かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 85

2020-09-04 19:48:18 | 短歌の鑑賞
  ブログ版渡辺松男研究⑩(13年11月)
     【からーん】『寒気氾濫』(1997年)36頁~
      参加者:崎尾廣子、鈴木良明(紙上参加)、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター 渡部慧子    司会と記録:鹿取 未放


85 いずこにも妣あらざれど古墳の木日々落葉して古墳をおおう

      (記録)
 ★お母様は亡くなってこの世にいないけれど、毎日毎日落葉で木を覆って暖かくしてい
  るなあととったのですけど。(曽我)
 ★私もわりと曽我さんの意見に賛成です。この妣は必ずしも作者の亡くなった母と限定
  して考えなくてもよいと思う。落ち葉という現象を妣と切り離して考えると、妣はい
  ないけれど自然の摂理として木々は落ち葉して古墳を暖かく包んでいる。そのほっこ
  りした、豊かな感じを作者は言いたかったのかなと。稲荷山古墳など作者は親しみが
  あるようで、この他にも古墳の歌はたくさん詠まれている。(鹿取)

コメント
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