湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

母と椿の花とお水取り

2018-03-12 09:27:47 | ポエム
『奈良の東大寺さんのお水取りが済んだら暖かくなるから』


毎年のように
そう言っていたあなたは
お水取りの『お松明』を
もう、テレビで見ることができなくなったね


冬が過ぎて
そうして春が来る


否応無しに
時は過ぎ


否応無しに
この一年をなどることになる


冬を越して咲く椿の花は
まだ艶やかに咲いているというのに‥



そういえば
椿の名前って
『木』に『春』と書いたのですね
初めて気がつきました


そういえば
あなたが寝込む前までも


『女は髪の毛が大事だからね』と
昔から使っている椿油の小瓶を
振りながら言っては
丁寧な仕草で
髪に撫で付けていたのですよね


まだ、小瓶には
椿油がたくさん残ったままですよ


捨てきれず
私が手のひらで温めてみても
どうすることもできない悲しさと
切なさが同居してしまうけど


庭に植えてある、
あなたが大好きだった椿の花を
これからあなたのように思うことでしょう
その恵みの小瓶は
私の髪を育むことに使うようにしょう


ありがとう
ありがとう


青空に
晴れやかな顔が見える




さぁ
私も春の日を楽しむからね




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果てしなく続く雲に乗って

2018-03-11 09:45:26 | ポエム
切なさがグッとくる瞬間
愛しくて
手が届かなくて
泣きたくなるような


また
あなたを探している自分がいる


探しても
探しても


あなたは遠い空


きっと元気で
きっと思いは通じていて


きっと
誰もが一度は思ったことよね


果てしなく続く雲に乗れるなら
このまま飛んで行けるのにって




私より
大きな
その背中に
頬を寄せることを想像してみる






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春の和歌

2018-03-10 21:16:04 | 日記
『春されば まづ さきくさの
幸(さき)あらば
後にも 逢はむな
恋ひそ吾妹(わぎも)』
柿本人麻呂


春がくれば、まず真っ先に咲く三枝のように、何よりもあなたが無事ならば、また会えるでしょう。そんなに恋焦がれて苦しまないでください、愛しい人よ。



そんな意味の万葉集の春の歌があるそうです。



遠い昔々は
和歌(恋文)を交わし合うことが
自分の気持ちであれ
相手の聡明さであれ
はかることができた唯一のもの



とある中国の奥地では
山の頂から
次の頂へと
歌を歌で返し
互いの気持ちを確かめ合うと言う


今は
待つことが大切に扱われない時代


便利なようで
人の奥底の気持ちなんて
瞬時にわかる時ばかりではないのに。


少し時を追ってわかること
人の優しさや愛情は
言葉の裏に隠されていることもあるから。


人の幸せを願う気持ちも
じんわりと沁みてくることだってあるでしょう


せめて
過ぎ去ろうとする言葉を大切にしたいねって
誰とかじゃなく
自分自身にも
刻んでおきたいこと。



この和歌で出てくる三枝(みつまたの木)は
和紙の原料になるらしいのですが
私なりに、早春を告げる花木は、
『ユキヤナギ』
今年は咲くのが遅いなぁ。












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遅咲きの梅に

2018-03-10 11:14:59 | ポエム
『もう一度』って


これほど切ない言葉って
あるのかしらねって
空を見上げた


ほかの言葉をさがしても
見つからないや


もう一度、あなたの声が聞きたい
もう一度、あなたに会いたい
もう一度、あの場所に戻りたい


もう一度‥


もう一度って‥



それが
儚い夢のようだとしても

それが
叶わぬ思いだとしても

それが
届かぬ願いだとしても



春は
もう一度って
何度でも訪れるけど


あの時の‥
あの人の‥
わたしの‥


あの春は
あの春だけのものだものね




うちの庭に
咲き遅れた梅の花が顔を出した



やっと
久しぶりに青空が見えた










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一緒に春を

2018-03-10 07:42:09 | ポエム
暦の上で
もう春が過ぎていく日目でしょう


あちらこちらで
早咲きの『サクラサク』の便りもとどいて
春の花が順番万端
いつ芽を出そうかと
暖かい風を待っている


なのに
季節がまた逆戻りしながら
私の前を通り過ぎていくから
早く〜早く〜って
せっついて見たくもなるでしょう?


今まで選ばないような
蛍光色のオレンジ色のカーディガンを選んでみたり
ピンクのシャツが恋しかったり
地団駄踏んでしまいたくなるような
そんな出来事も
ちょっと春色をまとったら
気分上々のできあがり


そして
前を向いて
心に向けて
問いかけて


さ、手を出して。。。


そうよ、あなたの手ね


一緒に春を迎えましょう


そうよ、あなたの好きな春がすぐそこに。











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