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EL CHOCLO エル・チョクロ 余談

2013-05-17 01:07:55 | アルゼンチンタンゴ

『エル・チョクロ』はアンヘル・ヴィジョルドが1903年に作曲したものです。
ヴィジョルドは、貧しい中、新聞の活版工をしながら歌手・作曲家として活躍したタンゴ界草分けの象徴的人物です。
タイトルのチョクロは「とうもろこし」という意味ですが、おバカな踊り子のあだ名という説があります。
1906年の末にアルゼンチン海軍の練習艦が『エル・チョクロ』と『ラ・モローチャ』の楽譜を積み込んでパリで配布しました。
バリをはじめ欧州各地で演奏された最初のアルゼンチン・タンゴで、外国から著作権料を受けた最初のタンゴともいわれています。

1930年代にファン・カルロス・マランビオ・カタンが歌詞を書きましたが、1947年のエンリケ・サントス・ディセポロの歌詞が『エル・チョクロ』の歌詞として定着しています。
いかにもアルゼンチンタンゴらしい汚れた裏悲しい人生模様を織り込んでいます。

しかし、洗練された流麗なリズムによるファン・ダリエンソ楽団が料理すると、まったく違った味になっています。
どちらが本当の『エル・チョクロ』なのでしょうね。