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ギリシャ債務危機は金融のイラク戦争だ by AEP

2015-06-27 21:49:01 | 欧州情勢複雑怪奇

沖縄の新聞は左翼に乗っ取られてる、潰さなあかん、と百田尚樹氏が語ったといって問題になっているけど、チャンネル桜をご覧の皆様にとってはもはやこれって「通説」でしょう。あはは。

だから、どれだけこれは冗談だと語ったところで実は意味がない。

で、私が思うに、沖縄の世論が本土の世論と異なっていても別に不思議でもないんでもないと思うけどね。だって、もしあなたの街が米兵さんやら日本の軍事関係者やらが隠然たる力を持った場所になったとしたら、その他の地域と異なる世論ができるでしょ? だって嫌なんだから。

それを認めない、そういう見解を持つ人たちを、異質なものとして排除しようとするその傾向が、実のところ日本の宿痾かもなぁと思う。でも、この宿痾は別に1000年来こうだったという話ではなくて、実際には明治朝日本の特性だと思うよ、私。

と、そんなこんなで日本は日本で、締め付けて異質を排除する方向に行きそうなところで待ったがかかった感じになっているけど、欧州方面のギリシャ問題もこの問題と多少重なるかなと思ってみたりもする。

ギリシャ首相、財政再建策巡り7月5日の国民投票表明
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK27H17_X20C15A6000000/

【アテネ=佐野彰洋】ギリシャのチプラス首相は27日未明(日本時間同日朝)、同国に対する金融支援の条件として欧州連合(EU)から求められている財政再建策を受け入れるかどうかについて、7月5日に国民投票を実施することを表明した。ギリシャの債務の返済期限が迫るなか、EUなど債権団側がどう対応するかが焦点となる。投票結果次第では、ギリシャのユーロ圏離脱も現実味を帯びる。

もうこの問題、外からは、いやギリシャ国民にとっても半分わかったようなわからないような、だと思う。

ギリシャにとってはユーロどころかEUからも出て、一回安い通貨で苦しんで、しかしそれによって通過切り下げのベネフィットを得て、欧州のみなさんギリシャに遊びに来てね、みたいなスタイルを取るようにした方が楽だろうとみんな思ってるわけだけど、それがそうはいかないのがまぁ問題。

でも、ECBのハンドリングも不明すぎるほどに不明。

ギリシャ債務危機は金融のイラク戦争

さて、しかし、この様子を見ている英テレグラフの有名な金融ジャーナリスト、アンブローズ・エバンス=プリチャード(AEP)が、先週興味深い記事を書いていた。

ギリシャ債務危機は金融のイラク戦争だ、というのよ。

Greek debt crisis is the Iraq War of finance
Guardians of financial stability are deliberately provoking a bank run and endangering Europe's system in their zeal to force Greece to its knees
http://www.telegraph.co.uk/finance/economics/11687229/Greek-debt-crisis-is-the-Iraq-War-of-finance.html

コメントが2000近くついてるぐらいで、この人の記事は本当によく読まれてる。

で、記事はこれまでの流れを整理しながら、自分(アンブローズ)はバーク主義の保守派だから、ギリシャの左派の話なんか聞きたくねーよ、ってのが本当だろうが、しかし俺ら保守派は民主主義も大事に思ってる。そこから行けば、今回はあれやこれや仕掛けて(初期の悪い対応がわざとであればだが)ギリシャ人を苦しめることしかやっていないECB等のド金持ち集団よりも、チプラスらがやってることの方を理解するぜ、と言うわけですよ。

で、アンブローズは結構マメに更新するんだけど、先週19日にこれを書いて以来更新してない。その間、ギリシャ問題はずっとEU側と行ったり来たりして、話はのばしのばしになってる。

つまり、新しいことは何もない、もうネタは同じ、あとはギリシャとEU(の一部の代表団なわけだが)の交渉如何にかかっていて、でもって、アンブローズはそれはEU側の負けであるほうが正義だと感じてる、ってことを表明しているんだろうと思う。

このへん、つまり、イギリス保守派はEUを脱退する方がモラル的に正しいと言い続けていることと軌道は一致してる。

■ 世界は結構同期している

へんな言い方に聞こえるだろうけど、現在の世界の潮流は、つまり、エリートが上から押し付けるスタイル vs. 各国民の民主主義、ってことなんだろうな、とか思う。

で、これが、前から書いてる通り、ちょうど、Bチーム vs Aチームで、Bチームはナチを押した側って話と同期する。

全然まとまらないけど、世界は結構同期してると思う今日この頃。


 

検証・法治国家崩壊 (「戦後再発見」双書3)
吉田 敏浩,新原 昭治,末浪 靖司
創元社

 

日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか
矢部 宏治
集英社インターナショナル

 


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2 コメント

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サウジ (ブログ主)
2015-06-29 00:58:51
いやどうも。
ロシア産原油が人民元で、ってだけでなく中国の輸入元もロシアがトップになってるんですよね。http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-06-23/russia-pips-saudi-arabia-in-race-to-grab-china-oil-market-share

ロシアのルーブルが安くなったことが主因とは思うけど、自国通貨建の方が有利ですという局面でもあった。

サウジは、ひょっとしたら、前のように中国に売りたいなら(あるいはこれ以上落とされたくないなら)、ドルしか受け取らないとかいう「不自然」はやめませんか、とオファーされてるんでしょう・・・。オファーってのもなんですが。
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『【中・露イラン】石油人民元誕生:ガスプロムが今や中国向け原油売却全部を人民元決済』 (ローレライ)
2015-06-28 15:47:20
【中・露イラン】石油人民元誕生:ガスプロムが今や中国向け原油売却全部を人民元決済へ!http://summingup.seesaa.net/pages/user/m/article?article_id=421388047
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