増田カイロプラクティックセンターの近況レポート

筋骨格・神経・アレルギー(NAET)・感情の統合療法。
増田裕D.Cのブログ

2006年1月21日 3分診断

2006-01-21 20:31:18 | 近況
増田院長記

●神経学の植村研一氏や内科学の生坂政臣氏は「3分診断」を強調する。愁訴から3分で原因を診断しなくてはならない。俗に病院では3分診療と言われて、十分な質の医療サービスが行われていない代名詞のように言われるが、この2人に限って言えば、3分で十分である。2氏ともアメリカの最先端の病態生理学を勉強してきたので、愁訴から鑑別診断できる臨床学を学んできた。
 3分で十分。その次のテーゼは「検査は確認するものである」ということだ。鑑別診断の過程で、検査はそれを確認するものにすぎない。検査結果から何かがわかり、それを診断の手助けとする、というものではない。何か検査から手がかりがないかと、「絨毯爆撃的検査」を行っても、迷走はさらに迷走するだけである。検査は診断を確認するもの。これを肝に銘ずる。
 ひるがえって、カイロプラクティックもこうした3分診断の技術を身につけなくてはならない。他山の石である。
 
●私の母校のパーマーカイロ大学は哲学とテクニック重視であると言われている。しかし、3年3ヶ月を過ごした経験から言えば(夏期冬期春期の休みを大幅に削っている)、ちょっと違う感想を抱く。一言で言えば、非常にリベラレルであるということだ。BJパーマーの専制時代の後を受けて、キャンパスやカリキュラムは自由闊達である。もちろんCCEという公的な機関の認証を受けているわけだから、どこのカイロ大学にもある共通点が多いと思う。しかし、リベラルであったなあ、と言う思いが強い。

なるほど、哲学はいらないという科学主義イデオロギーの学校からすれば、哲学重視であるが、これは重視というよりは、あまりに正統なことを正当に教えているというだけで、哲学重視とは違う。カイロの哲学的見方をいろんな角度から検討しているのであって、上部頚椎派の教条的イデオロギーを鵜呑みにしているわけではない。テクニックもパーマーパッケージといういくつかのテクニックの組合せがあるが、それ以外に選択科目として2科目のテクニックを履修することが必須とされている。あとはお金させ払えば、10幾つもののテクニックを履修することもできる。あるテクニックで学生を縛るというようなことはしない。

クラスではワクチン接種は是か非か、中耳炎はカイロの適応症か否か、上部頚椎だけのアプローチは妥当かどうか、授業の中でディベートが行われたりした。また、同級生に歯医者がいたので、彼に顎関節についての見かたのついて多岐にわたるレポートしてもらったり、BJ時代に学生であった卒業生が来て、週末のフルスパインのセミナーによく出かけていたと言うような話を聞いたりした。

●さて、本日のドラッカーの金言。「利益の機能」。副題は「今日利益をあげている事業が明日は金食い虫になる」。ACTION POINTは「今日の事業が陳腐化する明日のために、イノベーションのための投資を今日してください」。

我々で言えば、これまでの知識は絶えず陳腐化する。たとえば、「腰痛の大半の原因は椎間板由来である」という定式。この定式はとても古い。こんな陳腐化した知識だけでなく、その後の新知識もどんどん陳腐化する。常に、最新の知識で武装していないと、この臨床の世界ではやっていけない。たちまちに、時代に遅れてしまう。

●本日の「7つの習慣名言」。私的成功は必ず公的成功に先立つ。自分自身への約束を果たせないようでは、他人や社会への約束を果たせるわけがない。

このコーベイ氏の本は留学したパーマーの第2学期の倫理学の時間のテキストだった。1991年7月のことである。この本との巡り合いはそれ以来私の運命を決めたと言ってよい。人生の座右の書である。

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