1週間以上前の記事なのでいささか古いのだが、メモ。
ロシア駐日大使が遺憾表明 ロシア非難のG7外相宣言に日本が署名
https://jp.sputniknews.com/japan/201804184794464/
ロシアのミハイル・ガルジン駐日大使は18日、声明を表し、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)のセルゲイ・スクリパリ氏とその娘のユリア氏の服毒事件に関して、G7外相らが採択したロシア非難の共同宣言に日本が署名を行ったことについて、遺憾の意を表した。
例のイギリスのタチの悪すぎるスクリパリ親子事件について、G7外相会議がロシアが悪いです、という線の声明を出して、そこにG7諸国が一致して署名してるという件。
もうG7というか、要するに東西のNATO相当の国々には、独立性とかない、結局ステルス支配されてただけだってのが見えている現在、もはや怒る気にもなれないんですが、ロシアは抗議してくる。
「G7のいわゆる英ソールズベリーの化学攻撃およびシリアであたかも化学兵器が使用されたということに関する声明は、シニシズム以上であり、国際法を無視したものだ。」
「こうした『書面』に日本の署名を見る事はまことに沈痛な思いである。思いつきの『規則に基づいた国際的システム』に戻す必要があるのはロシアではない、ということをG7はわからねばならない。ずいぶん前に抜け出てしまった国際法の空間に戻らねばならないのはG7自身の方だ。」
このへんは大賛成ですね。
G7諸国を代表とする西側諸国の無法っぷりは半端ない。
去年トランプがシリアに空爆した時も、なんでだかさっぱりわからないのに空爆したら、あっと言うまに、アメリカの支配層は喜び、ドイツ、フランスetc.は、「賛成よ」とか言っちゃう。もはや非西側勢としたら、笑うしかない状況だった。それが今年も起きて、今年も、同じように、何も考えずに「賛成よ」となっちゃう。
■ 西側の先兵G7はあきらめない!
で、このG7外相会談は、さり気にすごいことを決めてると思うわけですよ。
外務省の短いお知らせでもそれが知れる。
シリア情勢については,困難な状況から如何に政治プロセスの進展につなげていくかにつき活発な議論を行った。河野大臣から,ジュネーブ・プロセスを通じた政治的解決が唯一の選択肢であること,また,ヨルダン,レバノンといったシリア難民を受け入れている周辺国を支援することが極めて重要であることを強調し,認識の一致を見た。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/pc/page3_002444.html
これはつまり、ロシア、イラン、トルコがカザフスタンのアスタナで始めた、シリア復興のためのスキームを否定している。
現地関係者が作ったスキームをまったく無視して、旧宗主国(フランス)を含む西側勢がシリアの将来を決めるのが唯一の道だと言ってるわけね。
マクロンなんて、フランスやアメリカが明日のシリアを作っていくのだと勝手にあちこちで言ってまわる始末。もう気持ち悪いこの人たち。
France, US & allies to ‘build Syria of tomorrow’ - Macron
https://www.rt.com/news/425159-macron-trump-syria-plan/
これは、ソフト路線で、もうそろそろシリアをなんとかしなければでしょ、と訳のわかってないリベラル勢に訴える路線ではなかろうか。右派とか戦争見てる側はアメリカをシリアから撤退させたがってるからこのトークには釣られない。しかしリベラルは釣られる可能性大。
ということで、そりゃもう、ロシアのみならずイランあたりが毎日毎日反発してくる理由はある。
イランのローハニ大統領:ホワイトハウスは中東のための決定などできない
White House in no position to decide for Middle East: President Rouhani
http://www.presstv.com/Detail/2018/04/25/559651/Iran-Rouhani-US-White-House
自分でテロリスト入れてシリアを壊して、現地組がISを打破したら、俺もテロリストはいけないと思いますとかぬかして、その上で自分も解決策に入れろと言ってるわけね。大爆笑なんですが、まぁそれがこのへんの先進国だかなんだか知らないけど勝手に俺たちが世界の支配者だと思ってる集団。
もう足元の現実としてはかなり無理なことを言ってるのは、この卑怯者集団、あるいはほとんど犯罪者集団といっても過言ではない集団。
犯罪者の顔を知られたので、ソフト路線で行こうとしてるフランスって、狂った婆が化粧して私は永遠に美しいとか言ってるような感じでほんとーに心からうっとおしい。
しかしこの集団は基本形が金融システムの支配をもくろむ人々だから、経済制裁を通じてシリアに投資する奴を「悪者」にしていくとか、イランをSWIFTから外す、ロシアを外す等々で妨害できることは結構ある。
ただ、ロシアとイランは物々交換に励む(ロシアが物品を輸出、イランが原油で支払う)とか、SWIFT後のシステムをそろえて来るとか、対応を取っているので30年前や20年前にできたほどのことはG7はできない。
でもやる。
どこまでやるのかわからないし、そもそもそれって勝算があるのかも不明だが突っぱねるらしい。
で、日本についていえば、こうなったのは最近のことだと考えるのは多分間違い。これは第一次世界大戦の頃からの仕組みの話なので、いわゆるサイクルピコ的枠組みを日本も推した方。
一時期日本は非常にアラブ寄りだったのでそちらこそ日本なのだと思いたいもいるんだろうけど、日本の支配層は一貫して結局英仏と同じ側に立ってると思って間違いないでしょ。ただ、原住民日本人(私たちのことよ)は、非常にしばしば別の考えを持っている。この乖離は今日いやますばかり。
■ 参考
G7 Foreign Ministers Call on Russia to Answer Questions Related to the Salisbury Incident