖を増やしてみま
した。合計で250CC瓶15本。これでなんとか1年間のストックが出来て嬉しいです。

毎夏、6月になると紫蘇やトマト、茗荷の苗を友人から何本かいただくので、大きめの鉢に
植え替え、気温が10℃以下になる夜はデッキから室内に移したりして大切に育てました。
ひと月もすると、紫蘇の葉は料理に使えるようになるので「天ぷら」「酢の物」「刺身に
添える」「肉巻き」「麺類の薬味」など多様に使っています。どんどん育って使いきれなく
なると「紫蘇ジェノベーゼ」にして冷凍!作り方はバジルのジェノベーゼと一緒で、パスタ
ソースや色んなお肉を焼いてソースとして添えてもよく合うので重宝しています。ロッキー
は夏といえども茗荷には寒過ぎるのか葉は伸びるのですが、根っこに肝心の茗荷が出てきま
せん。カリフォルニアで暮らす知人の庭には『どんどん増えて困る!』というほど茗荷が
できるので、羨ましい限り。カルガリーにある日本マーケットで3本入り8ドルですが、どう
しても使いたくなる時があり、エイヤッと買っています。

昔に比べると当地で手に入る日本食材もうんと増えていると実感します。20年以上前に
来た人たちはお豆腐も自分で作っていたというのですから、苦労がうかがえます。私も
カナダ暮らし17年目に入りましたが「もう日本へ帰りた~い」とか思う暇もなく過ぎた
気がします。不自由がないとは言い切れないロッキー暮らしですが、最近は「なくても
過ごせるもの」「どうしても欲しいもの」がはっきりわかってきました。例を挙げると
たくさんあり、このことでコラムが一回書けると思うのでまた機会があればご紹介したい
と思います。

それではまた来月、お元気でお過ごしください。

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孫と過ごした日々

2022-07-08 19:00:00 | 出たっきり邦人・メールマガジン
No.220

カナディアンロッキーから、こんにちわ。

7月に入り、ロッキーのお天気もかなり夏らしくなっています。とはいえ、30℃を上まわる日はいまだ
ありませんから日本のお天気ニュースを観るたびに孫と「京都38度だって~!」と驚いています。

友人から貰ったタネから育てた紫蘇の苗を大きな鉢に植え替えました。6月は日中の気温は20℃以上に
なるのに夜は10℃を下回る日も多くフラワーポットや苗を屋内に取りこんでいましたが、やっとここ
数日夜間の気温も15℃前後を保っています。

我が家に逗留中だった18歳の孫は語学学校へ通うため、昨日ひとりでBC州ビクトリアへ旅立って行き
ました。彼のホストファミリーはほぼ同年代のシニア夫妻なので、うまく馴染んでやっていってくれる
ことを祈っているところです。

4月下旬から約2ヶ月半、孫のソラタと一緒に暮らした日々は私と夫にとってとても新鮮でした。孫の
父親を育てていた頃は私も若く、気力体力共に充分に余裕があったのですが、今回はちゃんと世話が
出来るかどうか、内心心配な部分もありました。
でも実際は3人分の食事作りもそれほど苦にはならずいつものおかずの量を増やせばよい感じで買い物
する食材の量が増えたくらいでした。

元々ソラタはおしゃべりなタイプではなく、もの静かな方ですし、私の作ったものはいつも完食して
くれました。玉ねぎが苦手と母親から聞いていたのですが、炒めたりする前にレンチンしておいたら
全く気にせず食べてくれてました。今頃はカナディアンのお母さんのお料理をどんな風に食べている
のかしら…と思いながら、いろんな家庭の食文化に触れて、どんどん逞ましくなって行って欲しい
願っています。

