


あらすじ(文庫本背表紙より)
学者の娘として生まれ、今は大阪天満の呉服商「五十鈴屋」に女衆として奉公する主人公、幸。十四歳の幸に、店主徳兵衛の後添いに、との話が持ち上がった。店主は放蕩三昧で、五十鈴屋は危機に瀕している。番頭の治兵衛は幸に逃げ道を教える一方で、「幸は運命に翻弄される弱い女子とは違う。どないな運命でも切り拓いて勝ち進んでいく女子だす」と伝える。果たして、「鍋の底を磨き続ける女衆」として生きるのか、それとも「五十鈴屋のご寮さん」となるのか。あきない戦国時代とも呼べる厳しい時代に、幸はどのような道を選ぶのか。話題沸騰のシリーズ第二弾!




シリーズ第一弾、あきない世傳 金と銀 源流篇の読書感想文はこちら。
十四歳で後添いにと言われる幸。断るすきがないように段取りされてしまう。番頭の治兵衛さんは一応逃げ道を教えてくれるけど、尊敬する番頭さんの言葉を信じ、店主徳兵衛の後添いになります。徳兵衛は嫌がっているのに。幸も嫌がっているのに。そんな時代なのでしょうか。
阿呆ぼんと誰からも言われる徳兵衛。何度も何度もキーーーッとイラーーーッとさせられます。それは幸もだよね。でもそのたびに「自分の夫なんだ」と思い知らされる。でもいつでも前向き、一生懸命呉服に関する知識を得ようとする向上心、幸は商売に精を出すことが許されるようになるのだろうか?
店主の次弟惣次は商売に一生懸命過ぎるほど打ち込んでいて才能もあって、すてきだなと思う反面、口のきき方がひどくて好かれないよねと思っちゃいました。
治兵衛さんに起きたことで第一次ショック、徳兵衛に起きたことで第二次ショックを受けた私ですが、最後の最後、惣次のセリフは「やっぱりな」と。
店主の末弟智蔵は今回チラッとしか出てこなかったけど、やっぱり幸とお似合いだよねぇ‥って、第一弾のときと同じように思ったのでした。