COSMOS

"忠太"奮闘記

また一人

2011-04-28 17:29:52 | オーディオ
巨額の退職金(18億円)をすべて寄付し経営の第一線から身を引いた、SONYの大賀典雄氏が亡くなった

 ともすると専門バカになりそうな技術屋集団の中にあって、音楽芸術に造詣深くSONYの持つ高度の技術に音楽をはじめとする多彩なソフトを絡ませ「World Famous SONY」に仕上げた功績は計り知れない。
25年位むかし、知人の依頼で韓国の釜山に数回仕事に出かけた時、現地では「国産愛用」が叫ばれ、地元紙の広告も国産家電の広告がたくさん掲出されていた。
 しかし、現地の人とカタコトで話すうちに、人々の関心事は「資生堂の化粧品」であり「SONYの家電」が憧れの的だということを知った。

 大賀さんは亡き名指揮者H・フォン・カラヤンと組んでCD(音楽用コンパクトディスク)を開発したことで知られているが、功罪相半ばという人たちもいる。
・功の方
 LPレコード再生時のスクラッチノイズ(針音)の悩みを、レーザー光ピックアップで読み取るCDで解決し、ローコストのラジカセをはじめ、再生装置と音楽の普及に多大な功績を遺したこと。
・罪の方
 ベートーベンの交響曲第9番を1枚のディスクに収めるため、アナログ音源のデジタル化に際し高音部をカット、CD記録容量を75分にした。
 そのため、オーディオマニア達にとって物足りない音になってしまったこと。
 しかし、この直径12センチのCDがあったればこそ、マニア垂涎のスーパーオーディオCD(SACD)や臨場感あふれる5.1サラウンド・システム、DVD-Audioなどが誕生した訳で、初期の技術を考慮するとデジタル化の罪と簡単に決めつけるのはあまりにも酷だと思う。

 ところで、世界中で7700万人が加入していると言われるプレイステーションの顧客情報の流出事件は一体どうなっているのだろうか?
 如何に高度のセキュリティーシステムであろうと、所詮人が作ったものだから、心得の悪い人間が難関突破してしまうことになる。
 五右衛門の辞世の句「石川や浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ」ではないが、永遠の頭痛の種に負けぬよう、日ごろからウイルス対策だけは万全にして置こうと思う昨今ではある。
 とっくの昔に、種が尽きた“忠太”