先々週は夫とソラタと3人でTwo Jack Lakeへカヤッキングに行って来ました。水はまだ冷たかった
のですが、お天気も良く、11時に着くとすでにサップやカヤックがたくさん出ていて、駐車場もほぼ満車!
運良く朝イチから来ていた人達が帰るところで、良い位置に駐車出来て、重~い二人乗りカヤックを
下ろすのも夫より背が高いソラタが手伝ってくれると私が手伝うよりもかなりと楽だったようです。


3人なのでもう一艘軽い1人乗りのカヤックも積んで行き、3人一緒に漕ぎ出しました。南東にMtランドル
西にカスケードマウンテンを見ながら途中で岸辺に寄せてバケットサンドのランチを食べて、2時間余りの
カヤッキングを楽しみました。後でソラタに感想を聞くとカヤックは初体験で楽しかったそうですがその
2週間前に出かけた牧場の乗馬の方が興味深かったそうです。

さすが獣医学科志望だけに、1泊2日で出かけた広い牧場のB&Bで犬や猫に擦り寄られてご機嫌でしたし
最も彼を感動させたのはオーナーが所有する2頭のサラブレッドとのふれあいでした。

オーナーは乗馬のコーチもできるので、夫とソラタは2日で2時間、基本的な乗馬のレッスンをお願いして
おきました。初日は乗る前の準備段階である蹄鉄の間のドロ落としや手綱の掛け方、鞍を乗せるところ
など日本ではなかなか体験できない本格的な馬との触れ合いが出来ました。我が家からたった40分の
ドライブでまだ頂上に雪をかぶったロッキーの山々が遠くに臨め、広大な草原が奥まで広がる場所へ行く
ことが出来ます。



通常夕食は含まれていないのですが、牧場の近所にお店もないし、BBQでよければオーナーの
Heatherが用意してくれるというのでお言葉に甘えました。2時頃ちょっと夕立があったものの
夕方はお天気も回復、奇麗な夕焼けを眺めながらテラスでディナー。
ファイヤーピッドでマシュマロを焼いて、クッキーにチョコと火で炙ってトロトロになった
マシュマロを挟んで食べる「スモア」というデザートも戴きました。
スモアの語源は「Some More」から来ているそうで「 s’more」と書きます。





ソラタはリビングでワンコや猫と戯れて超ご機嫌。夫と私は久々に広い主寝室に併設の大きな
ジャクジーでほっこり…。2日目も朝から好天に恵まれ、乗馬レッスンの続きHeatherの指導で
気品あるウインストンという馬に乗り、夫もソラタも前日より緊張が取れて「人馬一体」という
感じが掴めたようだと話していました。レッスンの後はブラッシングで馬を労うところまで
指導していただきました。
私もウインストンの鼻面や体に触らせてもらい、その優しい目に一目惚れ。
「またいつでも訪ねてくださいね」とHeatherに言ってもらい再訪を誓いました。

ソラタが発つ前の週にバンフの図書館主催「Taste of Cultures」というイベントに招かれ「Kaiseki  Cuisine」
の話をしました。私の他にボウバレー在住のチベット人とフランス人もそれぞれお国の料理の特徴について
プレゼンテーションを行いました。ボランティアでは無くて薄謝が用意され、その分かなりプレッシャーを
感じつつも、せっかくお声をかけて下さったのだからと、20分ほど話し、その後は質問に答えるような形
で、英文の原稿を作りました。

テーマは茶道における懐石料理に絞り「茶事」の中でいただく茶懐石について料理の画像を見て頂きながら
話しました。当日晴れれば図書館と隣接のWhyte Museumのバックヤドに設置された会場で、悪天候であれば
図書館のホールで開催予定でしたが、運よく気持ちの良い晴れの日で屋外イベントになりました。

ちょっとしたお料理を味見できる様なブースもあり、フィリピン、インド、日本チベットのブースが用意され
日本は日本茶のソムリエという資格を持つ知人が冷たくしたほうじ茶と緑茶の試飲と抹茶を使ったクッキー
を提供していました。

