古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十二章 乍恐奉願 口上 其の四

2014年11月05日 06時21分42秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「乍恐奉願 口上」第一頁、上の七~八行目

 

解読 之所々為させ候へ共、行先も相分不申候間、前件

    申上候之通り、悪心者ニ付、若他国他所ニ而悪事

読み の所々為させ候え共、行く先も相分かり申さず候間、前件

    申し上げ候の通り、悪心者に付きもし他国他所にて悪事

解説 「為させ候へ共」・・・確認させたが。 「行先」・・・行き先。「行」は超難解。 「相分不申候間」・・・相分かり申さず候間。 行き先も分からないので。 「申上候之通り」・・・以前に申し上げました通り。ここにも「候之通り」と「の」が入っています。「通り」は読みにくい。 「悪心者ニ付」・・・前に出ました「悪心者故」と同じ意味になります。 「若」・・・もし。 「他国」・・・「国」の崩しに注意。「国」は外国ではなく、江戸時代の名残で、他の「藩」即ち、「大和」・「摂津」・「阿波」等の他国の事を言います。本文は明治三年の日付ですが、新しい県名制度が発足するのは明治四年からです。