かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 107 スペイン⑤

2024-10-06 10:17:43 | 短歌の鑑賞
   2024年度版 馬場あき子の外国詠12(2008年10月)
       【西班牙3オリーブ】『青い夜のことば』(1999年刊)P61~
       参加者:F・I、N・I、T・K、崎尾廣子、T・S、藤本満須子、
           T・H、渡部慧子、鹿取未放
       レポーター:N・I まとめ:鹿取未放


107 大聖堂ほのかに見えて犇きて人々地獄小路に住めり

    (レポート)
 種々の民族を抱えているスペインの特徴がよく表れている。聖と俗、富と貧、醜と美、古びた小路から見えた大聖堂の対比にドラマを感じます。(N・I)


    (まとめ)
 これもトレドであろうか。地獄小路という名称はネットで検索しても出てこないので、ごみごみした下町の狭い通りを作者がそう呼んでみたのだろうか。トレドの大聖堂は250年もかけて完成したそうだが、小路の向こうには壮大な大聖堂の一部が見えているという。小さい家家がぎっしり並んだ小路には大勢の人々が行き来している。地獄小路と呼びながらそこを蔑しているのではない。大聖堂と貧しい人々のギャップはギャップとして、ひしめきあって生きている土地の人々の逞しさに感動し、面白がっているのではなかろうか。(鹿取)


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