全く茶道のイメージを持たない人々に「懐石料理」をどの様に説明すればよいのか内心ドキドキでした。
今やユネスコの無形文化遺産に指定された「和食」のことも加て話すと、聴衆の中に日本びいきのご夫妻が
いらして、プロが作った懐石料理の美しい盛り付けの画像に感嘆され、その後で私が自宅で催した茶事の中で
提供した松花堂に盛り付けた料理の画像を見て「本当に自分で作ったのですか?日本の女性はみんなこのよう
な料理が作れるのですか?」と質問がありました。
 自作の縁高弁当と向付

みんながみんなできるわけれは無いということと、幸い自分は京都で25年間に渡り茶道に親しみ教授者になり
懐石料理も学ぶ機会が多かったことで、いまは5人までならひとりで茶事の亭主ができることなど、お話し
しました。なぜ5人なのか?自前の懐石膳の道具が五客だからと、1人で用意できる限界だと思います。
画像があることで、英語の説明が充分でない部分も理解してもらえるのはとても助かりました。自分で今まで
に撮った懐石料理の画像を編集していて感じたことは日本料理は盛り付けも美しい上、旬の食材が必ず使われ
ています。料理で四季を感じる日本、本当に素晴らしい食カルチャーを持っているとつくづく感じました。

最後に、私の住む地域では現在COVID-19の状況は全く深刻ではありません。感染者数はゼロではありませんが
スーパーの店内でもマスクをしている人を殆ど見かけなくなり、簡易PCR検査キットはいつでも薬局で無料で
貰えるので各家庭にストックしてあり、怪しいと思えばすぐ検査して、陽性が出れば自主隔離、という感じです。
幸い重症化する人は殆んどいないので、このまま状況が悪化せず過ごせたら良いのにと祈るばかりです。
ワクチン接種は既に4回目接種を受けたシニアも増えています。

文頭でも触れましたが、6月は冷夏だったので、 7月半ばに恒例のハックルベリーを摘みにいく予定ですが
はたして例年通り熟しているかどうか心配しています。昨年は20日すぎに行ったら既に熟し過ぎていてガッカリ
でした。今年は少し早めに宿の予約をしています。去年はあまりたくさん取れなかったので、4月下旬辺りで
自家製ジャムが品切れとなり、2月に作ったオレンジマーマレードで?いでいます。手軽に手に入るブルーベリー
でもいいんじゃないの?といわれますが、ハックルベリーの甘酸っぱさはコクがあり、また発色もルビー色で
ブルーベリーとは別ものなので、どうしてもハックでジャムを作りたい!となってしまいます。


ゴルフも週2回くらいコースに出ています。いつものBuddyが今日本に帰っているのでクラブに入会
してから初めて、今季はレディースのグループに登録して、ほぼ同年代のシニアたちと一緒に回って
います。去年から受けはじめた個人レッスンでフォームをしっかり直されているのですが、まだまだ
体がそれを覚えきれず、安定したスコアも取れません。飛距離は伸びてきと自分でも感じます。

先日、コーチに新しいクラブを選んでもらい、なにもわからないときに買ったクラブセットとサヨナラ
しました。10年経つとクラブも進化している、とコーチに言われましたが本当に軽量になっているの
と、シャフトのシナリが良くなっているのは感じます。後はちゃんとボールを真に当てればよいだけ
なのですが…今季もずっとフォームを矯正され続けたままで終わってしまわないよう、ドライビング
レンジで自主練習も頑張ってやらなきゃ!と、自分を叱咤激励中です。

ではまた来月、お元気でお過ごしください。

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日本から家族を迎えて

2022-06-03 22:01:47 | 出たっきり邦人・メールマガジン

No.219

 カナディアンロッキーからこんにちわ。

前号でお話ししたように、四月下旬に京都在住の二男と孫2人がロッキーにやって
来ました。11歳の孫はワクチン接種を一度も受けていないためカナダに入国する
には日本出発の72時間以内に受けたPCR検査の陰性証明が必要でした。折しもオミ
クロン株のウィルス感染が急増している時期でしたし「陰性」という結果を聞く
まではかなり心配しました。

