問い続ける教師―教育の哲学×教師の哲学 | |
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学事出版 |
どう読むか、だなぁ、というのがいちばん最初に浮かんだ感想です。
「ノウハウ本」として読むと、
言っていることは分かるけど、状況が違うからなぁ、で終わる気がします。
帯には「実践知X哲学知の融合」とあります。
カリスマ的な小学校教師である多賀さんを
教育哲学者である苫野さんが解いていく流れです。
教育哲学とは、
「そもそも教育とは何か?」
「どうあれば『よい』と言えるのか?」という問いに、
共通了解可能な”答え”をとことん見出すこと、とのこと。
苫野さんは別の書籍で、
教育は、すべての子どもが、「自由」に、つまり「生きたいように生きる」ための”力”を育むためにある、
と記しています。
また、
自分自身が「自由」に生きるためにも、他者の「自由」を認め、尊重できる、つまり、「自由の相互承認」の感度を育むことが、教育の役割である、
と記しています。
苫野さんの本をふむふむ、ほーっと読んでいても、
自分に落とし込むことには遠すぎてイメージが難しいところが、やはりあります。
その点、多賀さんの実践を通してイメージされやすくなった感じがしました。
他人の実践を疑似体験?妄想体験?
明日の授業に即、役立たなくても、
何かどこかに深みを持つことができるのかも知れません。
でもそれは、ノウハウ本のような即効性はなく、コスパは悪いでしょう。
結局、タイトルにすべて集約されている感じです。
「問い続ける」ことの大切さ。
でも、問いを持つことは難しいのです。
続けることはもっと難しいのです。
自分自身を学習者と思えるか思えないか、
分かれ道だなぁ。