やおら、今日も目が覚めた。雀の声が短く時を刻んでいた。
どこからか私はまた立ち上がってきて、ずっとそこにいたように動き始める。
呼ばれて飛び出した大魔王の気持ちってこんな感じだったんだろうか。
今日から天気は下り坂だと予報士さんが言っていたっけ。
それでも朝の風は今日も心地よい。
世知辛い娑婆にあって、これが分け隔てなく誰にでも吹いているなんて素晴らしい。
合理的精神とやらの正義のお陰で、天然の風は体に悪いとされる日も来るかもしれない。
そうして、この風さへもこっそり独り占めしようと考える人たちが現れるやもしれない。
そうなったならば、栄養分豊富でも潤いは無くなっていることだろう。
風が柔らかく時を流していく。
多くの人にとってやらざるを得ない日常のルーティンが、もう流れ始めている。
好きも嫌いもごちゃ混ぜになった世界に運ばれ巻き込まれていくんだよなぁ。