野茂マニア的感謝

　「世の人は我を何とも言わば言へ　我成すこと　我のみぞ知る」



　野球の名門高校のセレクションに落ちても、名のある野球人に批判されても、自分の投球フォームを変えなかった。



　周囲がもて囃してくれるようになっても、慢心せずに、自分のすべきことを見据え続けていた。



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　小さな枠組みにはとらわれなかった野茂の野球への精神は、大きな枠から国づくりを考えた坂本竜馬の精神にだぶる。

　まず、「周囲の評価」というものを「評価」しない。

　おごらず、ひるまず、ただ自分と、自分が信じたものに心を付託し、信念を淡々と貫く。


　自分の内面にこそ、自分の「評価」を求めている。


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　野茂英雄の実績は、凄まじい。日本プロ野球史上、比肩するものがない。

　彼をセレクションで落とした高校の監督は結構いやみを言われ続けているらしいし、彼を評価しなかったプロ野球の監督たちは、その世界で立つ瀬がないという。

　どんなにフォームを低く評価されようとも、変えなかった。

　そして、私は最も彼に惹かれるのは、その比類なき実績に対して「慢心」がまったく感じられないことである。


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　野茂の引退は、受け入れたくない事実である。


　ただ、事実は受け入れなくてはいけない。




　ありがとう、野茂英雄。