正月の東博見学の感想ですが今回で最後です。
個人的に興味を持ったものに密教の灌頂用具があります。
灌頂というのは密教で行う儀式で、師匠が修行を積んだ弟子の頭頂に散杖で水を注ぎ、例えば阿闍梨の位を継承できたことを示します。灌頂用具はその際に用いる独特の用具で、柄香炉、戒体箱、宝冠、宝鏡、法螺、団扇など様々な物が含まれます。余談ですが弘法大師空海は師・恵果から後継者に任命されるとともに貴重な経本、仏像に加えて灌頂用具などの密教法具を持ち帰りました。
この写真の灌頂用具は、静岡の尊永寺に伝わるもので鎌倉~江戸時代の物だそうです。
ちなみに日本における密教は比叡山延暦寺系の天台密教と空海に由来する真言密教がありますが、尊永寺は真言宗寺院のようです。
ともあれ今回の展示で灌頂用具の実物が見られたのは良かったです。
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