マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

憲法学習会で『伊藤 真』講演を聞く

2013年10月14日 | 学び舎

 一昨日、都高教退職者会主催で、憲法学習会を「全水道会館」で開催し、伊藤真氏の講演を聞いた。伊藤氏は伊藤塾塾長として、多くの司法試験合格者を生みだした名教師として名高い。私は司法試験とは係わりを持たなかったが、行政書士受験で一時、ここの塾生となり、オンライン受講生だったことがある。「夢をかなえる勉強法」という彼の著作を読んだこともある。今や彼は「1票の格差絶滅」を訴える弁護士としても有名。興味津々として今日の講義を待っていた。

 開講20分前、事件発生。持参した方のパソコンには「Power Point」がインストールされていないことがわかり、緊急対策として、私がタクシーでパソコンを取りに自宅へ向かう。パソコンは、全水道会館からほど近い本部に戻り、そこのパソコンを借りて事なきを得ていたので、私が用意したパソコンは不要となり、メデタシメデタシとなったが、私が舞い戻った時には講義は既に開始されていて、是非聴きたかった「自己紹介」の部分は既に終わっていた。残念!
 伊藤氏も”パワ・ポイ”を利用しての講義。事前に配られたプリントには次の様に印刷されていた。
 『 自己紹介
   ●伊藤塾の塾長として→法律家・公務員の育成を30年
   ●憲法の伝道師として→全国で講演
   ●弁護士として→1人1票実現運動  』
 各方面で大活躍の彼が特に力を入れているのが、1人1票運動。話の前半部分はここに割かれた。
 参議院議員選挙1人あたりの有権者が24万人の鳥取県選挙区と、120万人の神奈川県選挙区では、議員1人あたりの有権者に5倍の格差がある。鳥取県の人を1票すると、今夏行われた参議院議員選挙では 東京の私は0.224 票 神奈川県の人は0.262票 埼玉県の人は0.246票  千葉県の人は0.286票しかない。住所差別は撤廃しなければならない。1票の不平等は、個人の尊重・尊厳の問題であると、3弁護士が中心となり、この運動に長い事取り組んできた成果か、この数年の高裁判決では、現在の国政選挙状態を「違憲違法」との判決が相次ぐ様になってきている事も紹介された。
 しかし伊藤氏の論法は鋭い。「違憲ではあるが無効では無いという判決が殆ど。その判決自体が違憲」と論断。更に「1人1票運動は、その格差是正を目指すのではなく、格差絶滅を目指す運動です」と。
 「P
ower point」のフレームは44にも上った。この内容を90分で全て語ろうとするのだから、早口にならざるを得ない。多分受験講師としての彼の講義は、もっと膨らみや脱線のあるものであったろう。そのような話も聴きたかったが、今は多くの場に出向き、護憲の為の活動に超多忙の彼、望むは酷か。この日も、次の講演が控えているという。

 現憲法の理念・根幹と対比しながらの自民党改憲草案への鋭い批判。特に「戦争が出来る国」へと流れて行きそうな現状に対し、最後に「皆さんへの期待」として「1・明日の自分は今日の自分が創る。2・今を生きる者としての責任を果たす。3・Festina Lente (ゆっくりいそげ)」 と締めくくって講義を終えた。分かりやすい、熱の籠った講義だった。