カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

2023/03/10

2023-03-10 19:00:00 | 出たっきり邦人・メールマガジン

                                    No.228


       ☆★☆  49年ぶりのHawaii ☆★☆

3月に入り、日本ではもう桜便り聞かれる頃ですね。
カナディアンロッキーはまだまだ−20℃になる夜もあります。
それでも太陽が山の上を移動するようになり、日照時間が長くなって確実
にここにも春は近づいています。

話は2月に戻りますが、2週間ハワイにバケーションに行って来ました。
タイトルにも書きましたが最後にハワイに行ってから49年経っています。
ほぼ半世紀ぶりに訪た常夏の国は空港に到着した途端、この風と熱気!と
古い記憶が甦りました。

同行の夫は初ハワイ。かつて一緒に旅行した南国はフィジーでした。
NZで二人きりのウエディングの後ハネムーンでフィジーに滞在。記憶では
ハワイよりもっと湿度が高く、調べたらあちらは熱帯<雨林>気候でした。
行きはバンクーバーから直行便で6時間。機内でウトウトしていたらすぐに
到着。ラゲージも案外早く出てきて、ネットで頼んでおいたダウンタウンの
ホテルへ固定料金で行ってくれるタクシー会社に連絡、片言日本語のドライ
バーさんで「アラモアナショッピングセンターに新しい日本のスーパーが
オープンしたから行ってみるといいよ」なんて案内してくれました。

ホノルルの宿泊はゴルフ仲間所有のバケーションコンドウを借りました。
フルキッチンと海側に大きなデッキ(ハワイ語でラナイ)付きのワンベッド
ルームで、ラナイからきれいなラグーンと海が真正面に見える素敵なところ
です。個人所有とホテルとして使われているお部屋が混在していて、24階
建ての16階からの眺望は素晴らしくすっかり気に入りました。毎週金曜日
の夜は花火が上がるのですが、なんと真正面のラグーンから打ち上げられた
のでゆっくりラナイから鑑賞しました。



49年の間にワイキキ周辺はもっと大きく変わっているのかと思いましたが
案外老舗ホテルや大型商業地区などはそのままの雰囲気が残っていました。
今は円安でハワイ旅行には良い時期とは言えませんが、半世紀前は1ドルが
360〜260円時代でしたから、今の方がずっとマシ、と言うことです。
それと−20℃の世界から25〜26℃の世界は本当に服装と共に体が軽く心身
ともに開放されました。

コンドウのオーナー夫妻からワイキキとアラモアナ間を回る「ピンクバス」
はJCBのクレジットカードを持っていると無料で利用できる、ホテルの1Fに
あるアイスクリーム店は火曜日ワンスクープが半額の2ドルになる!などお得
情報を聞いていたのできっちり利用しました。
毎朝7〜8時ごろ、ワイキキの海岸を散歩してからラナイで朝食、これが憧れ
のバケーション!と、実感できる時間を過ごしたのでした。

夫の希望で第二次世界大戦勃発となった真珠湾攻撃で沈没した戦艦アリゾナ
の記念館を訪ねました。手荷物はたとえ小さなポシェットでも12ドルで貴重
品預けに置かないと入館できませんが入館自体は無料、スマホやカメラの持ち
込みはOKでした。





乗組員1177名中1102名もの死者を出し沈没したアリゾナ号は一部分が海の上
に出ていていまだに船体のどこからかオイルが漏れ出ています。記念館は船体
が沈んでいる上に建設され、戦没者の慰霊碑もあり、記念館へは30分おきに
海軍のボートが運行されています。

オアフは大都会なので後半は自然がいっぱい残っているハワイ島(Big Island)
へ移動しました。神戸から夫の親友夫妻も合流してあちこち島の自然を巡って
楽しもうとプランしていたのですが、あいにく予報が雨続きで、晴れのうちに
キラウエア火山の噴火を観たりゴルフを楽しみ…あとは予報が当たってかなり
の量の雨降りになり、4人で残りの3日間をどう過ごそうかと相談の結果、友人
夫妻はホノルルに行ったことがないというので急遽2泊ワイキキのホテルを取
り、コナーホノルル片道48ドルという格安チケットを見つけて即買い。翌朝
オアフ島へ出かけました。

