マスコミに載らない海外記事 さんが非常にタイムリーな記事を訳されていた。
公式に正気を失ったアメリカ
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/10/post-124b3a.html
Finian Cunningham
2019年10月28日
Strategic Culture Foundation
この記事にあるように、トゥルシー・ギャバードのこれが現在を象徴している。
最近の全国テレビ討論で「アメリカはアルカイダ・テロリストを支援している」とはっきり言ってトゥルシー・ギャバードは真実を語った。他の民主党候補者連中の不審そうな表情が、米軍は「テロと戦うため」シリアや他の場所にいるのだと主張するアメリカ公式プロパガンダの空想世界に包まれて暮らしていることを示している。
退役軍人ギャバードは、こうした率直な真実を語ったことに対し、ニセ情報と嘘を広めたかどで、メディア報道と論評で猛烈に攻撃されている。「ロシア・スパイ」とレッテルを貼られたのに加え、彼女は「アサド擁護者」としても非難されている。
しかし、これはよく考えるとトランプもそうだったわけですよ。トランプはオバマの狂った中東政策を批判したことで、いろんな意味で頭のはっきりしている人たちの支援も受けた。
しかしながら、それでもトランプはシオニスト大統領だからキレイな仕事はできるわけもない、ってのはある程度読めた。また、アメリカが今後の中東をどうするつもりなのかと兼ね合わせで、時間を稼いで、ロシアに得点を許しつつ、いいところで絨毯ひっぱって自分のものにするとか考えてんのかな、第二次世界大戦みたいに、と思わないこともなかった。
だがしかし、どうも事情はそうなってるようには見えないですね。ホントにボトム。
というのは、表面をきれいにできないから(笑)。
今週、トルコによるクルド民兵攻撃の混乱の中、何百人ものジハード容疑者囚人が拘置所や収容所から逃亡したことをロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣が確認した。
「アメリカ占領軍が、シリアからイラクに、何百人ものダーイシュ[ISIS]テロリストを輸送し続けている」とシリア国営メディアが報じている。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/10/post-124b3a.html
傭兵を使ってもういっちょ、もういっちょと紛争を仕掛けるという作戦を止められない。
こっちもある。
まずドナルド・トランプ大統領は、シリアで活動しているいわゆる救援隊ホワイト・ヘルメットへの450万ドル支援承認を発表している。トランプは彼らを「重要で非常に貴重だ」と歓迎した。去年大統領はホワイト・ヘルメットへの680万ドル支援を承諾した。
このへんを止められなかったら、次の世界に知らん顔して行くということもできないのね。
■ 国内は多分「底」を確認しにいく
よく市況で、底入れですね、みたいなこと言うでしょ。底ができてからじゃなきゃ反騰もできない。あれと同じで、このへんでボトムを作って体制を変えたいと考えてる人たちはそりゃいたんだろうと思うんだけど、できない。
一応、アメリカ国内では、議会の公聴会なんかを使って、米軍のシリアの駐留は違法である旨を述べさせたりする動きがある。
米軍のシリアの駐留は違法ってところから、ここを突破口としてボトムにしようという動きがあるものとみえる。
だってもういい加減にしたいでしょう。なんでそんなアルカイダ(名前はなんであれ)を支援してみたり、軍ときたらシリアの油田から石油かっぱらって現金化してた、みたいな糞な話まで聞かされる始末。
アフガニスタンの麻薬がCIAの資金というなら、俺らは石油の密輸だ、とか軍・諜報が思ってんのかなと話としては面白いけど(笑)。
■ もうロシアだけじゃない
で、アメリカ国内では主敵をロシアにして、ロシアが~、ロシアが~とやってますが、シリア関連では、ロシア、イランが揃って非難する恰好がすっかり常態化し、収拾プランにはトルコも入った。
左から、イラン、ロシア、トルコの外相。みんなもうすっかりおなじみの顔。
Iran, Russia condemn US military presence around oil fields in Syria
https://www.presstv.com/Detail/2019/10/30/609928/Iran-Russia-Syria-oil-Javad-Zarif-Sergei-Lavrov
「国持ち大名」というべき現地の大国が揃って、現地じゃない奴らがうろちょろしているのを見てる恰好がすっかり板についた。
ロシア・トルコ・イランの迫力
■ この先の秩序へ
で、こうやっていっていること自体が、実はネオコン/ネオリベの敗北なんだろうなと思う。
なぜなら、この人たちは各国間がそれぞれを尊重しあって話し合いましょう、というスキームをぶち壊したい人たちだから。
端的にいえば、ボルトンが国連なんて役には立たないんだとうそぶいたことが代表例でしょうか。彼らは、実際国連決議を得られずそのままイラク攻撃して、そのままずっと他国に自分が入り込む事態を自分だけで是認している。
さらに、オバマの方は、自分をexceptional、例外だ、としたわけですよ。つまり、アメリカは法の上に存在する宣言なわけね。
両方とも、各国間で約束したらそれを守る、みたいな発想をぶち壊しにかかってる。自分だけはなんとしても何者にも縛られたくないのだ、という意味で究極の「リベラリズム」かもしれない。
犯罪者となるとも私は無罪だ、ってのは、犯罪者と断じた側に非がある場合に、後世の人が、まさしくその通りと認めることがある、そういう場合に使うもの。
しかし、この人たちは生きながら、世俗の法も宗教的な道徳的慣習も踏み越えて、私は無罪だ論を展開しているという点で、通常、どこの世界でも狂人と呼ばれるべき範疇に入っている。