息子曰く、カナダ入国(バンクーバー)は携帯電話にダウンロードしておいた
ArriveCANというアプリにワクチン接種証明や個人情報を入力しておけば入国
審査自体は非常に簡単なもので問題なかったそうです。親と同行の18歳未満の
子供は親の携帯アプリで一緒に登録できたので、入国手続きに予測したほどの
時間はかからなかったそうです。

12歳以下の子供はワクチン接種していなくても接種済みの保護者と一緒であれ
ばすんなりと入国出来ます。入国後、国内線ゲートに移動する前に「ランダム
に選ばれて受けるPCR検査」にも引っ掛からず済んだのもラッキーでした。
お陰で、というかたっぷりと国内線乗り継ぎ時間を取っていたので、時間潰し
が大変だったとか。

シニア夫婦2人暮らしが突然5人暮らしになったので、私は食事の支度で急に忙
しくなりました。2人分の支度ならあまり時間はかかりませんが18歳の食べ盛り
がいるので、あれこれメニューを考えながら何とか9泊10日を過ごしました。歳
をとったせいか要領が悪くなっていることが多くて、自分自身にイラつくことも
ありましたが、久々大人数の食事の支度は苦になることはありませんでした。

毎日、息子にとっては久々の母の味を、あれこれ並べてみました。とはいえ、日本
のような食材は揃わない為、なんちゃってメニューでしたが、それでも味付けの
基本は変わっていなかったようで「こんなんよく食べてたなぁ〜」と言いながら
喜んで食べてくれて、久しぶりに感じた母として嬉しい瞬間でした。

孫たちには私は「ばあば」なのですが、息子はいつまでも私の子供という感覚が
あります。二男が家を出て一人暮らしを始めたのは20歳の時だったのでこうして
10日間ずっと一緒に過ごすことは23年間なかったことでした。

今回は孫達と過ごせて楽しいことが沢山ありましたが、夫や孫が早く寝た夜があり
息子と2人で久々にワインを飲みながら、たわいのない昔話をして…そんな時間が
持てたことが、母親としてとても嬉しく、ついついお酒も進んでしまいました。

夫はみんなが来たらドライブでいろんなところへ案内したかったようですが、3人
とも特にどこかへ観光に行きたい様子もなく、隣町のバンフへ出かけたり、我が家
の近所のトレイルを一緒にウォーキングしたりするのを喜んでいました。孫娘は
隣家の8歳の女の子Yちゃんと意気投合して滞在後半は朝から晩迄、お互いの家を
行ったり来たりして、とうとう帰国3日前はお泊まりまでさせて貰ってご機嫌でした。

お隣は実は日本人の御家族です。今時の子供らしく、お母さん同士に許してもらい
メルアド交換をして、京都に帰っても毎日のように2人でメールのやりとりをして楽
しく過ごしているようです。
日本語は話せても書くことが難しいカナダ育ちの子供には、日本語でのメールのやり
取りは良い勉強になるのだとか。うちの孫にとってはライブチャットの時、Yちゃん
の英語の発音を聞くことはとても刺激になっているようで、今ではオンラインの英会
話レッスンを週1〜2回受けているそうです。
また何年か経って、今度は孫娘がひとりでカナダにやって来る日があるかもしれない
ね、と夫と話しています。

唯一みんなで遠出したのはドラムヘラーでした。キャンモアからは2時間半のドライ
ブで、今もまだ化石や恐竜の骨が発掘されるバッドランドです。私たちも移住して
まだ一度も行ったことが無い場所だったので、興味津々で出かけました。

