DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

イギリスメディア、ウクライナ暫定政権の正統性に疑義、今ごろ

2014-03-16 23:19:21 | 欧州情勢複雑怪奇

マレーシアの飛行機はどこに行ってしまったんでしょう? そもそも飛行機がどこにいるのかわからなくなった時、しかるべき時間内に、つまり数分とか10分とか以内に、あれ?とならないものなのか? 考えてみれば最初からへんな話だ。

誰かが大きな話を隠しているんだろう、など思いながら展開を待つしかないだろうけど、ミステリー事件で終わってしまうんだろうか。搭乗者のご家族の方、どうやったって納得できないだろう。どうなるものか。

アジアではそんなことが起り、ヨーロッパの東端というか、ロシアというかの場所ではついにクリミア半島の帰属をめぐる投票が行われている。まず間違いなく、ロシア帰還希望派が勝つ。ここまではみんな知ってる。次は独立国になって、ここで一回止めるのか(しかるべきタイミングでロシア連邦に併合はあるとしても)、そのまま行くのかは一応見ものかな。

アメリカのケリーさんは、先週末ラブロフ露外相に月曜に制裁するぜみたいなことを言っていたので、どんなことになるのか。結構大変なことになるのかもしれず、たいしたことがないのかもしれないが、結局のところ、ロシアはこの際クリミアの地位を確保できてよかったとしか思ってないだろうと思う。

で、ふと、ひょんなことからとはいえ、ロシア当局者はきっとラッキーだと思ってるんじゃないかなと思った。

というのは、キッシンジャーもそうだし、ゴルバチョフもそうだったけど、こういうソ連崩壊の際の混乱に立ち会った人たちが生きていているというのがよかったんじゃないかと思うから。1)

昔の人たちにしてみれば、そもそも、ソ連邦崩壊時にロシアとウクライナが敵性の軍事同盟にそれぞれ入る可能性なんて考えてなかった(ひそかに狙ってた人はいるだろうが)。彼らはbrotherly(兄弟みたいな)というのは質問にもならないような話だった。だから、その前提で諸々の条約を詰めていたはず。ところが20年経ってみたら、ウクライナとロシアは別なんだ、敵対しているんだと強く叫ぶ人が増えた(ついでにいえば歴史捏造派さえいます)。

この話はたとえば、オーストリア人はドイツ人なのか?という質問は、1900年なら質問にならなかった(当然すぎて)、1930年にはちょっと微妙だった、1950年には、答えはまちまちだった・・・みたいなよく言われてきた話を思い出させる。

ウクライナ人というのがロシア人と完全に別だと認識されるような時代になってクリミアの話が持ち上がったら、「クリミアはロシアだ」は、「クリミアは歴史的にはロシアだが・・・」となって、今のように大御所とか専門家がはっきりこの件はロシアがそう出るのは理解できると言えるような事態にはならなかったのではないかと思う。

そういうわけで、今後多少か多大に苦労はするだろうけど、地政学的に重要な地点はお金では買えないので、ロシアにとってはこれはかなりラッキーだったんじゃないかと思ったりもする。

そして、なんでこんなチャンスをあげたの、EU/US???と思わずにはいられない。アホかと。クーデターはいかんかった、ほんとに。

★1)  時事ドットコム:クリミア住民投票を歓迎=欧米の制裁批判・ゴルバチョフ氏 
 http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2014031700887 


イギリスメディア、ウクライナ暫定政権の正統性に疑義、今ごろ

イギリスのテレグラフに、今さらだが、例のウクライナの暫定政権の正統性について、イギリスの外相ヘイグは議会を騙した、という記事が載っていた。

William Hague has been cavalier with the facts in his support for the Ukraine rebels
http://blogs.telegraph.co.uk/news/peteroborne/100263469/william-hague-has-been-cavalier-with-the-facts-in-his-support-for-the-ukraine-rebels/

つまり、暫定政権ができたのは、ヤヌコビッチ大統領を弾劾したからで、弾劾手続きは議会の多数を取ったので有効だ、では直ちに暫定政権をくみましょう、という流れ。

ヘイグ氏はこの流れをイギリス議会で、ヤヌコビッチ大統領はウクライナ憲法に従い、憲法が要求する多数を圧倒的に上回って追放が可決された、だから正統性に疑問を持つのは誤りだ、と答えたらしい。

しかし、ウクライナ憲法では、弾劾手続きはこれで終わりでなく、調査委員会が入って裁判所が入ってそれが有効か否か決まるまで必要。ということは、大統領の追放は憲法的には間違いで、ヘイグ氏は議会に対して誤解を招くようなことを発言している、と。
上のテレグラフの元になった記事はイギリスのはハフィントンポストのこの記事。こっちの方がわかりやすい。
How William Hague Deceived the House of Commons on Ukraine
http://www.huffingtonpost.co.uk/david-morrison/ukraine-willliam-hague_b_4933177.html

しかしこの話は全然新発見ではなくて、一番有名なところでは、プーチン氏が3月4日のインタビューで語っていた話。その時英米メディアはまったく聞く耳を持たなかった。

私にしても、そんな大統領一発即退場みたいな憲法ないだろう、議員の職権剥奪だって面倒くさいのにと思ったのでプーチンが言う方が正しい確率は高そうだなと思ってた。だからこそ、英米は、いいの「革命政権」だから、ですましてゴーサイン出したんだろうなぁと思っていた。

ところが今になってこんなことを言い出す・・・。イギリスは革命支援国家ではないというつもりだろうか。アメリカは所詮は革命国家だが、と。

ひょっとして今後イギリス議会でこの問題を問い詰めるような展開もありなんだろうか? そしたら無茶苦茶怪しい暫定政権(そうなんだが)を無問題で承認したオバマの立場はどうなるのだろう・・・。

今回の騒動、イギリスは微妙にアメリカ一辺倒じゃないどころか、すました顔してネオナチを穿り出している感もある。今後の成り行きをウォッチだわ。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 関心がないのか・理解してい... | トップ | クリミアのロシア編入をnatio... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

欧州情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事