隅田川の花火は、今年は2年振りに、夜空を華麗に彩った。昨年は集中豪雨により、突然の中止となってしまったが。我が管理組合の、屋上での「花火鑑賞会」も、昨年はその俄か雨の為、急遽、場所を屋上から玄関エントランスに変更しての続行。狭い場所での酒宴は、住民間の距離感をより近づけるというハプニング効果を生んで、無事終わったのだが・・・。(写真:東京新聞より)
しかし、今年の鑑賞会は危ういハプニングが起こってしまった。主原因は強風だった。
プロパンガスの使用条件が厳しくなったため、屋台と同じ鉄板を使用しての調理を諦め、ホットプレートを購入し、家で実験的に焼きそばを作ったところ上手くいったので、安心し切って当日に臨んだ。ウインナーを炒めるまでは良かった。焼きそば調理に入り、まず豚肉を炒める段になって、一向に炒まらないのである。この日、花火鑑賞に誘っていた,遊び仲間の熊坂さん曰く「強風の為、鉄板の熱が奪い取られ温度が上がらないのだよ」と。思えば当然の指摘であった。そこでプレートを、風を避けられそうな地点にまで下して調理を続行するも、やはり状況はあまり変わらない。
その様子を見て、自宅からカセットガスのコンロを持ってきてくれた方が2人と、自宅のホットプレートを用意してくれる方がいて、4つの器具で調理が始まった。その瞬間に照明が消えたのである。2台のホットプレートが原因でシューズが飛んだのだ。電源は屋上にあるエレベータ管理室から取っていた。慌てて、数名が管理室に入ってシューズの位置を捜したが、どこにも見当たらない。これには焦り、困り果てた。ホットプレートが使用できないのは兎も角、屋上を照らす照明が消えてしまっては、食べ物の位置は見えづらくなるし、一連の動きが鈍くなるのだ。
この日は快晴。数キロほど離れた隅田川の花火は良く見えた。花火鑑賞に集中しいる住民の方は、照明が消えたことを心配している様には見えなかった。しかし、主催者側は気が気ではなかった。管理室のシューズ捜しを諦めた段階で、屋上の下の12階にコンセントを求めることとなり、漸くに発見。長い電源コードを延長して、そこと繋いだ。これは面倒な作業だったが、この様な事態に適切に素早い対応をして、手助けして呉れたのが熊坂さん。有難かった。照明が再び点るまで20分は掛かっただろう。ハプニングの連鎖であった。
結局焼きそばは、カセットコンロを持ち込んだ方の努力と、自宅のコンロで調理してくれた妻の”内助の功”で事なきを得た。天体望遠鏡からは土星観測が出来て、特に子供たちが喜んだ。20時30分に花火は終了したが、敷かれたビニールシートに座り込み、話し込む多くの住民の方々。今年は、ハプニングがあったので殊更面白い鑑賞会だったとの感想もあった。これは主催者への慰めの言葉だったのだろうか。来年に向けて幾つかを改善しなければならないが、兎も角、鑑賞会は無事終了。