町のはずれに立派な恐竜博物館(Royal Terrell Museum)があり、周囲はまるで西部
劇に出てきそうな砂漠地帯でした。小さな町のあちこちに目を引く大きな恐竜の像が
立っていて、ゆっくり散策すれば面白そうな町でしたが、私達はミュージアムを見て
回るだけでもほぼ3時間掛かってしまいました。
うわさ通り展示内容が素晴らしく、私的にはNYの自然史博物館より楽しめた気がします。
詳しくご覧になりたい方は下記URLからどうぞ。
https://www.travelalberta.com/jp/places-to-go/southern-alberta/drumheller/

ミュージアム内にもダイニングがありましたが、メニューはサンドイッチだけで食べた
い物がなく、一旦町中に戻り、結局子供たちのリクエストで遅いランチをマクドナルド
で済ませることになりました。食後、子供たちがミュージアムのショップでお土産を
買いたいというのでまた戻り1時間くらいかけお土産ショッピングを楽しんでいました。
ということで「ドラムヘラー」日帰りファミリートリップは終了です。

今回、息子が子供たちを連れてやってきた目的は家族のリユニオン以外にもうひとつ
18歳になる孫が英語のスキルアップの為に半年間こちらで過ごしたいというので、そ
の環境を整えることでもありました。パパがいる間に英会話とライティングのクラス
に申し込み、他にも日本語と英語のバイリンガルの家庭教師を友人の息子さんにお願
いしたので挨拶がてら一緒にランチしたり、英語クラスに通うためにキャンモア〜
バンフのバスの定期を買ったりしました。

高卒18歳はもう立派な大人なのですが、バス会社のオフィスで英語クラスに通うため
に定期を買いたいと言うと、学生パスにしてくれました。一般だとキャンモア〜バンフ
はひと月110ドル、学生パスは40ドル。大人の片道運賃は6ドルします。日本では何の
証明もなければ到底あり得ない対応に、孫はびっくり&感動していました。
そう、ロッキーは人にも優しいところなのです。

なんとかパパの滞在中に10月までの短期間に出来るだけ英会話や英語の文章力をつけ
たいというSorataの希望通りの学習環境を整えることができました。あとはホーム
ステイできるカナディアンのご家庭を見つけることでしたが、これも7月ひと月だけ
ですがキャンモア内で見つかりました。あともう2カ月ほどホームステイ体験がした
いというので、8,9月のホストファミリーも探しています。

10日間はあっという間で、5月2日、息子と孫娘は日本へ帰りました。
日本入国時の諸々の手続きもMySOSというアプリを事前に携帯にダウンロードして
出発72時間以内に二人とも受けたPCR検査の陰性証明や息子のワクチン接種証明を
アップロードしておけば、成田に到着してからのPCR検査までの待ち時間も少なく
成田空港に着いてから1時間半で税関審査まで済ませることができたそうです。幸い
機内の座席近くに感染者はいなかったので濃厚接触者にもならずに済んだようです。

以前は羽田-バンクーバー路線があったANAですが、コロナが始まって減便やキャン
セルが相次ぎ、未だに運航が成田ーバンクーバーになっているため、乗り継ぎの
フライトで関西へ帰るためには羽田へ移動して国内線に乗り継ぐしか方法がないの
です。もしも予約のフライトに間に合わないことになれば変更手続きが面倒になると
聞いていて、先ずは成田空港近くのホテルで一泊して翌日の朝羽田空港に移動する
ことにしていました。

今回は急げば乗り継げたかもしれませんが、息子は娘を連れてバタバタ移動するのは
避けたいということで、予約済みの成田のホテルに早めにチェックイン。孫娘のリク
エストで夕食はラーメンを食べて、早めにベッドに入りぐっすり眠って、翌日はゆっ
くり羽田空港へ移動して無事伊丹に到着。ママが車でで迎えてくれて、カナダを出て
丸3日がかりでいたが、無事帰着。

現在単身赴任中の息子は会社の方針で、海外帰国者は1週間の自宅待機後出社という
実にありがたい措置?によって連休が終わってもしばらく京都の自宅で過ごせたよう
です。

