GW前から、実家の母がおれが現在住んでいる町の病院に入院している。
実家のある町よりも医療が充実しており、かかりつけのお医者さんから勧められたためだ。
確かに、行政も医療の充実を後押ししており、おれにとってはすぐに会いに行けるしで、母としてもおれとしても安心。
気の強さは若いころから変わらない。90歳を目前にした年齢だが、手術も受けるかどうかの医師からの打診にも即決。
「元気でいないと損をする」と意気軒高である。
実家を離れてから30年以上、こんなに母と時間を共有することは初めてである。
「お前がこんなに世話しくしてくれるとはなぁ…」
驚きと感謝が込められた言葉でもあるだろう。が、おれがこれまで、どれだけ母の世話をしてこなかったかの裏返しの現実も含んだ言葉だ。
「すまなかった」と言うと「男の子どもなんか、みんなそんなもんだ」
許すとか、許さないとか、親子にはそういう感覚はない。
自宅は、病院から車で5分、おれの職場からも車で30分ほど。母の入院以降、自宅に泊まることが多くなった。
中学生の息子から「お父さん、きょうはどっち(に泊まるの)?」と聞かれる。
「きょうはこっち」
半年くらい前までなら「やったぁ!」と大喜びしてくれた。ところが今は「ああ、こっちなんだ」。
親がいない時間がすごく快適だった。おれも中学のころ、そうだった。話しかけられるのもいや。嫌いなわけじゃないんだけど。
男の子どもを授かって13年、いつかはこうなると覚悟していたが、ついに疎ましがられる時期がきた。
何十年か後には、優しくしてくれるのだろうか。
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