息子夫婦が暮らす北海道を毎年を訪ねるようになり、今年で6年目となる。3年目からは、帯広からやや足を延ばして温泉に一泊するようになってきた。今年は初めて夏の滞在。7月18日(金)~22日(火)に出掛け、トムラウシ温泉「東大雪荘」には2泊してきた。勤めのある2人は、この間の3連休を有効活用してのことであった。
18日、成田発9時30分離陸のスカイマーク機は1時間半のフライトで新千歳空港着。ここからは高速バス利用で、2時間半後に帯広へ。義娘の弥生ちゃんとは約1年ぶりの再会。 翌19日の午前中に温泉宿に向かうのかと思っていると、「午前中は池田町へ出かけるよ」とのこと。またまたワイン工場見学かと思いきや、そうではなかった。目的地近辺の広大な牧草地を前にして「何の見学だか分かる?」と息子に聞かれ、「?」。実は「シープドッグショウ」だった。Sheepdog(シープドッグ)=牧羊犬を見るのも、そのショウなるものを観るのも初めてだった。
小高い丘を前に200ほどの見物席が設えてあり、この日の見物人100人ほどを前に、この道の達人安西浩氏が登場した。この安西氏は「ボーヤ・ファーム」という羊の牧場を経営する一方、隣接するこの場所で、牧羊犬ショーを定期的に開催しているのだ。牧羊犬とはカーボイの役割を演じる犬。日本有数の牧羊犬ブリーダを使って、犬が羊を誘導するショウをお目にかけようというわけである。
安西氏の言葉に耳を傾けよう。「私は笛で犬たちに4つのシグナルを送ります。①進め ②止まれ ③右へ ④左へ の4つです。1km先にいてもこの音を聞き分けるほど耳の敏感な犬はこのシグナルを聞き、羊を目的の方向に誘導するのです」と。人が犬に指示を出し、犬がその指示に従い羊を追うのである。それは見事なショウであった。私たちからは見えないところで戯れていた羊たち。放たれた犬5頭は、一目散に消え去り、指示の笛や安西氏の声で、羊たちを連れて帰ってきた。狭い柵内に羊の群れを追い込むこともやってのけた。拍手!拍手!(写真:安西氏は語る)
(出番を待つシープドッグ)
(意外に多い見物客)
(追われる羊たち)
(遂に、柵前まで追われた羊たち) ショウの最後には羊の毛を刈り込むところまで演じられた。当初はアンディという名の犬1頭のみで行っていたこのショウは、8年目の現在、若手の犬4頭が加わり5頭で行われている。昨年の平成25年はツアー客を含め約8500人の入場となったそうである。(写真:刈られる羊)
帯広に住んで5年の息子夫婦。私達は、彼らの知った世界を、専ら案内してもらう格好である。