渡辺松男研究2の23(2019年4月28日実施)
Ⅲ【交通論】『泡宇宙の蛙』(1999年)P109~
参加者:泉真帆、岡東和子、A・K、T・S、鹿取未放
レポーター:泉真帆 司会と記録:鹿取未放
172 一球を凝(み)る五万人一球が五万人へと発するひかり
(レポート)
例えばサッカーのワールドカップを観戦しているのではないだろうか。たった一球を追って観客の五万人がどよめく。一球のうごきを凝視する五万人と、その一球から五万人へ発せられるひかり。こんなふうに歌に詠まれると、いままで球を追っていただけの私の目にも、一球の放射するひかりが見えるようになる。短歌っていいものだなあと思う。いや、渡辺松男の詩的な目を追体験させてもらっているのだ。(真帆)
(当日意見)
★(大きくため息をついて)視点をAからBへぱっと変える。これは理屈では無く感覚ですね。
繰り返しですよね、一球、一球、五万人、五万人って。(A・K)
★やっている人は一人で、見る人は大勢。それをこんなふうに歌えるなんって。それで納
得させる。(T・S)
★凝視の凝でみるというのも、うまいですね。(A・K)