なんだか世間というか国際社会というか、ざわざわいろんな動きのある初夏だなぁとか思う。でも去年ウクライナで大きな戦争が発生するんじゃないかと考えていた時よりはだいぶ静かになったともいえるでしょう。ドンバスのおっちゃんたち、おばちゃんたちよく頑張りましたと率直にそう思う。
あの人たちが戦略を立て、かつ、実際そう組み上げることをせず、殺されたわ~、きゃー、助けて~と騒ぐ一方になっちゃっていたら、キエフ政権の思う壺で、親類知人をウクライナで殺された一般ロシア人が多数存在するロシア圏一円が沸騰してロシアの直接侵攻からNATOが開戦宣言、ってな筋道だってあったと思う。プーチン政権&ロシア軍はそこをうまくハンドリングしたなぁとあらためて思い、そして、1930年代の我が邦というのは、結局この戦略的見地から考える戦略的引きこもり、あるいは撤退、沈静化ができない政権&軍であり、それを感知できない国民だったと考えるべきなんだろうと思う。
そう。この1年の出来事と対比すべき我が邦の歴史はそこだと思う。なぜ踏みとどまれなかったのか、そこを今後も考えたい。
それはそれとして、数日前の妙な出来事を記録しておきたい。
(時事)
安倍晋三首相は1日の衆院平和安全法制特別委員会で、米英中3カ国が日本に無条件降伏を迫った1945年のポツダム宣言について「政府としては第6項の『世界征服』を含めて受諾し、降伏したということに尽きる」と述べた。民主党の細野豪志政調会長への答弁。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201506/2015060100750&g=pol
(NHK)
これに関連して、安倍総理大臣は、安全保障関連法案を審議する衆議院の特別委員会で「ポツダム宣言は、第6項の世界征服の部分を含め、当時の連合国側の政治的意図を表明した文書だ。政府としては、同項を含め、ポツダム宣言を受諾し、降伏したということに尽きる」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150601/k10010099431000.html
まあ、今更ポツダム宣言の受託を確認しないとならないという事自体が、なんというか、なんなのこの政権ではある。
で、このことは直ちに、私にとっての興味の範囲からは、この話に結びついちゃうなぁと思わないわけにはいかない。
世界強国への道は行き逢ったのか
で書いた通り。ドイツ側のナチスというのは、今日広く知られている通り実際問題ドイツだけが支援していたんじゃなくて広く the West の後援によるものだったわけだすね。で、ひょっとして、そこと我が日本の大陸における勢力には一定程度以上の関係があった。この場合、我が日本の大陸における勢力は果たして単体であったと読むべきなのか、ってのが私の疑問。
で、そこで、今回日本の首相が妙な経緯からではあるけど、ポツダム宣言は受託したんですとあえて言ってきた意味ってなんだろうなぁとかちょっと思ってしまったりもする。
いろいろ考えればここはスルーすべきなのに、安倍ちゃんたら、俺は認めてないと言いたそうな素振りを見せた、これがアカンってことだったんじゃないかと想像。騒ぎにしたら、つつきだす奴がいるのは当然なので、ここはスルーしろ、と。で、それは日本国民に訴えているというより、なんか、シグナルなのかなぁとか思ってみたりもする。
なんといっても、現在ウクライナで騒ぎを起こしているのは、ナチスの残党およびナチス協力者たちの子孫、支援者を中核としているわけで、これ自体、現在の公然の秘密状態が、いつ公然の非難へと変わっても不思議ではない状況にある。
このへんで書いた通り。
ドイツ、身ぎれいになるのか?
で、最近も、こんな記事が出ていた。
130人以上のナチ戦犯が 米国から2000万ドル超を 受け取っていた
http://jp.sputniknews.com/us/20150531/402198.html#ixzz3bohFy9hI
第二次世界大戦中にナチ党員や戦争犯罪の実行に協力した疑いのある130人以上の人々が、米国政府から社会保障給付費として2020万ドルを受け取っていた。AP通信が、米社会保障局の報告書をもとに伝えた。
つまり、第二次世界大戦後、アメリカはナチ党員や協力者をアメリカに匿っていたということの証拠が固まってきたという話ですね。
で、こういう記事はロシアのスプートニクなんかが日本語にしているので、あたかもロシアから出ている怪しい情報ぐらいに思っている人がいるかもしれないけど、基本的にここをつついているのはアメリカ国内の誰かというかグループで、それが英語圏で出回って、世界的なニュースになっている。ここを誤解してはいかんと思う。
■ 今何が起こっているのか
そんなことを考えてきたとき、現在世界で起こっていることの腹水流みたいなものはなんなのかといえば、去年からだらだら書いているけど、ナチスを仕掛ける等して、直接的に武力侵攻して大勢の人間を騙して戦闘に連れて行くタイプのことをしてきた一派に対して、そうでない諸派閥が包囲戦をしかけて、もうこれ以上やらせんわ、アホ、とやっているんじゃないのか、ってのが私の考え。
だから、国ごとに見ると間違う。どの国にもAチーム、Bチームがいるってこと。
そして今回の日本が大変なのは、どっちのチームも日本にとってはパーフェクトじゃないこと。だからどこかで妥協しないとならなかったが、それどころかはらたいらさんに残り全部みたいなカケ方をしちゃってることだろうな、と思う。曖昧な言い方だけど。
■ やっぱり・・・
そんなことを言っていたら、読売新聞にドイツのメルケル首相が寄稿していたらしい。
生きる価値ある世界を…メルケル首相寄稿全文
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150603-OYT1T50005.html
一読して思うのは、結局日本は、今度も、ドイツの一部勢力に引きずられたということですかね、というあたりですね。
冷戦終結から25年後に、(ロシアによるウクライナ・)クリミア半島編入によって欧州の平和秩序が脅かされる日が来ることを想像した人などいたでしょうか。
と、メルケル氏は書くけど、私はもうすでにあなたのこの言明を信じていない。そして、どうやら少なくないドイツ国民もそうなってきているやに見える。情報統制がきつい国だから一見するとうまく言っているように見えるし、二大政党の大連立という民主主義的に考えればルール違反を犯しているため異論はなかなか表にはでない。しかし、私はあなたではなくドイツ社会はこれまでと同じことを繰り返さないだろうと信じている。
(※二大政党の大連立をしてまでやり遂げたかったプロジェクト、すなわち100年来の野望であるウクライナの奪取が失敗した、ということなんだろうと現時点の私は理解している)
「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告/エマニュエル・トッド
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このへんはマニアネタですよね、あはは。
で、私は一般ドイツ、ユダヤ、ポーランド人は同じように被害者だと思ってます。