コナは雨だったのにホノルルに着いたら晴れ!やっぱりハワイは晴れてなくっ
ちゃ〜!と4人で年甲斐もなくはしゃいで昼間っからビール三昧となりました。
コナでは標高500mに建つ山荘を借りたので雨降りだと家が広くて肌寒くても
暖房器具はなくシャワーで温まってすぐベッドに入る、でしたから。

ハワイ島の3日目に一日プライベートガイド付きで島内を観光、11月末から
噴火しはじめたキラウエア火山の火口を観に行きました。火山はコナの真反対
にあるヒロの町まで2時間半、そこからまた1時間のドライブでした。
ファーマーズマーケットや昔日本人移住者で繁栄、いまはさびれた町になって
しまい、最近になって復興されつつある処などに立ち寄り、夜暗くなると溶岩
の噴き出す様子がよく観えるというので、ヒロの町で夕食を済ませて、いざ
ハワイ火山国立公園内にあるキラウエア山火口付近の見学ポイントへ。


テレビの映像などで観た事はありましたが、生々しい濃いオレンジ色の溶岩が
蒸気を出しゴボゴボと音を立てて吹き出す様子は正に「地球は生きている!」
と実感できる光景でした。お天気は下り坂でしたがなんとか雨には降られず
かなり長い間、境界線が設けられたポイントから溶岩が噴き上がる様子を観て
いました。山荘に戻ったら午前1時!なんと15時間の日帰りツアーでした。

再び友人夫妻と戻ったオアフではせっかくのバケーション!とワイキキでは
一番高級と言われるハレクラニホテルでハワイアンミュージックを楽しみなが
ら夕食。そこでフラダンスの第一人者カノエ・ミラーさんのダンスを観ること
ができたのもラッキーでした。
49年前にすでに建っていたピンク色のホテルで有名なロイヤルハワイアン
では名物のピンクパンケーキとエッグベネディクトを注文、お味も見栄えも(笑)
評判通り良かったです。

私達が驚いたのはワイキキにできた有名な讃岐うどん店に長蛇の列ができて
いたこと。列は2〜3重になっていました!日本と同じで職人さんがうどん
生地を練っているところがガラス越しに見えていました。暑いところなので
熱いラーメンより冷めたいうどんの方が好まれるのかもしれませんね。

コナの話ですが、山荘の庭にはパパイヤ、バナナ、アボカド、レモンやみかん
の木などがあり、勝手にとって食べてくださいね、と隣に住むオーナーさんに
言われたので、毎朝みかん狩り、バナナとパパイヤは高い所なのでオーナー
さんがとって届けてくださり、散歩道では野生のイチジクがたくさんあって
実は小さいけれどなかなか美味しい物でした。朝は野生の鶏の鳴き声で目覚め
近所のゴルフコースに行けば野生?の孔雀がたくさんいてこれまたびっくり!
溶岩の島Big Islandはまだまだ大自然がいっぱい残っている興味深い島です。

友人夫妻は朝のフライト、私たちは夜遅いフライトだったので、見送ったあと
UCCコナコーヒー農園を訪ねたり海岸沿いをドライブして北上、マカダミア
ナッツの工場にも寄って試食もさせてくれたので醤油フレーバーを買いました。
ヒルトンや名だたるリゾートクラブが並ぶワイコロア・ビレッジにも潜入して
素敵なバケーションコンドウや別荘をドライブしながら見たり、ビレッジ内の
マーケットで気の利いた寿司パックを見つけて購入。空港へは8時に行けば間
に合うので海岸沿いで夕陽が沈むのを眺めながら食べました。

ハワイから帰って一週間後にタウンの文化施設artsPlaceで「Culture Learning
Circle」というイベントで茶の湯を紹介してほしいと頼まれていたので、帰国
早々準備を始めなければなりませんでした。
和菓子はいつもお稽古のお菓子を作って貰っているカルガリーの友人に前もっ
て40個注文しておいたのでピックアップして帰宅。冷凍にしてあり当日2ー3
時間前に室温に戻せば作り立ての練切りの生菓子に戻ります。