いまは老夫婦と18歳の孫Sorataと3人暮らし、それに2週間前から、ひと月間日本へ
帰国した友人ファミリーから預かっている生後6か月の雌犬クッキーが加わり、賑や
かな我が家となっています。

Sorataの一週間のスケジュールは結構忙しく、月~木は毎日英語会話とライティング
クラスがあり、そのほかに水曜日の午前中は無料の英会話クラス、それと以前住んで
いたコンドウで私の良き友人となったイギリス人のエリザベス(日本からの留学生に
英会話を教えていた元カレッジの先生!)が週1~2回ボランティアでSorataの英会話
の相手をしてくれるという、何とも有難いオファーもあり、毎日英語漬けの日々です。
それに加え、週2回夕方から地元の有志サッカーチーに加えてもらい2時間程の練習
に参加して、くたくたになって帰ってきています。いまのところ「文武両道」という
か、学習とリフレッシュタイムをうまく使い分けています。

数日前、3人で夕食をとっているときにSorataから「ずっとカナダにいて大学も行き
たいと」と告白がありました。
「?!」「来春再受験しないの?」と聞くと、
カナダで獣医学科に進み、カナダで獣医師として仕事をしていきたいと…。カナダの
獣医資格だとたくさんの国で通用し仕事に就けるが、日本の獣医師資格は日本でだけ
しか通用しないので海外で獣医師として働きたいなら、カナダで取れる資格は世界に
通用するものなのだそうです。

夫と二人で、この爆弾発言にすぐには返答できず…
「両親には相談した?」と聞いたのですが「まだ…」という返事に、さらに戸惑って
しまいました。
本人は当然真面目で本気で言っていることは伝わってきたので、反対もできず、とり
あえず「じいちゃんとばあちゃんにできることがあれば応援するよ」という返答にし
ました。

早速その夜遅く、私から息子にラインコールでその話を伝えたところ「自分は経済的な
援助で彼の希望をかなえてやりたいが、その前にSorataの母親である妻の意見を聞か
ないと…」ということでした。息子夫婦は早婚で、いつも仲が良くて嬉しいです。

一日後に「Sorataのママは日本の獣医学科に入学後休学して数年留学か、卒業してカナダ
の大学院に編入するとか、日本での大学進学を望んでいる」という返事が返ってきました。
ところが孫はもう隣家のママの友人で日本の獣医学科を卒業してカナダで獣医助手として
働いている女性とコンタクトを取り、カナダで獣医として、または動物とかかわる仕事を
するなら、たとえ語学力を付けるための学校に2年通ったとしても、こちらの大学を出て
資格を取る方が時間と費用が少なくて済むという情報を得ていて、それが「カナダの大学
に行きたい!」という固い決心を生んでいました。

私たちにはもはや孫に経済的援助をしてやれるほどの余力はないので、孫のために何を
してあげられるのか、夫と話しあいました。そして、出来るだけ彼の進学のために必要
な情報を集めて提供してあげることくらいだという結論に達して、行動を開始しました。
それらを熟考し、両親の意向も踏まえた上で、進路を決めるのは本人ということです。

移住して17年の間に私たちが構築したネットワークを駆使して何人かの人々にメールを
送り、すぐに返事を送ってくれた人の中に重要な手がかりがありました。まずは大学の
授業について行けるだけの語学力を付けなければ始まらない、ということです。
ツーリズムやマーケティングよりももっと難易度の高い医療系の学部であれば、カナダ人
でさえ狭き門なのですから、外国籍の学生にはさらに難関となります。IELTSという英語
のテストで高得点が取れなければ、願書も受け付けてもらえない…日本の難関大学の入試
いえそれ以上に厳しい道のりになりそうです。

現在Sorataはひとりで自分の将来の選択に大いに悩みながら過ごしています。昨夕は大好
きなサッカーの練習も休んで、なにやらひとりで懸命に検索していたようでした。夜中
までPCに向かっていたせいか?運動不足なのか?背中が痛いと訴えて、今朝はシップを
張りまくって英語クラスへ出かけました。