まさしく冒頭の記事の通り正気を失っている。
ということで、現在の国連機構は米英がぐだぐだにしてしまっているのでこのままってことはないだろうけど、国際調整型の世界は今後も続くでしょう。
世界中の多くの人がそう望んでいることが見えたというだけでも、ネオコン/ネオリベの「活躍」は意味があったかもしれない。惨いようだが、秩序はいつも多大な犠牲を伴ってできていく。そして、それだからこそ、犠牲者の死を無駄にしたくないのなら今後の秩序をより良きものにしていこう、という発想にもなるのだと思う。
■ オマケ
これは私の趣味の範疇だが、現在の事態は、ギリシャ的コスモポリタニズムが、フランク族(ゲルマン)の破壊と捏造主義に勝ったという意味で、実に遠大だなと考えることもできるとみえる。
■ オマケ2
トランプの現在は、「アメリカ」の戯画化を主たる任務にしている気がする。
しかし最初からそうだったわけじゃなくて、最初は適当にアメリカがリードする形で「底打ち」しようと思っていたのに、ロシア疑惑をかましてくる「守旧派」がいたため、もういっちょ下層まで揺れて、もう一段下の底を探ってるみたいな展開。
■ オマケ3
忘れてたけど、そういえば去年、ロシアの国連大使ネベンジャさんが、国連安保理をくさい芝居の場にして、馬鹿をさらすアメリカ、イギリス勢に対して、
ロシアの国連大使ネベンジャさんは、ロシアはシリアに合法的に入ってるが君らは一体なんなのだとも言ったし、米国があるけばそこはカオスになる、とも言ったし、ホワイトヘルメットの話もしたし、もうなんでも言った。違法なシリア攻撃をすれば酷い結果になるという警告はネベンジャさんとロシアの外相の両方がした。ロシア軍は来るなら来いと防衛体制のアラートをあげた。
その上で、「私たちはあなたがたが正気に返ることを願います」と言った。
あなたがたが正気に返ることを願います by ロシア国連大使
という一幕があった。
米または英が繰り広げる馬鹿な事態を前に、世界中で、プーチンが何かいうとようやく「理性の声」が来たといった受取り方をする人が多くなり、結局のところロシアがピースメーカーなんだなという点が確認されたような事態になってる。
で、私にとっての問題は日本ですよ。日本ではこの展開をほとんどわかってない人が大多数。米露の対決とか、米中の対決、みたいな切り口でしか見せられてない。問題はそこを超えている。
今朝の毎日新聞では、今までは非公開だった公聴会を公開にするとの弾劾審査の手続き云々とのベタ記事があるだけ。本来ならトランプの大打撃だと思うのですが、如何も、そうではないらしい。マスコミでは極些細な出来事との扱いです。
Donald J. Trump認証済みアカウント @realDonaldTrump 5:50 - 2019年10月31日
Congratulations to @FoxNews, you left @CNN & @MSNBC in the dust (that’s because the don’t tell the truth!).
アメリカのケーブルテレビのニュースで視聴者の多いトップ10の番組が全てFOX。トップ20でもCNNが3つ入った以外、他はずべてFOX
で「おめでとうFOX!CNNとMSNBCをゴミ箱にいれたな!」とトランプ大統領が大喜び。
アメリカのメディアがリベラル一辺倒の状態から変化しつつあるようなのです。
スプートニクはシリアのアサド大統領がトランプは発言と行動が一致しているアメリカで唯一の大統領だと大絶賛?
北朝鮮にも言えるが、米軍撤退でトルコ軍侵攻を招いて、クルドを切り捨て、結果的にシリア政府を応援しています。
弾劾をするための審査をする手続きを正式する、という決議が下院で通ったことは本当だと思われます。
a resolution to formalize the procedures of the impeachment inquiry into President Trump.
共和党の一部が賛成にまわって可決、しかし、一方で共和党の一部(40人ぐらい)が、そもそもこの弾劾騒ぎはethics、議会の道徳に反するという提案をした模様です。
総じていえば、米議会は混乱しっぱなしということだと思われます。
完全非公式に、ディープステート、CIAのパペットたちは中東へ向かった。ニューヨークタイムズは、バグダディの居場所はペロシとアダム・シフが中東へ行ってからわかった、と伝えている。ペロシやアダム・シェフたち議員は、ヨルダンの国王とアフガニスタンの大統領と話し合いを行ってた。
トランプが、バグダディ捕獲作戦の実行を指示したのは先週だ。ペロシとアダム・シフが中東にいる間だった。
トランプが、バグダディ死亡を発表した際、ペロシや他の議員にこの計画を知らせたか、と質問が記者からあった。トランプは、ペロシたちには伝えなかったと言った。リークされたくなかったし、他にアメリカ人の負傷者や犠牲者を出したくなかったからだ、と答えた。
この、果林&樹林 (Karin & Kirin) @japanawakening · 10月30日 には色々不思議なニュースが書いているのですが、
AFPなどは10月31日にペロシの牛耳る下院でトランプ弾劾決議を行うと報じていたが、その後の決議したとの報道が無い。
もし弾劾決議に失敗すればトランプが圧倒的に有利になる、逆ならペロシなど民主党が有利に。
ところが、アメリカ下院の動きが、その後マスコミは何も報じていないが、何かの裏取引があったのか??
嘘をつくこと、他人を欺くことを何とも思わなくなっている。他人の痛み、苦しみに対する、みごとなまでの不感。自分がよければすべて良し。人格なんて関係ない。いくら稼ぐか、いくら持っているか、
カネ以外の物差しのない国。
こうした精神的荒廃が、国家の正気を失しなわせているのか、あるいは不道徳な国家が、国民のモラル崩壊の原因なのか。卵が先か、にわとりが先か。
ひとつ言えるのは、モラルの崩壊は、国家の衰退を間違いなく招くだろうということ。カネと暴力と嘘だけでは、皆離反していく。