『女と男のいる舗道』 ロジェ・フランス楽団
”Vivre Sa Vie” Roger France 【YOUTUBEより】
1962年制作のジャン・リュク・ゴダール監督による同名のフランス映画の主題歌です。
映画音楽を担当して三本目となるミシェル・ルグランの作曲によるもので、初めてのヒット作となりました。
映画ではビリヤード場のジュークボックスから流れていましたが、レコードとしてはロジェ・フランス楽団で
ヒットしていました。
映画は、主人公ナナの人生転落から無意味な死をテーマに描いた初期のゴダールらしい異色作です。
ヌーヴェル・ヴァーグらしくセットを組まずに行き当たりばったりで撮った映像は、従来の手法による定石的な
細かいカット割りをしていないため逆に当時ではとても新鮮な手法に見えました。
後日談からすれば、資金がままならずにあえて安上がりに撮り上げたというのが実態だったのかもしれません。
作品は12章から成っていますが、最終章の主人公ナナが路上で無残な死を迎えるシーンを強調するために
逆算して1~11章が構成されていったような仕上がりです。
ゴダールらしい理屈っぽい台詞が随所に見受けられますが、それも含めてゴダールの流れる映像なのでしょう。
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