ウクライナは引き続き非常に危険な状態が続いている。そしてそれが、東ヨーロッパに波及し、奇妙な事件がチェコで起こり、同時に、ベラルーシでルカシェンコがぶっそうなことがあったと言ってる。
ベラルーシのルカシェンコ大統領は、自分と子どもたちを暗殺する企てをしたグループがいて、そのグループはおそらくCIAとリンクしていると発表した。それらの人たちは既に捕まえられている模様。
Lukashenko reveals group that plotted to assassinate him taken in custody
MINSK, April 17. /TASS/. Belarusian President Alexander Lukashenko has informed about the detention of a group that was scheming an assassination attack on him and his children, and purportedly, had links to the US intelligence agencies, BelTA news agency wrote on its Telegram channel on Saturday citing the president.
しかしこれは、ベラルーシの公安(KBG)が捕まえたのではなくて、ロシアFSB(元KBG)が捕まえた模様。
Russian FSB detains two individuals plotting coup in Belarus, assassination of Lukashenko
FSBによれば、グループの目標は、ベラルーシの政体に政変を起こして大統領を排除して、大統領と反対派の合同委員会みたいなものに権限を与えようとしていたという。
the ultimate goal was the upheaval of Belarus’ constitutional system, to eliminate the position of presidency and to vest political power in the National Reconciliation Committee.
で、この話を、ルカシェンコは、プーチンがバイデンに話したと、ベラルーシのテレビで語った模様。
私はプーチンに感謝してる。プーチンがこの話をバイデンに問いただした時、バイデンはもごもごして答えなかった。プーチンは電話してきて、この話を教えてくれた。私がアゼルバイジャンから帰ってきた時にね。
"I'll tell you more. I am grateful to Putin. When he was talking with Biden, he asked him this question. Gurgling and no answer. Vladimir Vladimirovich [Putin] called me and told me about this when I arrived from Azerbaijan," he added.
Lukashenko says Putin-Biden talked about alleged US-led assassination plot
だそうです。
まぁ、去年のベラルーシの大混乱を見ても、そういうことをしそうな人はウクライナに籠ってるCIAやらMI6やらを加えて多数いる。そして、あの反対派集団はポーランド、リトアニアに逃れてそこからまだ諦めていないわけだから、何かしても不思議ではない。
そして、時期的には、ウクライナでもめ事を起こす際に、あわせてベラルーシで政変を起こすというのは確かに都合がいい。
特に、大統領を排除して、反対派に権限を持たせるというのは、実際そうしたいでしょう。要するに、ウクライナで軍事紛争をするつもりだったら、ベラルーシとロシアを離したいから。
ベラルーシ軍とロシア軍が同じ側だと、キエフのすぐ北側はベラルーシ&ロシアに封鎖される恰好になる。他は、アゾフ海側を南部軍区とカスピ海の軍が出張って、クリミアにいる海軍がオデッサ&沿ドニエストル を抑えるとすると、ウクライナは西部のポーランド側しか開いてるところのない、ナチュラルに封鎖されてるような形になる。2014年でもこの点が話題になった。というか現地民みんな知ってるって感じの基本マップ。
だがしかし、本当にCIAが関与してやっていたのだろうか? まぁこの人たちはシリアでアルカイダと組む人たちだから何やっても不思議ではないとしても、アメリカ一国では済まないほど巨大な戦争にする気が本当にあるのだろうか?
と、考えてくると、これは遮二無二この地で勝利だか戦争だかに拘った、現地軍の暴走だったと考える方があり得るような、しかし、西側だからなぁ・・・といったところ。
さらに、現地軍の馬鹿な暴走を、ロシアFSBに脚色された、という線もありそうな気もする。これでルカシェンコはさらにプラプラできなくなったわけだし。(FSBはかねてからルカシェンコのプラプラを危険視している)
で、そんな中、チェコでは7年前だかに起きた爆発事件は実はロシアのエージェントによるものだという騒ぎがにわかに持ち上がり、ロシアの外交官18人を追放した。
Czechs announce expulsion of 18 Russian diplomats, as Prague claims ‘intel officers’ involved in 2014 munitions depot explosion
チェコ国内でも、なんで今? なんの証拠があるの?という声もあるような「事件」らしい。それにもかかわらず、手っ取り早く18人も追放というのは、むしろそれが「事件」でしょう。
これは、ベラルーシの件に対するカバーアップなのではあるまいか? ヨーロッパではチェコ事件だけがわーわー取り上げられているようだし。事件というのなら、ベラルーシの方も報じたら?なわけだけど。
ということで、あほ臭くもきな臭いことだらけのロシア欧州部は、何かなしにはすまないような気配になってきた。
といって、すわ、火力の投げ合いだ、とは限らない。いや、投げ合いにするなら来いとロシア軍が大きく出張っている中で、別の政治的動きを進めているかもしれない、など想像している私がいる。
ひょっとしたらベラルーシとロシアの連合国家構想がバージョンアップするとか、ドンバスがロシアに編入されるとか、といったこともあり得るように思う。
ドンバスをロシアに編入すると政治的にロシアが不利に立たされるわけだけど、ドンバスでこれ以上死人を出さないようにするためには、結局これしかないのか、とも言えるでしょう。ロシア軍が入っていって守れるわけだから、今のように、民間人をウクライナ軍に撃ち放題にさせておく状況はなくなる。マジで、来るなら来いになる。
西側は卑怯だから、ドンバスの民間人を守ってるロシアの行動を「介入」といって、引き下がらせようとするわけ。そして、自分のところが抱えてるウクライナ軍なる右派のごろつきには武器支援をする。
この構造は、パレスチナとイスラエルとそっくり。パレスチナの保護者だったアラブ世界を解体していって、イスラエルには米+欧が支援する構図を作った。実にやり口が汚い。そして私たちの多くはこれに気づかない阿呆です。
パレスチナ:保護者なしのツケを誰が払うのか不明
で、いずれにしても、既にとっくにロシアとアメリカ+αの関係は冷え切っているんだから、ここでさらに冷え切っても同じじゃないのか、とも言える。であるのなら、ドンバスのロシア人の命を守った方がいいという判断は十二分にあり得るのではないのだろうか。この部分は私の想像と多少の願望ですので、本気にしないでくださいませ。
結局この図に戻って考えるようなことになるのじゃないのかな。現在のウクライナという括りには実際にはなんの合理性も正統性もない。東京都と神奈川県が戦争することになるとは思わずに行政区分を作ったにすぎない、といったようなもの。
ロシアではかなりのニュースになっているのに、日本での報道が見当たりませんね。いまでもナバリヌイばかり。何か隠したいのかと疑心暗鬼がつのります。