まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

サバイブ。「新時代の防災術」

2021-03-05 22:37:29 | 日記
カタカナ羅列の肩書きを持つ人種のなかで唯一わたしが信用できるのはこのお方。 
アウトドアライフアドバイザー 寒川一氏です。

マスターオブ焚き火と勝手に崇める氏の渾身の一冊、なんと弊社グループ会社より出版されました。勝手に嬉しがるわたしです。早速ネット購入。事務所納品だと送料無料。ふふふ。

2011年のあの災害から10年。大混乱の駅を横目に、帰れなくなった同僚二人を伴って徒歩で自宅に帰りつき、つけたテレビに映る光景をまるでドラマか映画かのような非現実感で見ていたことを思い出します。二年後、復興支援のツールド東北に参加してチャリのうえから見た景色は、心痛むものでした。その翌年、同じようにチャリのうえから見た景色は、一年前よりよくなってるところも、全く変わらないところもありました。あれから三年も経つのにこれだったら、完全復旧にはどれだけかかるのだろうと途方に暮れる気持ちになりました。

「災害は起こるのを防げるものではなく、いかにそれと向き合い付き合っていくか、つまり対処法を問われています。(中略)救援を待つ受け身から、能動的に衣食住を得ていくスタイルにシフトしませんか。ひとりでも多くの方が自立できるスタイルになればその分、できない方が助かります。」(前書きより)

寒川氏は震災の翌年から、そんな思いで活動を始めたんだそうです。地道に継続すること10年。アウトドアブームの波に華麗に乗って、より多くのひとに防災術を届ける氏はめちゃめちゃカッコいい。

数年前、氏の主催する「焚き火カフェ」に参加して以来、だんだん焚き火の深みにはまってきたわたし。自分だけのちいさな焚き火台に、わざわざ事前に近所で拾い集めたまつぼっくりや、松の小枝、麻紐をほぐしたものを突っ込んでファイヤースターターで火花を飛ばす。小さな炎を少しずつ大きく育てる楽しさ。自分でも、何でそんなに楽しいのかよくわからなかったんだけど、惹かれているのは「生きる力」なんだということがこの本を読んでよくわかりました。

わたしはいつでも焚き火に行けるようにリュックを整えてるんだけど、非常持ち出しセットもわたし独自のものを作ってみようと思いました。しかもフォトジェニックなやつ。悲壮感ではなく高揚感で挑む防災。みんなでマイセット自慢し合うとかいいですよね。

寒川さん、ご本作るの大変だったと思います。お疲れさまでした。