ジョムソンの農場の林檎の木
ブログ版馬場の外国詠 ⑰(2009年4月)
【ムスタン】『ゆふがほの家』(2006年刊)86頁~
参加者:K・I、N・I、T・K、T・S、N・T、藤本満須子、
T・H、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:T・H 司会とまとめ:鹿取 未放
──── ネパールのアッパームスタンに「こしひかり」を実らせた
近藤亨翁をたずねてジョムソンに行った。
(この詞書のような2行は、「ニルギリ」の章全般に掛かる。鹿取注)
141 ムスタンの林檎は大きみのりぞと人ほむる近藤亨翁の林檎
(レポート)
「ムスタンの林檎は大きみのり」と人が褒めているのは、その林檎の現実の大きさを褒めているのか、それとも近藤氏のご苦労の多大さに対し、敬意を表しているのか、たぶん、その双方であろうとは思うが。ここに「近藤亨翁」と敬語を使っておられる点に、その尊敬の気持ちが表れている。しかしなぜここに「人ほむる」と他人の評価を持ってこられたのであろうか。林檎の大きさとともに、それを高地で実らせた近藤氏の業績への敬意を「大きみのり」と「人ほむる」に、その客観性を持たせているのであろうか。(T・H)
(当日意見)
★先の歌で言ったように、ここの林檎はこぶりなので、「大きみのり」はその業績に対する言葉で
しょう。2700メートルの高地に美味しい林檎を実らせるのはたいへん難しいことだったよう
ですから。「人ほむる」はレポーターの言っているとおりで、もちろん自分も褒めているのです
けれど、土地の人がまず感謝を込めて褒め、日本でも近藤氏を知る人はみんな褒めるわけです。
ところで、この林檎、大変な人気で、カトマンズの高級スーパーで「ムスタンの林檎」としてブ
ランドになっているそうです。ジャムとか干し林檎も作られ、現金収入源にもなっているようで
す。(鹿取)
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