かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 430 韓国③

2024-07-03 08:57:19 | 短歌の鑑賞
 2024年度版 馬場あき子の外国詠59(2013年12月実施)
      【発光 武寧王陵にて】『南島』(1991年刊)P90~
      参加者:K・I、崎尾廣子、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
      レポーター:崎尾 廣子   司会とまとめ:鹿取 未放

 
430 蓆一杯柿広げたり韓くにに陽の色きよきもののかがやき

    (当日発言)
★柿は吊すねえ、日本じゃ。蓆に一杯広がっているところに陽が照ったらきれいで
 しょうねえ。 (曽我)
★干してから干し柿にするんでしょうか?(慧子)
★キムチとか何かお料理に使うんでしょうかねえ。(崎尾)
★でも、いかにも初冬らしいし、柿の色も鮮やかに浮かびますね。(鹿取)
★懐かしい感じがしますよね。(慧子)


431 武寧王の黄金(こがね)の宝みる朝ぞ六世紀大陸の力は迫る

     (レポート)
 武寧王陵の副葬品の表(『韓国の古代遺跡』中央公論社)に目を通すとその数のあまりの多さに圧倒される。金製の品々の多さにも驚かされる。この金製耳飾り等々見たのであろう。中国では581年に隋が中国全土を統一し朝鮮三国の角逐はいっそう激しさを増してくる。『図説韓国の歴史』(河出書房新社)によると、武寧王陵の出土品から当時の国勢と高い文化水準が伺えるとある。(崎尾)


     (当日発言)
★「大陸の力は迫る」は、副葬品の圧倒的なきらびやかさによって王の力の大きさが
 迫ってくる、といっているのだろう。 (鹿取)

    
    (後日意見)
 次に「物部連(もののべのむらじ)ら海を越えゆきて百済の黄金いかにか見けむ」の歌があるので、武寧王の黄金の宝を見てその莫大な富を貯えた圧倒的な権力に思いを馳せている歌なのであろう。その宝を見る現代の自分をも圧倒する力である。(鹿取)

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