サウジ他がカタールと断交したそうだ。
サウジやエジプトなど4カ国、カタールと断交 「テロ支援」で
https://jp.reuters.com/article/quatar-gulf-tie-idJPKBN18W0D7
[ドバイ 5日 ロイター] - サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンは5日、カタールがテロリズムを支援しているとして国交を断絶した。
4カ国による協調した断交発表により、カタールがイスラム組織「ムスリム同胞団」や、域内でサウジと対立するイランを支持しているとの非難が強まることになる。
テロ支援、というけどサウジが言うテロ支援は、イラン支持のことと考えるのが常道でしょう。
つまり、カタールはイランを真正面から敵視するサウジの政策についていけないわぁという態度になりつつあるのでサウジが怒った、ってことではなかろうか。
でもって、本当はそれが主因なのに、あたかもカタールだけが各種テロリストを支援していたかのようなことをサウジは言っている、と。
国営サウジ通信(SPA)は、カタールが「域内の安定を阻害しようとするムスリム同胞団、ISIS(「イスラム国」)、アルカイダを含む複数のテロリスト・宗派組織を支援し、常にメディアを通じてこうした組織のメッセージや構想を広めている」と指摘。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラに言及したとみられる。
お前はどうやねん、と誰でも思うところだが、サウジを詰問できる勇気ある国は少ないので、サウジはフリーハンドに勝手なことを言う、って感じでしょうね。
イランのPress TVによれば、
カタールの報道機関(アルジャジーラのことかは不明)が、「米国やサウジ、その他の属国は『イスラムの大国』であるイランとの間で緊張を高めようとしている」という文の入った記事を掲載したらしい。
After Trump's visit, tensions escalated between Riyadh and Doha because of an article in Qatar's state-run news agency in which the emir was quoted as criticizing the US, Saudi Arabia, and their client states for attempting to stir up tensions with “Islamic power” Iran.
http://www.presstv.ir/Detail/2017/06/05/524226/Bahrain-Saudi-cut-ties--Qatar
その後カタール政府は直ちにそのコメントを削除し、国営報道機関はハックされたと言ったらしい。
これ自体の真偽は私にはわからないんだけど、ありそうなことだとは思う。でもって、イランを敵視する政策の妥当性、継続可能性ってのはまぁその、イスラエルとサウジ以外のすべての人にとって疑問なわけだから、ここにある亀裂こそ現代の問題っすね、ってところか。
それはつまり、アメリカ国内の、大イスラエル構想だのイランとの戦争を望む手合いだのってのにとっての正念場とも言えるでしょう。
そうやって考えた時、今回の話は、サウジからカタールを外したとも言えるわけで、これは本当のテロ対策から見ると一歩前進ではあるまいか?
下敷きになるのはこのへんですね。
アサンジュ:ISとクリントン財団の金主は重なる(本編)
多分、サウジのイエメン戦争からカタールが抜けたという意味にもなるんじゃないのか。ということは、カタールは米の中東における前進基地だから、それはそれなりに米の仕掛けがある(うまくいくか否かはおいておいて)ということなんでしょう。
■ 参考
サウジなどカタールと断交 イランとの関係とがめる?
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO1730428005062017I00000/
カタールの沖合にある世界最大級のガス田「ノースフィールドガス田」は、イランの「南パルスガス田」と海底でつながっている。カタールはこのほど凍結していたガス田開発の再開すると発表。核合意に伴い経済制裁を解除されたイランも同様に開発の加速をねらっている。地下では一体であるガス田の開発計画は連携が欠かせない。
クエートとカタールの立ち位置が同じってのは私も同意します。で、そうすると攻められるのはサウジになるんですが、どうなんでしょう。いや攻められていいんですけど、私は(笑)。