ボランティアの志願者が6名になっていて、着物を着てみたいという方が5名
もいるということで慌てて着物の用意をして…
会場の都合で定員は30名でしたが8名もウェイティングリストにいると聞き
小さな町でも日本のカルチャーに興味のある方が多い事を改めて知りました。

コロナ以後、茶の湯のあり方にも変化がありました。濃茶の回し飲みはしなく
なり、ひとり一椀で濃茶を飲むようになりました。薄茶でも前の客が飲んだ
茶碗を点前で洗って次の客に使うという事は避け、一人一碗ずつ用意するのが
望ましいとなったので、手持ちの抹茶茶碗をかき集め、母が愛用していた物と
か箱書きのある茶碗はのぞき何とか35個用意しました。


当日はボランティアの方々に着物を着せてあげることから始まりました。
artsPlaceはギャラリー併設でコンサートや映画を上映する100名ほど入る
小さなシアターがあり、立礼卓と背後の衝立などの設営は夫に任せ、私は
今まで茶道の経験がない方が殆どなので一通り手順を説明して実際に茶碗を
温めて拭き、茶杓で抹茶を入れ、お湯はうまく50CC入る玉杓子を見つけて
茶筅で薄茶を点てるところを練習して貰いました。



参加者は長テーブルではなくキャバレースタイルシーティングという小ぶり
の丸テーブルを配し2−3人で座っていただくことで、空間があるので動き
易くお菓子やお抹茶も配りやすくなりました。
主催側の担当者の一人Juliaは昨秋スタッフのためにデモをしたときに着物
に興味を持ち、本番でMCをやってくれるというので、私が若い頃のお気に
入りだった着物を着てもらいました。
お茶を出し終えた後のトーク中に帯びの結び方を披露することになり、彼女
の帯を解いてまたお太鼓に結ぶというデモもやりました。

薄茶点前を披露する前に5分ほど茶の湯を始めるキッカケとか「茶道」は近年
「茶の湯」という呼び方に変わりつつあることや、日本は四季がはっきりと
していて、それに合わせて道具組やお菓子も変えていくこと、茶の湯の究極の
楽しみ方は茶事と呼ばれ、亭主は招いた客の前で炭を注ぎ、お湯が沸くまでの
間に懐石料理を出し、お湯が沸いたところで濃茶を練る、続いて薄茶を和やか
な雰囲気の中で頂きながらホストとゲストが一座建立を成し集いが終わる、茶
を嗜む人達にとって茶事は究極の贅沢なお遊びといえる、という短いスピーチ
をしました。

でも全く茶の湯のイメージを持たない人に言葉だけでどのようなものかを理解
して貰うのは難しいので、モニターに画像を示しながら説明できる機会があれ
ばよりお伝えしやすいのではと思っています。

無事にCulture Learning Circleが終わったあと、スタッフルームの一隅でボラ
ンティアの皆さん、artsPlaceのスタッフの方々と「虫やしない」として用意
しておいた「助六弁当」を食べて貰いました。私達日本人がお互いを労いなが
ら楽しそうにお寿司を食べている光景をartsPlaceのスタッフの方々が『とて
も微笑ましくて素敵な光景だわ』と言ってくださり、私もこんなお仲間と出会
えたことを心から感謝しました。



去年は念頭に茶の湯をもっと楽しめる環境作りをしたいと誓ったにも関わらず
結局はコロナの余波もあったりでお稽古クラスも実施できないまま終わってし
まいました。今年こそ!着物を着て薄茶をいただく、家庭で点前をしてご家族
一緒に薄茶を楽しめるように「盆点前」などのクラスを実施する、などなど頭
の中ではいろんなプランが浮かびますが、はてさてどれくらい実行できるか…
喜寿を迎え体と思考能力がどんどん衰えているという実感がある中、もう少し
元気でコミュニティとの関わりを持って過ごして行けたらと思っています。

ではまた自業でお目に掛かりましょう!
お元気でお過ごしください。

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