ささやかなこの人生

　風邪で体調が悪いせいもあるのだろう。息子はこのところ、夜泣きが続いている。

　起床後も機嫌が悪くて、起き掛けには妻からなかなか離れず、出勤時刻が迫る妻を困らせている。

　妻が出勤すると、今度は「お母さんがいい。お父さん、嫌い」。なかなか朝食や歯磨きが進まない。


　で、ついつい私の言葉も邪険になる。「じゃあ、いつまでも家にいなさい。お父さんは一人で出かける」「勝手にしていなさい。お父さんはもうお前の相手をしない」。実際にはもう少し激しい口調で言うので、息子は仕方なく私の指示に従う。が、もちろん本意ではない。


　その反動だろう。妻が一緒のときは強気だ。私の指示など従わなくても、最終的には妻が味方してくれる。


　息子に会うために頑張って仕事を切り上げて、２日連続で午後９時ごろに帰宅した。が、息子の逆襲である。朝、邪険にしてしまった分、せっかく仲良くしようとおもったのに、今度は私が息子に邪険にされてしまった。


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　本当は、もっとやさしくしてあげたい。特に朝の時間帯が気がかりなのだ。

　半ばまどろみの中にいる息子に「時間、時間」とけしかけ、責めるような言葉を浴びせるのは、正直なところ苦痛である。

　私自身、もう少し早起きをすれば時間にも精神面にも余裕も生まれる。もう少し仕事を効率的に終わらせる環境をつくればいいのだが。


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　やっぱり、自分のこと、家族のことを本当に大切にできるように、もっと将来のことを本気で考えなくては、との思いを強くしている。ささやかではあるが、一度きりの人生である。価値を認められない仕事をパンのみのために続けるのか。人生を本当に大切にしなくては、と。でないと、つまらん。

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　最近、頑張っているママさん社長に出会った。多忙な中で、つらさを見せない。楽しんでいるようにさえ見えた。年下だが、尊敬できる。つまり、自分の人生を大切に生きているからではないのだろうか。