No.216
カナディアンロッキーから、こんにちわ!
2月ももう後半に入りました。
私の住んでいる地域は元々人口も少ない田舎町なのですが、最近は学校や職場でオミクロン株に感染した
というご家族の話などよく耳にしています。
もういつ何時感染してもおかしくない状況ではありますが、なんと、間も無くマスク着用やワクチン接種
証明書の提示が必要なくなるという噂も聞いています。カナダ政府がすでに検討に入ったということです。
空港やUSとの国境を車や船で越えて移動する際の規制も徐々に緩和され、すでに不要不急でない「旅行者」
も行き来ができる状態になっています。ただし、ワクチン2回接種の証明と72時間以内に受けたPCR
検査陰性証明の提示が義務付けられています。どちらも揃っていれば、もう隔離期間なしで国内線乗り継ぎ
や公共交通機関での移動が許されます。
昨年は海外からの入国はできず、どこのスキーゲレンデもロッジの使用も制限されていてガラガラ状態でし
たが、今シーズンはロッジでの飲食も許され、かなり元の賑わいが戻ってきています。
まだヨーロッパからは入国していないようで、主にアメリカからですが、週末はリフトやゴンドラに列が
できるくらいの賑わいだそうです。
今季もシーズンパスを買っているのですが、私はまだ一度もゲレンデに行っていません。夫は週2回はお隣
の若い夫妻と滑りに行っていて、もうすっかり元はとれています。夫が留守の2−3時間、私はゆっくり本を
読んだり、ネットサーフィンで見つけて保存しておいたレシピの整理をしたり、それなりに有意義な時間を
過ごしています。もっと気温が上がりウエアも軽装で良くなる春スキーを楽しもうと思っています。
昨秋に帰国した日本で撮った画像や動画の整理も、意外と時間がかかっていますが、キャプションを加えて
スライドショウにする作業を続けています。
後一息で完成ですが、60日ほどを25分くらいの滞在日記風にまとめて、友人たちにも披露したいと思って
います。整理して行くと食べ物ばかり撮っていたようで、すでにカナダ市民権を取り日本国籍が無くなった
友人たちはコロナの規制で2年以上帰国できない状態なので、観せたらきっと羨ましがられるだろうな…と
思いつつ、作業を進めています。
相変わらず、一日1万歩のウォーキングは続けていますので、体重は増加していません。
そろそろ気温がプラスの日が続くことも多くなり、道路の両脇に除雪で溜まっていた雪の塊も溶け始めている
ため、車をしょっちゅう洗車しなければなりません。これがもうすぐ春だよ〜という兆しと思い、水圧で泥を
落とすだけの洗車ですが、頑張ってやっています。
雪の日に撒かれた凍結防止剤が車のボディに着いたままにして置くとタイヤの周辺から腐食が始まり車の寿命
を縮めることになるので、こちらの人は結構まめにコイン洗車を利用しています。
2月早々、カルガリーに買い物に出かけることになり、いつもは日帰りで出かけますが、一泊してショッピング
のエリアを増やし2日間のプランを立てました。
初日は主にカルガリーの南にあるショッピングエリアヘ、2日目はロッキーから出かけると一番近いショッピング
エリアとなる北西の地域での買い物プランを立てました。南地区と北西地区を1日で回るとどこのお店もあまり
長くは見ていられないので、メモを見てさっさと買い物を済ませて移動です。それを一泊プランにすると、どの
ショッピングエリアも時間に余裕をもって探索出来るため、とっても充実感があります。
ホテルはクレジットカードのポイントで泊まれるマリオット系列で朝食付きのところを選びました。街のど真ん中
の同系列ホテルは便利で良いのですが、30ドルほどの駐車料金が別途掛かるため、アルバータ大学の近く、市中
から5分ほど離れたところにあるホテルにして、いつもはテイクアウトのお寿司など家に持ち帰って食べています
が、お泊まりとなるとディナーもゆっくりできるということで、グルメな友人の息子さん夫妻おすすめのお寿司屋
さんへ予約を入れて行ってみました。
「あり寿司」と言うお店で、オーナーは韓国人ですが日系ホテルの和食店で長らく修業され、ついに自分のお店を
開いたと言うことでした。
メニューからアラカルトでいろいろ注文してみましたが、お寿司のネタも新鮮、カニ酢や揚げ豆腐といった小鉢
メニューもあって、夫は大層喜んでいました。
もちろん私も、人生最後の食事と言われたら何を食べますか?と訊かれたら「お寿司」と言えるほど大好きなので
大トロやウニ、帆立も、たくさんいただきました。日本ならアワビとか赤貝、ミル貝などありますが、コチラでは
生牡蠣は好んで食べるようですが、帆立はあまり生では食べず、さっとグリルすることが多いみたいです。背の
青い魚はサバくらいで、さすがカナダと思うのは新鮮なサーモンが多いことです。
残念ながら、私は生サーモンがあまり好きではなく、唯一サッカイサーモン(日本でいう紅鮭)ならカルパチョや
甘塩にして焼いていただきます。
夫曰く、鯛だけは、カナダでは未だ美味しいのを食べたことがないそうで、昨年の帰国では機会あるごとに鯛の
お刺身、鯛の握り寿司、と鯛を食べまくっていました。わたしはかつてNYの寿司店で秋刀魚のお造りは美味しく
