フランスの電力公社の経営が苦境に陥っているという話。これは今に始まったことではないので、今後も騙しだましやっていけるものなのかどうかのか、わからない。
グリーンピース:世界最大の原発事業者が倒産の危機に瀕している
https://jp.sputniknews.com/europe/201611283057098/
「公開されたEDFの報告書は会社の実状を反映していない。同社はそれを隠そうとしている。原子力プロジェクトに集中することにより、EDFは競争力を失った」。グリーンピースの求めに応じ財政分析会社AlphaValueが行った調査でこのような結論が出た。
この話の過程で、つい先日こなんな話もあった。
仏電力公社、アレバ原子炉部門買収
2016/11/17付
日本経済新聞 朝刊
http://www.nikkei.com/article/DGKKASGM16H8R_W6A111C1FF2000/
【マラケシュ=竹内康雄】フランス電力公社(EDF)は16日、原子力大手アレバと、EDFがアレバ原子炉部門を買収する契約を結んだと発表した。15日付で両社が文書に署名した。アレバ原子炉子会社の評価額は25億ユーロで、EDFは51~75%を取得する。残りは三菱重工業や中国企業に売却する方針で、EDFは声明で「数週間以内に議論する」と説明した。
で、どうしてフランス原子力業界が苦境に陥っていったのか、ひとつのきっけかはアレバが開発してた新型原子炉のことだったと思う。これをフィンランドに設置しようとしたが予想外に工事が難航して、当初見込みの3倍ぐらいの値段になっていって、結局その新型ってのはホントはダメなんじゃないかという噂もたっていた。
ドイツが原発に見切りをつけていく一つのきっかけは、このフランスの原発との関係だったんじゃないのかな、とか思ったりもする。フランスと共同している間意味不明に金ばっかりかかって儲からなくてシーメンスが抜けて、シーメンスはその後ロスアトムに接近して、最終的に原発を撤退という流れ。
これこれ。この記事は詳しい。
安全な原発は夢か 仏アレバの新型炉建設が難航[日経新聞]
編集委員 安西巧
2015/1/26 7:00
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO82205990R20C15A1000000/?n_cid=DSTPCS003
フランスの原子力大手アレバが20年以上の歳月を費やして開発を進めてきた「夢の原子炉」が苦境に立たされている。名称は「EPR(European Pressurized Water Reactor=欧州加圧水型原子炉)」。航空機が衝突しても耐えられるという強靱(きょうじん)性や安全性をアピールして世界に売り込む計画だったが、2011年の東京電力福島第1原子力発電所事故による原発ビジネスのダメージに加え、10年前に着工したフィンランドの第1号プロジェクトが難航。工事の遅延が会社の屋台骨を揺るがす事態に発展している。
雑感にすぎないけど、原発業界って信じられないぐらいにズボラな業界なんだと思う。だって工事が遅れて値段が倍、倍になっていったり、それを精査する機構はどの国もお手盛りのものしかないように見えるんだもの。なんなのその東京オリンピック、みたいな感じ。福一の事故の後工程も信じられないぐらいにズボラ。
結局これって、利権の山のただの金儲けの話を、安全保障でございますみたいな包装パッケージで売ってるというだけなんじゃないかという気がしてきた。だって、言ってみればたかだか電気の話なのにね。
いずれにしても原発の話は実のところ西側全体で構想してあっちこっちで話しを振り分けている(利権を振り分けている?)とみえるので、今後は福一が一つの無尽蔵の「資金源」になっていくんだろうなぁと考えると気分が暗い。廃炉は廃炉で金儲け、としか思ってないでしょう。
とか言ってたら、もんじゅ。
もんじゅ、10年間は技術研究利用…解体と並行
読売新聞 11/29(火) 7:20配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161128-00050171-yom-sci
政府は高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、今後約10年間は廃炉に向けた解体作業と並行して、高速炉の安全性を高める技術の研究を継続する方針を固めた。
高速炉の安全性を高める、とか書かれて多くの人はこれをなんだと考えるんだろう。
もんじゅの次は「新もんじゅ」
でもエネルギー源になり得ることは間違いないわけで、サイクルを確立してリスク評価を蓄積して使う分には今後将来性はあるんじゃないですかね。
問題は、そこまで考えなかった過去の遺物と過去の頭しかない運用者をどうしても切れない、こっちの社会的要因だったんじゃないかな、など考えます。
その前に日本はそもそも地盤が悪すぎる。