バイト先では、おやつを持ち寄っては皆に分け与えるのが習わしとなっております。
(もちろん、義務ではないので、おやつのない日もあります。)
本日、珍しくパソコン業務に勤しんでおりますと
おっさんが、ガサゴソお菓子の袋を取り出して
隣の席の女性(私と同年代なので、以後おばばさまと呼びます。)と
袋の中のアーモンドチョコを一人当たり何個配給できるかを
数えているようでありました。
そして、おっさんがみんなの机を回ってチョコの配給を始めたのでありますが
私は、自分の席ではないところで仕事をしておりましたので
コッコさんの分は、コッコさんの机に置いておくからね
と声をかけられたのに対して御礼だけ言うと、黙々と仕事を続けておりました。
その間、なんとなく、おばばさまの視線を感じなくはなかったのでありますが・・・
お昼休みになって、自分の席(おばばさまの隣)に戻りますと
待っていたかのように、おばばさまが、小声で話しかけてきました。
あのね・・こんなこと言うと子供みたいだけど
私には、チョコくれなかったの、と
とっても悲しそうに訴えてきました。
きっと、配るのを忘れただけの話なのでしょうが
おばばさまは、ひとり悶々となさっておったようでありまする。
とりあえず、私のチョコを半分差し上げましたが、
ううん、そういうことじゃなくて・・
なんか、忘れ去られたのが悲しかっただけと言います。
このおばばさまは、とにかく真面目な思考をされる方なので、
ボケツッコミが通用しませんから
こどもかっ!なんてことは言えませんし
なんとか、この沈痛な雰囲気を明るく打破させねばなりません。
おっさんは、B型だし
こんなときは、おっさんを攻撃するにかぎると思いまして
おっさん!事件です!
おばばさまに、チョコレート配るの忘れていますよ!
と、大仰に注意してしんぜましたらば
道理で、こんなに余っているはずだと言いつつ
おばばさまにチョコを手渡しながら
ごめん。ごめん。最近、物忘れがひどくてよぉー。
と笑って応じてくれたので、
これにて一件落着と思ったのでありましたが
おばばさまは、何事も追及してしまう癖があおりのようでして
数えてから配ったのに、余ったことをおかしいと思わなかったんですか?
もちろん、詰め寄るわけでもなく、ただ疑問に感じたという風に
おっさんにお尋ねになったのでありました。
いやぁ、ほんとだよねー。こりゃ、認知症が重症化したわい
とまたまた笑っておいででしたが
親切心でおやつを配ったばっかりに、文句を言われる羽目になって
まっことお気の毒なことでありました。
げに恐ろしきは、食べ物の恨みでありますな。
くわばら。くわばら。