かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一首鑑賞 172

2022-11-15 07:49:25 | 短歌の鑑賞
  2022年度版 渡辺松男研究2の23(2019年4月28日実施)
     Ⅲ【交通論】『泡宇宙の蛙』(1999年)P109~
     参加者:泉真帆、岡東和子、A・K、T・S、鹿取未放
     レポーター:泉真帆   司会と記録:鹿取未放


172 一球を凝(み)る五万人一球が五万人へと発するひかり

      (レポート)
 例えばサッカーのワールドカップを観戦しているのではないだろうか。たった一球を追って観客の五万人がどよめく。一球のうごきを凝視する五万人と、その一球から五万人へ発せられるひかり。こんなふうに歌に詠まれると、いままで球を追っていただけの私の目にも、一球の放射するひかりが見えるようになる。短歌っていいものだなあと思う。いや、渡辺松男の詩的な目を追体験させてもらっているのだ。(真帆)


    (当日意見)
★視点をAからBへぱっと変える。これは理屈では無く感覚ですね。繰り返しですよね、一球、
 一球、五万人、五万人って。凝視の凝でみるというのも、うまいで すね。(A・K)
★私は野球だと思って読みました。サッカーだと凝視する暇も無くボールはあちこちに動きますが、
 野球でピッチャーが投げるボールは、キャッチャーや監督、相手の打者……いろんな駆け引きが
 あって、投げるまでに時間がかかりますよね。それを観客は息を詰めて凝視している訳です。
    (鹿取)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一... | トップ | 渡辺松男『泡宇宙の蛙』の一... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

短歌の鑑賞」カテゴリの最新記事