ブログ版 清見糺の短歌鑑賞
鎌倉なぎさの会 鹿取 未放
211 ひんぱんにおくびがこみあげくるからにクリニックにゆくびょういんぎらい
2003年3月作
ここでいう病院は大病院のことで、クリニックは町の小さな医院だろう。麻酔管理をきちんとしてくれる町の病院なので苦痛は全くないと聞いて、痛いのが苦手な作者も胃カメラを呑む気になったようだ。げっぷがよく出るからポリープぐらいあるかもしれない、と考えていたようだ。
212 こときれしオルガンひとつむらきもにしずめて胃カメラのみにゆくなり
2003年3月作
オルガンは、臓器(オルガン)。二〇〇〇年に出た岡井隆の歌集『臓器(オルガン)』の影響だろう。「むらきも」はここでは「身体」くらいの意味で使っているが、本来名詞形はなく、「群(むら)肝(きも)の」の形で枕詞として使う語。臓器に心が宿っていると考えたことから、「心」にかかる枕詞。前年、耳下腺腫瘍で手術をした時、事前の精密検査で腎臓が片方萎縮してないということを知らされていた。「こときれしオルガンひとつ」とは、萎縮した腎臓のことだろうか。
鎌倉なぎさの会 鹿取 未放
211 ひんぱんにおくびがこみあげくるからにクリニックにゆくびょういんぎらい
2003年3月作
ここでいう病院は大病院のことで、クリニックは町の小さな医院だろう。麻酔管理をきちんとしてくれる町の病院なので苦痛は全くないと聞いて、痛いのが苦手な作者も胃カメラを呑む気になったようだ。げっぷがよく出るからポリープぐらいあるかもしれない、と考えていたようだ。
212 こときれしオルガンひとつむらきもにしずめて胃カメラのみにゆくなり
2003年3月作
オルガンは、臓器(オルガン)。二〇〇〇年に出た岡井隆の歌集『臓器(オルガン)』の影響だろう。「むらきも」はここでは「身体」くらいの意味で使っているが、本来名詞形はなく、「群(むら)肝(きも)の」の形で枕詞として使う語。臓器に心が宿っていると考えたことから、「心」にかかる枕詞。前年、耳下腺腫瘍で手術をした時、事前の精密検査で腎臓が片方萎縮してないということを知らされていた。「こときれしオルガンひとつ」とは、萎縮した腎臓のことだろうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます