見込み外れて、思っていたより一時間早く雨が降り出した。
びしょ濡れになるイメージを拭い切れないまま朝食。
対策となるのかどうかは別として、いつもより5分早く家を出た。
最寄り駅に着く頃、足元はそうでもないけれどシャツが背中に貼り付く感覚があった。
閑散とした車内。十分に換気を行っているというアナウンス。蒸し暑さの残る中のマスク族。
耐えかねるものを感じて、あえて私はマスクを外すことにした。
いつも聞いているラジオから、土石流の話が流れてくる。
これも自然の一部なんだと思うのは、私ぐらいなのかもしれない。
この国では、自然は人間が守らないといけないもの、ということになっているのだから。
無表情に俯く人たちから、チラ見視線を感じる。
その思いは同じかもしれないが、微妙に違うかもしれない。
諸外国からのコロナ対応変化が報道の主流を占めるようになるまで、きっと続くのだろうなという思いも降って来た。
電車を降りて、雨に包まれて再び歩き出した。
乗降客も早朝だけにいつも以上に少ない。
落ち着いているんだか、沈んでいるんだかわからない心持ちで歩を進めた。