いただいたことがありますが、鯛はやっぱり日本が最高!と思います。こちらのネタで意外と美味しいのはイカと
ハマチ。もちろんどちらも冷凍なのですが、上手に解凍してあれば、日本のものと遜色無く美味しくいただけます。
鮭もイクラなどもカナダ産を日本へ輸出しているのですから、価格的にも少しお安く手に入る筈ですが、やはり
加工するとあまり日本で買うのと変わらない気がします。
カルガリーでは久しぶりにレストランを利用しましたが、まだコロナの感染を避けるために、地元では外食はでき
るだけ避けて、ほとんど家で食事をとっている状況です。
そこで困るのは日々の献立。変化をつけないと飽きてしまうので、同じものを続けて食べることがないように献立
に工夫をしなければなりません。そうかと言って、食材が日本のように少量パックになっているわけではないので
冷凍食品を小分けにして…ちょっと添えたい香味や青み野菜も種類が少なく、小口の青ネギかサンド豆、絹さや
などを使っています。家では夏に苗を育てた青紫蘇がまだ何とか葉をつけてくれているので、ちょっとづつ使って
います。
茗荷は日本だと小さなパックに3本入って百円くらいですが、カルガリーの日本食材店で買うと1パック800円です。
それでも、無性に食べたくなる事があって、日頃贅沢するところがない事も手伝って、えいっ!と2パックくらい
買うこともあります。フィレステーキ肉300gと同じくらいですが、きゅうり揉みに添えたり、サラダに加えたり
食卓(心が?)がそれだけで晴れやかになる気がします。
大自然に囲まれたカナディアンロッキーの暮らし、日本での便利で文化的な暮らし、どちらも魅力的で、季節ごとに
両方を味わえたらどんなに良いだろう…と、時々思う自分がいます。
人生80年としてほぼ2/3は日本で暮らしたのですから日本の良さは十分わかっています。そして新たに選んだ
リタイアメント後のカナダ暮らしは、思ったよりも私たちに合っていたのか、移住後あっという間に16年が経っ
ています。
日本を離れる時に送り出してくれた多くの友人たちの中には、2−3年もすれば飽きて帰ってくるだろう…くらいに
思っていた人達も多かったらしいのですが、あまりに長くこちらに居るものだから、もうすっかり彼らには忘れ
られた存在になっている気もします。
今も昔と変わらずお付き合いのある日本の友人達は、私たちが飽きることなく住み続けているカナディアンロッキー
の魅力に気づいてくれたらしく、コロナで行き来ができなくなる前の数年は毎夏誰かがカップルで、家族で、訪ね
てきてくれることが続いていました。
皆が口を揃えていうには、夫と私がなぜ、不自由さもかなりある中ここに暮らし続けている理由がわかったと。
歴史と文化、利便性に溢れている日本と比較すると、ここの暮らしは手に入らないものだらけと言えますが、皆に
平等に与えられている「時間」が、なぜだかゆっくりと流れているので、何かに追われるように予定をこなす
スケジュールが空いていると、つい予定を入れたくなる衝動が起こることもなく、何もない日があるのが当たり前
になっているのです。
昨秋は丸2年ぶりに日本へ帰って2ヶ月あまり過ごしましたが、毎日何かに突き動かされるように、バスや電車に
乗ってどこかへ出かけていました。今製作中のスライドショウを見ていても、何か食べているか移動している画像
の多いこと!私たちは日本へ帰ってももう旅人なのだと感じます。カナダに戻って旅の思い出を振り返れば、楽し
く美味しい記憶ばかりが残り、移住前のような日本で落ち着いて「暮らす」ことはもはやできないと言うことを
悟った気がします。
昨日は京都にいる孫たちとラインで顔を見ながら会話を楽しみ、後で単身赴任中の息子ともおしゃべりをしました。
来週から大学受験に臨む上の孫は、合格発表の後、受かってても不合格でも、しばらくカナダに来たいと言って
います。先日受けた大学入学共通テストでは希望校の合格率が5%だったそうで…でも、その一校しか受験しない
と言っていました。
9歳の春、友人と二人でカナダに来て以来9年ぶり、また来て今度はしばらく住んでみたいと言ってくれたことに
じいじとばあばは感動しています。来年もまた同じ大学のみを受験すると言ってましたので、カナダに来て英会話
のクラスに通ったりすることが気分転換になり、また夏頃からは受験に向って集中して行ってくれればと思って
います。万が一、合格しても、入学前にカナダに来たいと言ってくれていることもかなり嬉しいです。
春が来ると同時に、私たちの周囲はいろいろと新しいことがスタートするようで、どんな展開になって行くのか
静かに見守っていこうと思います。
次号を書く頃には、きっともう結果がでて、どうなっているのかお知らせできることでしょう。コロナで鎖国状態
が続く日本も、その頃には何か新しい展開があることを期待しています。
日本でも3回目のワクチン接種が進んで来ましたね。夫と私は1月早々にブースター接種と言う3回目のワクチン
接種を終えています。3回ともモデルナ社のワクチンで、私は副反応はほとんどなく、夫は2回目と同じように軽く
発熱、1日で回復しました。
では、また来月、お元気でお過ごしください。