何を成すにも、早道はない…と私は長い人生の経験から感じていて、どんなチョイスを
しても今のSorataの夢をかなえるには相当な努力と時間が必要です。たとえ回り道だと
思えても、それを選ばざるを得ない場合もあるということも、寛容に受け入れてほしい
と願って見守っています。

次回の記事を書くころには、Sorataの進路が明確になっているのではないかと思います。
最近の私の悩みと言えば、近くに美味しい和食やお寿司が食べられるお店がない…ゴルフ
が上手にならない...夫が出不精になってきた...程度の取るに足らない問題ばかりだった
ので、今は孫と一緒に悩んで大いに刺激を受けています。

余談ですが、夫の6回目の年男記念の来年、2月初旬から2週間サプライズでハワイ旅行
を計画中です。ここ数年コロナのせいでカナダを抜け出せなかったので、この辺で厳冬
の時期にちょっとだけでも暖かいところへエスケープしたくなりました。
航空券は貯めたマイレージで、宿泊は友人所有の素適なバケーションコンドウを激安料金
で提供してもらえることになり、レンタカー予約も完了しました。冬はスキー三昧の夫を
2週間も旅行に連れ出すのは容易なことではない気がするので、Sorataの問題も抱えつつ
さて、いつプランを発表しようかと思案中です。


それでは、また来月、お元気でお過ごしください。

                            
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ロッキーの春はちょっと遠回り中

2022-04-29 20:00:00 | 出たっきり邦人・メールマガジン

   No.218

           
カナディアンロッキーから、こんにちわ!

2週間前に風がなく気温も10℃になっていたのでウォーキングに出掛け
トレイルでプレーリークロッカスの蕾をみつけました。
「あ~、やっと本当の春がきた!」と、心ウキウキした瞬間でした。

ところが、やっぱりロッキーはそう甘くはなかった…。
2日後からまた気温が下がり始め、とうとうまた雪景色に逆戻り。
それから一週間以上たちますが、いまだに朝は晴れても午後から曇りのち
雪混じの小雨…というような不安定なお天気が繰り返されています。
あの可愛いクロッカスの蕾は一体どうなっているのでしょう。



先週末から、イースターホリデーに入っています。お天気がイマイチな日々
ですが、マーケットに行くとイースターエッグのチョコが沢山並び、お花の
コーナーもカラフルなお花たちで溢れかえっています。
食卓にお花を飾ると、不思議ですが、気分が少し高揚して「お友達を招いて
お茶でもしましょう」という気になり、お菓子を作ったり、パンを焼いたり
しています。お隣さんのご家族とは時々お茶するようになりました。

いつのまにか入店時のマスク着用やワクチン接種証明の提示などが撤廃され
全く以前と同じように人が自由に行き交うようになってきているのですが
私はまだスーパーやカフェなどに行くときは必ずマスクを着用しています。
今や10人いればマスクしている人はひとりか2人くらいという状況。ですが
感染者数は横ばいか最近はちょっと増えつつある感じです。第6波が来たと
いう報道も耳にします。

コロナ禍で変わったことといえば、以前よりも増してキッチンに立つ時間が
増えたこと。朝食はワンパターンで、自家製食パンの厚切りwith自家製ジャム
自家製ヨーグルトと自家製グラノラ、スロージューサーで作った人参とリンゴ
のジュース、といたってヘルシーなメニュ。
ジャムは毎夏摘んで作るハックルベリーと2月に作るセビルオレンジのマーマ
レード、友人たちがお裾分けしてくれる林檎とかいちごジャムも登場します。

散歩以外の外出はほぼないので、ランチは午後のお茶タイムに変えるか、ごく
軽く前夜の残り物などで済ませることが多くなりました。
夜は、メインディッシュはできるだけ魚とお肉を交互にバランスよくメニュー
を考え、副菜は必ずお酢を使った一品、汁物、と一汁三菜を基本にしています。
ウォーキングは毎日1万歩を基準にして、朝と夕食後で大体それ以上は歩いて
います。

