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ウクライナへのネオナチ関与を否定できず-米国務省ヌーランド氏

2014-05-09 20:07:03 | 欧州情勢複雑怪奇

■ 偽旗作戦って意外と難しい

第二次世界大戦というのは欧州戦線と日本がからんだ太平洋戦線というのは実際にはまったく事情が違うし、なんにも関連させずに考えた方がいいんだろうなとはよくそう思ってる。

太平洋戦線というのは、西尾幹二先生が解き明かされたように、要するにアメリカによるアジア侵略物語における最終戦だったわけだ。中国を、今の状況でいうウクライナみたいに見立てて、彼らがかわいそうだから私たちは加勢するのだといって第三国としての中立的立場なんてなんのその、勝手に中国大陸の関係者になっていって、最後に日本を追い落した、と。

しかし日本は基本的に正式な権益を持った存在として満洲という場に関わりだしたのだし、そもそも近隣諸国だ。そこに勝手に入って来たのはアメリカの方。あんな遠いところから。

同様に、ウクライナは1000年この方ロシアという文明圏の一部なんだし、23年間前まで東半分は一度も敵同士になったことはなく、経済的にも深い結びつきがあるからウクライナに関わっているというのが根本的なロシアの立ち位置。なのに、ロシアがウクライナに関わるのは間違っているという、ものすごい理屈をアメリカ国務省+ネオコンは毎日叫んでいる。欧州人たちはだんだん嫌になってる。

結局アメリカのやっていることはいつの時代も同じなんだなぁとあらためて思った。そしていつの時代も、偽旗作戦とかいうの? 自分がやったことを他人がやったことにして語るという、ものすごく根深い病があるようにも見える。

今回のそれは、ロシアによるウクライナ不安定化。

いやぁ、誰でも知っている通り、過去20年、いや恐らくもっと前からウクライナをロシアから取るために努力を重ねてきたのはアメリカ。国務次官補が自ら、過去5年間に50億ドル(約5000億円)使っていると自分で語ったことは、この事件をおっかけている人なら誰でも知っている。それがいわゆるヌーランド事件。

(ロシアからウクライナを抜くためにウクライナ西部を反ロシアにしよう、という考え自体は、ビスマルクの頃からあるんだそうだ。それがドイツ軍将校に受け継がれ、ブレジンスキー一派に流れ込んでいる。だから驚くことでは全然ないとロシアの歴史家が書いていた。)

■ 米下院公聴会で、ネオナチ関与を認める

それにもかかわらずロシアが悪いと米国国務省関係者は言い続けているのだが、5月6日火曜日、初めて米議会の公聴会が開かれ、問題の中心にいるヌーランド国務次官補が証言した。(アメリカ人もさすがにヤバいと思いだしたってことではなかろうか・・・。)

欧米の記事は、この公聴会はロシアに対する制裁の強化がどうしたこうしたが語られた機会のように書いているけど、それだけではない。国務省の担当者としてヌーランド氏が現状どうなってますかを尋ねられている。

米下院外務委員会の公式サイト。ビデオが載っている。
Hearing: Russia’s Destabilization of Ukraine
http://foreignaffairs.house.gov/hearing/hearing-russia-s-destabilization-ukraine
いろいろあるけど、ここがハイライトであり、まずもって今回の直近の問題の根源でしょう。

ざっと会話を訳すとこんな感じ。

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共和党のダナ・ローラバッカー議員
ウクライナでは正式に選挙で選ばれた大統領がいたわけだけど、その人は路上での大規模な暴力で排除された。動き回っている人々の写真がありますが、私たちはその人たちはネオナチだと言われています。

ヌーランド国務次官補
写真などをご覧になる機会があればわかると思いますが、マイデン広場に参加した大半の人々は平和的な抗議者です。お母さんとか、おばあさん、退役軍人の人たち・・・(中略)

ローラバッカー議員
私も写真はみました。でも、そういう写真じゃないのも見ました。警官の集団に火炎瓶を投げている人たちがたくさんいました。警官に向かって発砲している人もいました。そう、お母さんも花もあったでしょう、でも、デモにはものすごく危険な、通りで暴力行為を働く人たちも関与していまいたよね。私の質問は、ネオナチグループが関与していたのか、ということです

ヌーランド国務次官補
ウクライナの各種の人たちがいたわけで、その中には、非常に醜悪な種類の人たちも含まれていました。

ローラバッカー議員
ということは、答えはイエスですね。
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これって、公式にネオナチグループが入ってましたと認めた、ということなんだけど・・・。

これでもこのままアメリカはあの暫定政権に関わっていくんでしょうか?

その部分を取り出して記事にしているのは、RTというロシアのメディアだけというのが、現在の状況がどのぐらい変かを表していると思う。ネオナチグループが関与して暴力沙汰を起こしている現状を見過ごしているどころか、資金援助して国をあげて応援しているのがアメリカ&EU。

Nuland has tough time justifying US involvement in Ukraine
http://rt.com/news/157808-nuland-grilled-ukraine-costs/

http://www.youtube.com/watch?v=FIjEEFdnzkw&feature=youtu.be

■ EU&アメリカはどうなっちゃったの?

そういうわけで、主流メディアでは、悪いのはロシア、AをやってもAをやらなくても悪いのはロシア、問題はどうやって経済制裁してロシアを潰すかです、みたいな具合に進展しているのだけど、これって、ウクライナに対して責任感がなさすぎる。ネオナチ送り込んで、革命を喜んで、あとは当然ロシアは俺らに頭下げるべき、ってどうなのよ、と。

ふと、シリア危機のときのこれを思い出した。

プーチン大統領が欧米批判、「内臓食べるシリア反体制派に支援不要」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE95G04I20130617

記事にするとたいして面白くないんだけど(衝撃的だけど)、プーチンはこの疑惑を公開の記者会見の場で語っていて、その隣のイギリスのキャメロン首相が固まってプーチンを凝視している姿が、なんともこの、冗談のようだった。
Putin slams Cameron: Do you want to supply arms to people who eat their enemies organs?
http://www.youtube.com/watch?v=dFJ0fdvKlQQ

前から書いてるけど、EU&アメリカはなんらかの「影のグループ」が暴走しているけどそれを自らは批判できない、という状況なのではなかろうか?

で、その「影のグループ」は欧米(+日本)の主流メディアを完全に掌握できる力を有している。

そうでなかったら、いやもしそうでないのだとしたら、彼らのモラルはもうゼロよ、みたいなことになってると思う。

何かが相当におかしい。あれだ、自国の大統領が暗殺されているというのにしっかりした調査もできない、というああいうアメリカになってる気がする。(ケネディ大統領暗殺事件の資料は2039年まで公開しないというのが公式見解だと思うけど、去年あたりリークのフィルムがインターネットに出回っていた。まぁその、公式見解とはまったく異なるようではある。)


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