トーハクの年始は松林図屏風の展示が恒例となっています。
松林図は長谷川等伯の水墨画の傑作です。
毎年展示されているのでもう何度か見ているのですが、私には難解です。
今年改めて見ると、左隻(させき)は左手前の松林から右上の雪山まで奥行きを感じさせる構図です。
右隻は向かい合った松林が共鳴しているようにも見えます。
全体としては霧に包まれた松林を風が通り抜け、松林が揺れる様子が幽玄に表現されており、近づいてみると藁筆などで描いたとされる部分は荒々しい筆致が目立ちます。
この枯淡の極致のような松林図は誰かの依頼ではなく、息子久蔵の死を契機に描いたものと言われています。
松林図以降、等伯はモノクロの水墨画しか描いていないそうです。
全体図、これは模倣作。
左隻。右上に薄く雪山が描かれている。
右隻。右端の傾いた松林が秀逸。
藁筆、固くなった筆、竹先を細く砕いた筆などで描いたされる。
「長谷川」「等伯」印が基準印と異なるなど謎がある。
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