ブログ版 渡辺松男研究 2014年9月
【夢解き師】『寒気氾濫』(1997年)67頁~
参加者:石井彩子、泉可奈、泉真帆、崎尾廣子、鈴木良明、
曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:泉 真帆 司会と記録:鹿取 未放
160 欠陥とみなされているわが黙も夕べは河豚のようにすずしい
(レポート)
私の沈黙を欠陥だと見なしているものがいる。けれどその私の黙しも、夕方ともなればまるで河豚のようにすずしいものだ。結句に清々しさの実感があると思う。(真帆)
(意見)
★皆さん意見がないようですけど、あまり考えすぎないでいいんじゃないですか。〈われ〉が寡黙
なことを周囲では(主に職場でしょうかね)欠陥のようにみなしているけれど、この寡黙も夕べ
は河豚のように涼しいと素直に読みました。「夕べは」ととりたてているのは職場がはねた後と
いうことでしょうか。「すずしい」というのも松男さん愛用の感覚表現で、気温や衣服のすずし
さとかを超えた、何か手ざわり感のある言葉なのですが説明するのが難しい。でも、共感できま
す。同じような「すずしい」はこれまでにも出てきたし、後の歌集にも出てきます。この160
番歌は寡黙と河豚の取り合わせが余裕があるようで面白いですね。(鹿取)
★河豚刺しを思っちゃうんですよ(笑)。お皿が透けて見えるでしょう。あの涼しさったらないです
よ(笑)。(鈴木)
(まとめ)
火口原わが耳となるすずしさよ夏の夜深く落石つづく『寒気氾濫』
透りたる尾鰭を見れば永遠はすずしそうなり化石の石斑魚(うぐい)『泡宇宙の蛙』
【夢解き師】『寒気氾濫』(1997年)67頁~
参加者:石井彩子、泉可奈、泉真帆、崎尾廣子、鈴木良明、
曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:泉 真帆 司会と記録:鹿取 未放
160 欠陥とみなされているわが黙も夕べは河豚のようにすずしい
(レポート)
私の沈黙を欠陥だと見なしているものがいる。けれどその私の黙しも、夕方ともなればまるで河豚のようにすずしいものだ。結句に清々しさの実感があると思う。(真帆)
(意見)
★皆さん意見がないようですけど、あまり考えすぎないでいいんじゃないですか。〈われ〉が寡黙
なことを周囲では(主に職場でしょうかね)欠陥のようにみなしているけれど、この寡黙も夕べ
は河豚のように涼しいと素直に読みました。「夕べは」ととりたてているのは職場がはねた後と
いうことでしょうか。「すずしい」というのも松男さん愛用の感覚表現で、気温や衣服のすずし
さとかを超えた、何か手ざわり感のある言葉なのですが説明するのが難しい。でも、共感できま
す。同じような「すずしい」はこれまでにも出てきたし、後の歌集にも出てきます。この160
番歌は寡黙と河豚の取り合わせが余裕があるようで面白いですね。(鹿取)
★河豚刺しを思っちゃうんですよ(笑)。お皿が透けて見えるでしょう。あの涼しさったらないです
よ(笑)。(鈴木)
(まとめ)
火口原わが耳となるすずしさよ夏の夜深く落石つづく『寒気氾濫』
透りたる尾鰭を見れば永遠はすずしそうなり化石の石斑魚(うぐい)『泡宇宙の蛙』
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます