自宅通勤になったのと同時に、4月から昼食は弁当となった。
朝、妻が作ってくれたものを会社の食堂で食べている。
食堂といっても、食事を取るためのテーブルとイスが並んでいるだけの部屋だ。かつては業者さんが入っていてラーメンやらカツ丼やらを注文できたが、だいぶ前に撤退してしまったらしい。
昼時になると、毎日、弁当組が十人ほど集まってくる。そこからさらに男女別に分かれ、グループごとに世間話をしながら食べている。
先日、男だけ3人が集まった。
ふたを開けてビックリ。
反射的に閉じた。
隣の若い社員の様子をうかがう。
若い社員はしたり顔でニヤリ。
見られた。
海苔がハート型にくり抜かれ、ご飯の上に敷いてあった=写真。
「なんだよ、気持ち悪いな。ハートマークはないよな。なっ」
うまい話題の流し方も見つからず、ともかく言葉を継いでいくしかなかった。
「迷惑だよな。男同士だから分かるよな」的に、若い社員に同意を求めた。
若い社員は、さらに、ニンマリ。
「あのですね。それは、ハートマークじゃあないんですよ」
その社員も、過去に同じような弁当を持たされた経験があるという。律儀にも、帰宅後に奥さんにハート海苔のお礼を言ったらしい。それに対して、奥さんは気まずそうに詫びてから、彼に真実を話してくれたという。
このハート型の海苔。実は、ハート型をくり抜いた残骸の海苔。
くり抜かれたハートは子どもの弁当に行き、残ったほうは、捨てるのももったいないので、だんなの弁当行きになっているのだという。全国的に。
ハート型をくり抜いたあとの海苔に狼狽し、若い社員に対してちょっと言い訳したことが、恥ずかしくなった。それにしても、「残骸」か。
つまり、ハートを抜き取った弁当ではないか。
いまさらハートのこもった弁当もほしくないが、それにしても、家庭での現在のオレの立場を見事に象徴している出来事ではある。
そういえば、冒頭に「4月から弁当になった」と書いたが、正確には、子どもの弁当のある日には弁当を作ってもらっているのだった。
朝、妻が作ってくれたものを会社の食堂で食べている。
食堂といっても、食事を取るためのテーブルとイスが並んでいるだけの部屋だ。かつては業者さんが入っていてラーメンやらカツ丼やらを注文できたが、だいぶ前に撤退してしまったらしい。
昼時になると、毎日、弁当組が十人ほど集まってくる。そこからさらに男女別に分かれ、グループごとに世間話をしながら食べている。
先日、男だけ3人が集まった。
ふたを開けてビックリ。
反射的に閉じた。
隣の若い社員の様子をうかがう。
若い社員はしたり顔でニヤリ。
見られた。
海苔がハート型にくり抜かれ、ご飯の上に敷いてあった=写真。
「なんだよ、気持ち悪いな。ハートマークはないよな。なっ」
うまい話題の流し方も見つからず、ともかく言葉を継いでいくしかなかった。
「迷惑だよな。男同士だから分かるよな」的に、若い社員に同意を求めた。
若い社員は、さらに、ニンマリ。
「あのですね。それは、ハートマークじゃあないんですよ」
その社員も、過去に同じような弁当を持たされた経験があるという。律儀にも、帰宅後に奥さんにハート海苔のお礼を言ったらしい。それに対して、奥さんは気まずそうに詫びてから、彼に真実を話してくれたという。
このハート型の海苔。実は、ハート型をくり抜いた残骸の海苔。
くり抜かれたハートは子どもの弁当に行き、残ったほうは、捨てるのももったいないので、だんなの弁当行きになっているのだという。全国的に。
ハート型をくり抜いたあとの海苔に狼狽し、若い社員に対してちょっと言い訳したことが、恥ずかしくなった。それにしても、「残骸」か。
つまり、ハートを抜き取った弁当ではないか。
いまさらハートのこもった弁当もほしくないが、それにしても、家庭での現在のオレの立場を見事に象徴している出来事ではある。
そういえば、冒頭に「4月から弁当になった」と書いたが、正確には、子どもの弁当のある日には弁当を作ってもらっているのだった。
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