新協建設工業という名の建設会社を知ったのは今年の3月19日のこと。会社主催の「首都圏外郭放水路」の見学会に出掛けたときです。非常にお安い費用のバス見学で、豪華ランチも付き、又、利益を社会に還元したいとの会社精神にも惚れて、「友の会」に入りました。3ヶ月に一度送られて来る機関誌が『住まいの友』。その秋季号に荒浜が取り上げられていました。新建設家集団による「建設とまちづくり」セミナーに参加した事務局長の報告です。 10月10日のブログと重複する部分もありますが、その冒頭部分を紹介します。
≪宮城県若林区荒浜。セミナー3日目に訪れました。真っ白な広い海岸、青い空。絶好の海水浴場として賑わっていました。防潮堤の内側には多くの民家があり漁業施設もありましたが、今は建物基礎のコンクリートが、一面の夏草に覆われています。ここは災害危険区域に指定され、建物を再建することができません。「あんな恐ろしいところに二度と帰りたくない」という人と、「どうしても帰りたい」人が分かれています。
帰りたい人が自宅の跡地に”幸福の黄色いハンカチ”を掲げ、小さなテントを張っています。「移転を希望するものも住み続けることを希望するものも、ふるさと荒浜が大好きです。どちらも生きていける道を求めて努力しております。」という看板が立っていました。復興への選択肢は画一ではないでしょう。安全な暮らしを再建するため勉強会を続けている住民の人たちもいます≫と記され、以下南三陸町などの現状報告が続きます。
映画『幸福の黄色いハンカチ』の舞台は北海道。高倉健主演でした。リメイク版では、確か武田鉄也が主人公を演じていました。どちらも夫の帰りを待つ妻が”貴方を待っています”と掲げた旗が、翩翻とひるがえっていました。その黄色い旗は、今東北仙台の荒浜では”ここに戻りたい”の意思表示となっています。