港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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EL CHOCLO エル・チョクロ

2013-05-16 22:21:58 | アルゼンチンタンゴ

しばらくタンゴについて語ろうと思います。

タンゴを語る前に、タンゴの名曲『エル・チョクロ』をティタ・メレージョで聞きくことにします。
この歌詞の中でタンゴの【おいたち】と【本音】が唄われています。



歌詞の内容は次のようなものです。

ちょっとふざけた伊達男のこのタンゴとともに
私の場末に大きな望みの翼がはばたき
このタンゴとともにタンゴが生まれ
空をかざしながら薄汚い泥地をあとにした。
奇妙な愛の誓いが抑揚をつけ
希望の他に定めのない道を切り開いた
怒りと悲しみと信頼と欠如の混合物が
いたずらっぽい無邪気なリズムで泣きながら。
不吉なその音符の奇蹟によって
思いもよらず、売春婦や情婦が生まれ
水たまりの月影や、腰をゆする下町ぶりや
愛し方の荒々しい悶えが起こった。
愛するタンゴよ、お前を思い起こす時
私は踊り場の敷石が揺れるのを感じ
過去がつぶやく声を聞く。
今はもう、母に何もしてやれない私だが
バンドネオンの音色にお前の歌が生まれるとき
母がしのび足で私にキスしに来たような気がする。
カランカンフンファと、お前の調べは
旗を掲げて海を渡り
ペルノー酒の中に
パリとアルシーナ橋を混ぜ合わせた。
お前は警官やイロ女の仲間だった
ヒモやアマっ子の産婆にさえなった。
お前のおかげで、道楽息子や老いぼれや
やくざや貧乏人が
お前の宿命とともに産声をあげた。
スカートとミサとカンテラ
ナイフの匕首が長屋の中に燃え
私の心に火をつけたのだ。