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サウジ、パレスチナ支援を約束

2019-10-18 17:49:45 | アジア情勢複雑怪奇

パレスチナのアッバース大統領がサウジを訪問、サルマーン国王と会談し、両者が経済についての協議会を設けることで合意したそうだ。

Saudi Arabia, Palestinians Agree on Joint Business Council

https://www.voanews.com/middle-east/saudi-arabia-palestinians-agree-joint-business-council

 

現実的に考えればそうでなくとも金詰まりの上にイスラエルに嫌がらせをされてさらに資金繰りに困っていたパレスチナに、サウジが金出しますと言っているという話でしょう。

もちろんこれは10月14日のプーチンのサウジアラビア訪問と関連しているでしょう。

というより、プーチンがサウジアラビア訪問前の13日に、現地の報道機関とRTアラビアを交えて行ったインタビューの中で、

シリアの決着に向けての動きは、サウジの貢献がなければできなかったのではないかと私は考えています。したがって、私は(サウジの)国王および皇太子の建設的なアプローチに感謝を表明したいと思います

But I believe that without Saudi Arabia’s contribution towards a Syrian settlement, it would have been impossible to achieve a positive trend. Therefore, I would like to express our gratitude to both the King and the Crown Prince for this constructive approach. I am confident that my visit will help to build up the momentum both in developing bilateral relations and enhancing cooperation in international organisations.

http://en.kremlin.ru/events/president/news/61792

 

といっていたことが実現しているといったところではなかろうか。

つまり、サウジ他の産油国は、西側の一部と組んで行ってたジハード主義者を仕立ててそこら中をかき混ぜてきた過去の行動を本当にやめました、やめていただきました、ありがとう。

従って今後はその潤沢な金を建設的な方向に使っていただけることを信じています by プーチン with Love

みたいな声明ですね。

 

■ プーチンのサウジ訪問

プーチンのサウジ訪問は、そこら中でサウジがすごいもてなしをしていると大騒ぎになっているけど、実際これは一つの時代を区切ったことになるんじゃなかろうかと思う。画期的。

http://en.kremlin.ru/events/president/news/61799

それは何かといえば、ジハード主義者(または各地域ごとにその変容)を焚き付けて、テロリストを作って、それを追いかける恰好でそこら中に米軍 or NATOを出していくという、ある種の永久戦争を止めさせたということ。

プーチン率いるロシアの訪問団の中に、チェチェンのカドリョフが含まれていたのはそれを示しているのではあるまいか。

 

チェチェンを突破口にロシア領内にテロリストを送りつけて、混乱だわ、混乱だわ、とナチ・リベラルメディアがいい加減な話を作る中で、ロシアを解体するという設計があったということ。

私たちはチェチェンに誰が入り込んでいるのかも知らされず、ロシアがチェチェンという少数民族をいじめているという構図の話を聞かされたものだった。

しかし、そこでロシア軍は予算もない中、組織が解体される中でも、これは絶対へんだとチェチェンで戦闘を繰り返していた。そうこうするうちにチェチェン人たちも、ロシアと自分たちの戦いは歴史的に是認されるとしても、外部から入り込んでる奴にここを支配させるという話には乗れないとなって、ロシアと協力しはじめる。

プーチンたちが真っ先に向かったのもチェチェンだった。まだ若くて、おそらく軍の中でこのKGBあがりの男は信じられるのか否か揉めたでしょう。なんとなればソ連の解体にとってKGB内部の裏切りはおそらくとてつもない大きな役割を果たしたはずだから。そこから一歩ずつ信用を築いて、チェチェンを復興させると共に軍を立て直し、十分に強くなったところから西側に対する反撃を開始。しかしそこで無駄に軍事に頼る反撃をするのではなく、RT他のメディアを強化し、自分たちの考えを伝える仕組みを作り、外交的に行動していくことで世界中に広範な味方を築くことができた、といった流れがこの20年だったと思う。

 

■ ジハード主義者はまだまだたくさんいる

で、「イスラム国」(ロシアにおいてはテロリスト組織として違法)としてシリアに集結した人たちは、出身国でいえば100カ国ぐらいに渡るとロシアの対外情報庁FSBが言っている。

Natives from 100 countries fought for terrorists in Syria 

https://tass.com/world/1083806

 

イスラム国は軍事的には敗北したが、この問題には長期にわたって対応せざるを得ないことを我々は十分に認識している。なぜならこういう組織は変容していっているからだ。武装勢力は他の地域へと移住していく。新しい組織が古い組織を基に出てくる。

The Islamic State (terrorist organization outlawed in Russia) suffered military defeat, but we are well aware that we will have to spend a long time to address this problem, because terrorism as such and its structures are undergoing transformation. The militants are about to migrate to other regions. New cells are emerging on the basis of the old organizations," Bortnikov told the media on Thursday.

 

まぁそうでしょうね。フィリピンあたりとか東南アジア方面もこの流れの中で見る必要があると思う。

で、この資金源の大きなところが当面止まったとしても、イギリスやらアメリカには他にも資金源がある。アメリカの国防予算とか情報機関向けの予算はブラックボックスだからそこからの迂回資金もあるだろうし、なによりも軍事産業、金融業者には金がある。

だから残るのは、考え方の問題でしょうね。いつまでもこういう下劣で将来性のないことを続けるのか、あんたら、というお話。

 

■ オマケ

で、我が方ではどのように報じたものかとプーチンのサウジ訪問を見てみると、

プーチン大統領 米と同盟のサウジアラビアを12年ぶり訪問

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191015/k10012131651000.html

プーチン大統領が、アメリカと同盟関係にあるサウジアラビアを訪問するのは12年ぶりで、トランプ政権の中東政策が迷走しているという指摘がある中、ロシアの影響力を拡大したいねらいがあるものと見られます。

 

影響力はすでに拡大してるわけですよ(笑)。シリア情勢見ていないんですか?って感じ。

つか、既に、いってみれば、サウジはありていに言えば「詰め腹」切らされているような恰好だという展開なわけですが、日本の中では何が変わって行っているかさえ見せないんだろうなぁ、やっぱり。

いいんです、強いアメリカ様と共にあるんだからってところなのか?

 

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コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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ごたついている間に (セコイアの娘)
2019-10-19 03:14:21
イスラエルがまだ組閣できず、もめている。よもや再再選挙か。笑。
ブログ主さんには怒られちゃうかもしれないけれど、もしヒラリーが大統領だったら、こうはなっていない。トランプの米軍のシリア撤退宣言からの一連の動き、プーチンとトランプの連携プレイを見ているような気がしている。
この趨勢から改めてカショギ事件を振り返ってみる。報道とは180度違って見える。
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連携ではないでしょう (ブログ主)
2019-10-19 19:27:54
セコイアの娘さん、

プーチンとトランプは別に連携してないでしょう。トランプを含むアメにとってそれしか合理的な展望がなくなると考えさせるよう、ロシア外交が筋道を設定して、選ばせてるって感じじゃないでしょうか。
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