「詫一札之事」第一頁、上の五~六行目
解読 何之沙汰も無御座候付而者、又々相
阿かり候様ニ板札拵、又々悪書致し
読み 何の沙汰も御座無く候に付いては、又々相
あかり候様に板札拵え、又々悪書致し
解説 「何之沙汰も」・・・なんの沙汰も。何の連絡も。「沙汰」は「知らせ」、「連絡」、「評判」。 「無御座」・・・ござ無く。「御座」は丁寧語です。何の連絡も無く。 「候付而者」・・・候については。「者」は読めませんが、流れで読みます。 「阿かり候様ニ」・・・「阿」は変体仮名の「あ」ですが、ここでは「あかり」と書いて「わかり」と解釈します。当地では、「あ」と「わ」の正しい発音が出来ない人が昔は居ました。或る種の方言と考えられます。「相あかり候様ニ」・・・判る様に。 「板札」・・・木の板で作った札。 「拵」・・・『こしらえる』。作る。製作する。「悪書」は二回目です。 「致し」・・・読むのは困難です。