湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

愛のことば

2018-03-28 22:10:05 | 日記
スピッツの曲は
流れるとすぐに
高校時代の甘酸っぱいような
こそばゆいような
キラキラ光る時間の中から
取り出したワンシーンが溢れ出す


どの曲にも
それなりのシーンを思い出すから



しかし、
『愛のことば』は少し違うかもしれない


コアなファンの中には
圧倒的に支持されているようだけれど
歌詞に秘められたことばを探せと
曲名には『愛』が入ってるのに
歌詞には『愛してる』の文字がない



愛してると言わずとも
相手を思いやる言葉が隠されているよう


♪ くだらない話で 安らげる僕らは
その愚かさこそが 何よりも宝もの ♪


悲しいとき
『悲しいね』は、悲しみを持つ人には
寄り添うように見えるけど
寒い時に寒いねと言うのに似てる


寒い時は
笑わせて温めてほしかったりする


バカな言葉がかえってホッコリしたりする



心の機微は難しいけれど
分かりきったマトを外すと
以外に元気が出たりするもの







さくら、さくら

2018-03-28 15:22:40 | 日記
あちらこちらで
桜の便りがひしめき合っている

うちの今はいない両親も
毎年のように
桜の季節になると
『もう今年で桜も見納めかなぁ』と
いつの頃からか言い始めていても
変わらず毎年毎年と
年を重ねていっていた


去年の桜は
車の中から桜のトンネルを見たよね


しかし
今年の桜は
もう見ることは出来なかったね


ふと見上げた桜に思いを寄せた



つい数日前まで
私は北九州にいた

うちの相方の実家近くにある
推定、樹齢150年の桜は
山里の奥にあるために
まだ少ししか咲いていなかった


菜の花とミモザの黄色い花々に
囲まれたその山桜は
満開になるまではまだまだだったけれど

もし、満開になれば
それはそれは
素晴らしい眺めとなることでしょう








義母を
施設より法要のために連れ出した


やはり、義母は
その山桜のことを聞く


その桜の咲く様を見せてあげたかった

お彼岸に入ってから寒さが戻ったために蕾はまだ堅い


自分の親を亡くして
初めて知る『親が居ることの意味』
相方の兄妹は
その意味を知らないまま

私は
どうしても義母に桜を見せたかった
街の川沿いに咲いた桜を
車の中から見せていたけれど
何か物足りない

ちょうど
法要場所の温泉旅館の中庭に
桜が咲いていた


車椅子を止めながら
『桜だよ、桜が咲いてるよ』と
淡い色の上品な桜が
背伸びするように
囲まれた空間で
さも愛でて欲しいよと言いたげに咲いていた


ふと、自分の母にでも話しかけるように、桜のほうに指を指していた


義母は喜んで
桜の花びらのように
笑顔がほころんだ


今、見ている義母の目を通して
自分の親も
空から私を見つけて
一緒に見てくれているだろうか

せめて
まだ少しは元気な義母に
桜の花を見せることが出来て良かったと心から思いながら


その桜を見て
法要を済ませた夜

お彼岸ももう終わりを告げ行く日

私の夢の中に
私の両親が手に手を取って
私の方を見ている夢を見た

そうね
ちょうど
父が亡くなって百か日が数日過ぎたころ


もう
そんなには泣かなくなった私を見届けにきたのね

そしてまた
遠くの場所に行くんでしょ

大丈夫だよ、わたしは。

桜の花、見たでしょ

大丈夫だよ、毎年思い出すから。














空の上から

2018-03-28 00:53:04 | ポエム
まだすこし
太陽の光が地球に届いているころ

はるか彼方には
漆黒の闇がせまっても
空の上では
山の稜線みたいな
ブルーとオレンジが織りなす層が残っていた

あらためて
地球は丸いんだって

あの小さな星を持つ
星の王子様が
椅子を何度も引けば
何度も夕陽がみれたように
その訳が
夕暮れ遅くにのる飛行機なら
とてもわかりやすいね


ここから
街の灯が
眼下にみえる
人の営みは
明るい灯のなかにある


あの人の街
この人の街


飛行機から見下ろす街々は
数えきれない人々の暮らしが
人生という道を描いてる


沢山の人と
絡み合いながら


私が関われる人なんて
ほんの一握りの人々達だけれど


大切にしたいと
街の灯りを見ていたら
愛おしく思えてくる


夕暮れの遅い時間
空に浮かんだとき
羽を広げ
高い場所から見ている
宝石箱のような
一つ一つが大切な命のきらめきなんだもの


私も
地上に降りたとき
きらめき出そう
上から
見えるように