古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三十三章 詫一札之事 其の八

2014年11月25日 05時22分58秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「詫一札之事」第二頁、上の六~七行目

解読 處、私共始久次郎由蔵数札ニ付与

    び与せられ候處、私共乍書大イ村方様江

読み (候之)處、私ども始め久次郎・由蔵数札に付き、よ

    び寄せられ候処、私ども書き乍ら大い村方様へ

解説 今日の解説は難しい。解説者自身よく理解出来ません。悪しからずご了承下さい。 初めの字は「處」・・・処『ところ』、前頁七行目にも出ました。一般的な崩しと少し異なっています。 「私共始久次郎・由蔵」・・・五人組の仲間です。 「数札」・・・意味が判りません。宿題。「数」と読んだ文字も、上から書き直した跡が有り、「数」で良いのかどうか難しい所です。 「与び与せられ」・・・呼び寄せられ。 「候處」・・・「處」は前行でも出ました。 「私共」の次の字も上から訂正した跡がありますが、町史では「乍」と読んでいます。「乍書」・・・「書き乍ら」。書いて置きながら。「書」も難しい崩し字の一つです。前頁の六行目に出ました。 次の「大イ」の意味も判りません。「大イニ」と書くつもりで「ニ」が抜かったのかも。本文でこのあと「大ニ」と「大イニ」と二種類出て来ます。 「村方」の次は「様江」・・・村の御役人様へ。


第三十三章 詫一札之事 其の七

2014年11月24日 08時30分21秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「詫一札之事」第二頁、上の四~五行目

 

解読 (相調)見候之處、組々与り願出之儀者札入ニ

    仕候へ者、相阿かり候との儀ニ付、札入仕候之(處)

読み (相調べ)見候の処、組々より願い出の儀は札入れに

    仕り候えば、相わかり候との儀に付き、札入れ仕り候の(処)

解説 「見候之處」・・・普通には「見候處」と書き、「之」の字は入れないのですが、本文の作者は「候之處」と書く癖が有るようです。 「組々与り」・・・「与」はヒラカナの元字の「よ」です。 「願出之儀者」・・・願い出の儀は。「出」と「者」が読みにくい。 「札入ニ」・・・札を入れるとは、入札の札を入れる事。 「仕候へ者」・・・仕りそうらえば。札入れでありますので。 「相阿かり候との儀ニ付」・・・「阿かり」は前回で説明しました。「相わかり」。判ったと言う事であるので。 「札入仕候之」・・・札を入れたところ。入札したところ。


第三十三章 詫一札之事 其の六

2014年11月23日 07時36分09秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「詫一札之事」第二頁、上の二~三行目

 

解読 致し候一統与り、合吟味仕候得共、宣細申

    者無御座候ニ付、又々組寄合仕相調

読み (契約)致し候一統より、合い吟味仕り候らえども宣細申す

    者御座無く候に付き、又々組寄り合い仕り、相調べ

解説 「致」の右の縦棒は、「し候」。 「一統」・・・契約をした一同。 「与り」・・・「与」は平仮名の元字の「よ」。 「合吟味」・・・合同で検討する事。 「候得共」・・・そうらえども。 「宣細」・・・この意味は不明です。串本町史では、「詮索か?」と添え書きしています。 「申者」・・・申す者。する人。「者」も難しい。


第三十三章 詫一札之事 其の五

2014年11月22日 07時45分27秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「詫び一札之事」第一頁残りの九行目と、上の第二頁一行目

 

解読 与り是ハ在中此相談江のり有之候へ者

    寄合致吟味之上所拂之契約

読み (見て)より、是は在中此の相談へ乗りこれ有り候えば

    寄り合い致し、吟味の上所払いの契約

解説 「与り」・・・「与」は平仮名の元字の「よ」です。別に変体仮名としては「と」と読む場合も有ります。 「在中」・・・村中。 「此相談江」・・・「此」は形で覚える字。「相談」は何となく形で判ります。「江」は助詞の「へ」で、発音通りに読んで漢字で書き表した字。 「のり」・・・乗り。話しに乗ること。 「有之」・・・読むのは難しいですが、文章の流れで読みます。「これ有り」。強調語で、特に意味は有りません。 最後は「候へ者」・・・慣用語で「候らえば」。 「寄合致」・・・寄り合い致し。 「吟味之上」も読むのは困難です。 検討の上で。 「所拂之契約」・・・「所拂」はその人の居住地から追放する事。


第三十三章 詫一札之事 其の四

2014年11月20日 05時48分02秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「詫一札之事」第一頁、上の七~八行目

 

解読 道端能柿の木つり置候處、下地山人

    多人数ニ而被見、尚又在内人々見而(与り)

読み 道ばたの柿の木吊り置き候処、下地山人

    多人数にて見られ、尚又在内人々見て(より)

解説 「道端」・・・これはちょっと読めません。「道」という字の崩しは、最も難しい字の一つです。形で覚えるより外有りません。 「能」・・・これも読めませんが、「の」の変体仮名です。 「柿之木つり置候處」・・・柿の木へ吊っておいたところ。 「下地山人」・・・下浦の山仕事をする人。 「多人数ニ而」・・・多くの人に依って。 「被見」・・・見られ。これも読むのは困難です。 「尚又」・・・これは易しい。 「在内」・・・村に居る。村内の。 「人々見而」・・・村内の人々も見て。 

明日二十一日は、都合によりお休みさせて頂きます。