アコギおやじのあこぎな日々

初老の域に達したアコギおやじ。
日々のアコースティックな雑観

文章

2008-11-19 | Weblog
 木曽路はすべて山の中である。
           
                  島崎藤村「夜明け前」



 道と空との間に唯一人我ばかり。


                  泉鏡花「高野聖」





 渾身の直球、といったところか。

 物書きになったのであれば、こんな一文を書いてみたいものだ。





 飾りがない。駆け引きもない。


 奇をてらった商業コピーでは決してない。







 その言葉に接した人の人生になにかをもたらす言葉。




 情報をいじくりまわして、人は動かない。表現をいじくりまわして、文は動かない。


 誠実な心だけが、文を動かせる。






 4歳の息子が、ひらがなを読むようになった。


 絵本の文字の中からも、ひらがなだけを拾って自分で読んでいる。


 発達自体はうれしい。



 意味は、いまはまだ理解していない。

 「いい文章」を書けるよう、誠実な成長を望む。


 少し不良だっていい。




 自分自身、目を閉じて、島崎藤村や泉鏡花の文章を反芻してみる。


 心の中に、深い山間の風景や広大な草原が展開する。


 中学時代にも、高校時代にもいろいろあった。そんなことが浮かんで消える。




 フィルム映像のようにでなく、飛び出す絵本のように、いろいろ出てくる。





 息子よ、いろんな経験をしてください。
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