感染予防で待機生活が始まる少し前にパン作りを教えたもらっていたことが
とても役立つことになりました。元々夫がときどき豆乳を作るので「おから」
でドーナツを作ったりご近所(日本人のご家庭)に差し上げたりして喜ばれま
した。

3日に一回食パンを焼く生活に慣れてしまって、たまにフレンチベーカリーで
パリパリ食感のバゲットは買いますが、少しドウを沢山作り、食パンの残りで
アンパンやシナモンロールなど「おやつパン」も一緒に焼くことにも慣れて
来ました。最近のヒットはメロンパン。クッキー生地を乗せて焼くのですが
初回から思ったよりも上手に焼けて気を良くしています。最初に教えていただ
いた「湯種」を使った食パンが美味しくて、作り方の手ほどきをしてくださっ
た方に感謝です。

日本に帰ると自炊するのでよく大型スーパーに行きますが、大型店に行くと
何時間でもそこで時間を潰していられる!と思うほど豊富な食材や調味料類を
見て歩く楽しみがあります。
レトルトパックを温めて器に移すだけ、とか、なんとかの「素」とか、手間要
らずでほとんどの料理ができてしまう品揃えに驚きながら、ぐるぐると店内を
見ていました。ついついあれもこれもと手にとって…
気づくといつの間にかカートのバスケットがいっぱいに。お肉エキスいりとか
カナダ入国時、税関でひっかかりそうな物は結局はまた棚に戻すことになり
だんだんメモしたものしか買わないことになりました。

話は変わって…
前号でもお伝えしましたが、とうとう日本の二男家族がカナダにやってくる日
が近づきました。息子と18歳と11歳の孫2人、そろってカナダで会えるなんて
今からドキドキしています。残念なのは義娘は仕事で来られないのです。
まだお天気は回復していませんが、予報だと徐々に気温が上がってくるようなの
で期待しています。

そんななか、昨夜、2日後に日本へ一時帰国する友人から連絡があり、なんと
7歳のお子さんのPCR検査が陽性で、日本に帰れなくなったというのです!
本人は無症状で、他の3人のご家族は陰性だったというのです。
「いつ?どこで?感染したのか」ご両親もさっぱりわからない、ということで
したが、家族は濃厚接触者なので、最低でも1週間は全員自宅で待機です。

これを聞き、急に小学生でワクチン接種していない孫のことが心配になってきま
した。彼女もクラブ活動で出発ギリギリまで練習があるそうで、1人だけ陽性が
でたら…。あれこれ取り越し苦労が多くなっているのは歳のせいでしょう。空港
でみんなの顔を見たら泣いてしまいそうで、それも心配です。

次号は、カナダで暮らし始めた18歳の孫Sorataの話になると思います。9歳の時
友人と2人でやって来て海外生活をつかのか体験したとはいえ、10日ほどでした
し、本当に幼かったのであまり記憶に残っていないと思います。今回は少し大人
になって、どんなカルチャーショックを受けるのか、楽しみです。

自分が17歳の夏6週間体験したLAでの語学研修のことを思い出し、今から思えば
17歳でもまるっきり子供だったなぁ、と感じています。でもその時受けた様々な
異文化体験が、その後の私の人生の岐路にかなり影響したのではないかと思える
ことが沢山ありました。ここでの約半年の暮らしを、うまく支えてやれるか不安も
ありますが、孫と一緒に暮らせる貴重な日々を、今はワクワク、どきどきしながら
待っています。

今回、いつもより1週間早く記事を書き、予約配信という形にしました。次号の
記事を書く頃には、きっとロッキーはもう初夏のような陽気かも! 
そうなっててほしい、という期待を込めて…。

ではまた来月、お元気でお過ごしください。

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